仲直りのお時間です
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
怒られてそうなので、また後日、挨拶行ってきます。
異動が決定した。今までの違和感を全て切り落として、縁切りが決行された。新天地の情報を調べて見ると、趣味としてご縁のある場所が挙げられていた。最近よく行く場所で、なんなら最近もふらりと顔を出した。しかし。
「ごめんね〜。最近移転してさ、最寄り此処なんだ」
「はい」
そう、上司に一言伝えられ、示された場所に降り立った時思わず真顔になった。何せその場所は、私の事を大嫌いだと思っている神様がいらっしゃるから。どんな……心変わりが在られたのだろうか? 何はともあれ、強力な因果を感じる。命運を掴み取られ、そのままくいっと引き寄せられた様な。
「こんにちは」
「お世話になっております……」
視線を泳がせる私に対し、にこにこの笑顔で笑っている。何時も静かに笑っている様な糸目が殊更細くなり、目の前にあるのは麗しの微笑。自分の事を嫌っていると思っている方からの対応で、これ以上恐ろしい物はない。
思わず後退りしようとすると、距離をとるのを拒む様に前に出る。笑顔は、そのまま。
「……お嫌いでは? 私の事」
「嫌いな相手に、方違え、などという厄落としは致しませんよ」
方違え。目的地が相手にとって良くない場所の場合、あえて別の方角を歩かせて厄を落とす方法。この方がよくやる手法である。何せこの場所を訪れようとすると、何かしらの別の方角へ歩むから。
困惑する私の顔を見て、切れ長な目をすぅっと開いて口を開く。
「貴方は神仏を信じている様で欠片も信じて下さらない。私の事も例外なく。前に『その事は済んだ』とお話したはず。ですのに、まだその御言葉を拒絶している。ならば此方も強行させて戴きます」
そう仰ると静かに顔を近付けて、こてんと首を折った。
「仲直りのお時間です。宜しいですね?」
優美な笑顔に反し、目には僅かな覚悟が見て取れる。そんな顔で仰られてしまったら、此方も黙って頷くしか無かった。
オマケ
「捕まえた」
後ろからぎゅっと腕を回されて、胸の中に抱え込まれる。気配に覚えがあって、恐る恐る振り向くと、此方の目がつぶれる程の綺麗な顔があった。
「沢山、沢山、私に会いに来てくれて有難う。まぁ縁を紡いだのは私だけど」
「認識、し始めましたので」
「これからも、もっと私のことを思って欲しい」
本編の神様、前にも出てきてます。
名前は一度取りやめたので、再度考え中です。
『人の言葉だって100%大丈夫、なんてことないのだから、神様だってきっとそう。心変わりなんて容易い』
という思いが根底にある主人公ちゃんです。
裏切られるのが怖いから、裏切られても憎まない様に、という一種の予防線ですね。
だから、『裏切らないよ』という、言葉じゃなくて、行動が必要なんです。
今回は自らの傍に置くという行為。
かなり響いたんじゃないかな。
オマケは三緒様を意識してます。
圧倒的ヒロイン力に加え、生粋の神様である『引くことを知らない』を足すとこうなると思います。
押してダメならもっと押せ!!
相手が聞いてくれるまで、縁を紡ぐ!!
これが生粋の神様だと思ってます。