白馬の王子様に憧れる女
あぁー来てくれたのね白馬の王子様、あなたの国に連れて行ってー…。
「おーい、起きてるかぁー?恵ったら」
ハッとして私は現実に引き戻された。
ここは中学校だ、朝来て妄想の世界に浸っていた所に親友の貴子に邪魔されたのだ。
「もう、貴子ったら折角妄想の世界に浸ってたのに」と頬を膨らませると、
「もっと現実の男を見なさいよ」と言われた。
「貴子こそ、いつもアイドルのマー君素敵とか言ってるじゃない」
「アイドルのマー君は現実にいるけど、白馬の王子様なんて現実にいないじゃない」
そこに幼馴染みの健太がやって来た。
「又妄想してたのか、恵は現実見ろよ、ここに良い男がいるじゃんか」
「何処に良い男がいるのよ」私は健太の顔を見て言ってやった。
すると、貴子が「夫婦みたいでお似合いだよ」何て言うから「何で健太と夫婦なのよー」と更に頬を膨らませた。
言い合っていたらチャイムが鳴ったので、
ここで会話は終わった。
お昼休みに又健太が来て「日曜日ちょっと付き合ってよ」と言うので、「別に用事もないから良いよ」と言うとそれを聞いていた貴子が何故かニヤニヤして見ていた。
そして、日曜日待ち合わせの場所に行くと、
健太が既に来ていた。
バスを乗り継いで着いた場所は乗馬クラブだった。
そして、ちょっと待っててと言い私を残して健太は何処かに行ってしまった。
暫くすると、何と健太が茶色い馬に乗って現れたのだ。
「今はまだ馬に乗るのも、男としても未熟だけど、いつか恵の王子様になれるように努力するから俺の事を見ていて欲しい」
私は初めて健太の事を男として意識した。
そして、現実世界も良いかなと思った。
二人がその後付き合うようになるのは、
近い未来はかもしれません。