ムービーの多いゲームは映画と見分けがつかない
スキマを使って飛行船内の行動範囲を広げております。少しだけ船内の構造が見えてきたぞ。
この飛行船、空飛ぶ東京ドームなだけあってかなり広い。
今日は下の階段を降りてみたところ……居住区かな? この飛行船で働いている人が住んでるっぽい場所に出た。見つかるといけないから早々に退散したけど。
その時に厨房を発見した。冷蔵庫からハムを失敬させてもらい、牢屋にもどる。美味えなハム。
次の日の尋問では豚貴族はやってこなかった。軍人執事だけやってきたんだけど、なんとクッキーをくれた。
カコンという音と共に食事を提供するための引き出しから渡される、透明の箱に入ったクッキー。
「なんぞこれ?」
再びカコンと届けられたのは、木の枝のような棒。よくよく見るとクッキーの入った透明の箱には、小さな穴が開いている。
「猿の知能検査か!!」
棒を投げつけてやったら、軍人執事はサラサラと手元の資料に書き始める。まってやめて、猿以下の知能って書くのをやめてください。書くのをヤメロぉ!
クソ! 会話できるようになったら覚えてろよ。私のインテリジェンスを見せつけてやる。
領域にやってきた私は、slitースリットーをプレイせずに、ゲームサイトを覗いていた。有用な能力が出来そうなゲームを見つけるためだ。
結果的に思った事だけど、プレイしてみねぇと分からないってこと。slitースリットーの時は明確に脱出を目的とした能力に絞っていたけど、今は何を目的としていいのやら。
適当にゲームをプレイした結果、そのゲームに合った能力を抽出したほうがいいかもしれない。
まぁいいや。スリットの続きやろ。クリアしてから考えればいいでしょ。
えーっと前回は十章までクリアしたんだよね。捕まった主人公のピンチに友人ジャックが助けに来たんだ。
十一章から開始!
教団のアジトかもしれない場所に潜入。結果は空振りだったけど新たな教団の情報を得た。
十二章、教団の情報を求めて主人公とジャックの育った孤児院へ。廃墟と化した孤児院では化け物が徘徊していた。お前ら当たり前に出てくるようになったな。
十三章、孤児院の地下アジトを発見。潜入したらトラップだらけで苦労した。黒幕の情報があった。孤児院を経営していた先生だった。あ〜オープニングでちょっと出てたかも。
ここで一旦休憩を挟む。しっかり寝てからゲームの再開。
十四章、ジャックとの思い出話から入った。昔ジャックの妹と三人で作った秘密基地の話を、酒を飲みながら語り合う二人。妹は教団の悪魔降ろしに失敗して死んでしまったらしい。ジャックよ、お前も苦労してたんだね。
この章は一風変わった章で、酔い潰れた主人公が夢の中から脱出する内容だった。脱出が進むにつれ記憶が思い出されるシーンは涙を誘う。
十五章、主人公の能力がバージョンアップした。今まではスキマに入り込むだけの能力だったのが、スキマの中に空間を作る事で物を仕舞ったり、他の人間も一緒に連れていけるようになった。
コレだわ。私の能力も同じように進化させよう。スキマ内に空間、つまり部屋を作ることが出来るなら、追われていても籠ることができる。
スキマ同士を渡り歩く能力も捨てづらかったが、これは能力のリソースを馬鹿みたいに喰う。一種のワープだもんな。
十六章、教団のアジトから孤児を救い出す話だ。前回で主人公の能力をパワーアップさせたのはこの為か。
三人いる孤児を主人公の能力で連れ出したり、誘導する章だった。これは……かなり大変だったわ。足手まといのいる状況がこんなにも面倒だとは。
十七章、今回は相棒のジャックと共に潜入。コンピューターの扱いに長けたジャックじゃないと解除できないパソコンがあるらしい。無事データを入手して拳をぶつけ合う二人。あーこの二人いいわー。相棒って感じがしていいわー。
う〜ん、もう少しだけ進めようかな。今日の私は乗っている。調子がいいからね。
十八章
「ジャックが裏切ったーーーー!」
おい、嘘だろジャックぅ! 妙に簡単なアジトに潜入して黒幕がいるであろう教会に辿り着いたら後ろから撃たれた。すまねぇな相棒……じゃねぇよ!
そのままジャックとの戦闘が開始した。この馬鹿野郎ぶっ殺してやるからな! おや、ジャック君……君強くない?
実はジャック、主人公と同じように悪魔の力を植え付けられていたようで分身する。ムービーで俺の悪魔の力はドッペルゲンガーだとか言いながら、化け物に変身。二人に増殖したジャックはトリッキーな動きで主人公を攻撃してきた。
はい、軽く5回ほど血祭りに上げられました。
戦闘が開始したときになる壮大なBGM、戦いながら語りかけてくるジャック。うん、テンション上がったよ。演出が素晴らしいとは思うよ。
でもね、何回も殺されて何回もムービー見せられたら嫌気さすわ! すまねぇな相棒の驚愕も薄れたよ。
攻撃しながらジャックが『本気で来いよ! 相棒おお!』って言ってくるけど、ずっと本気だよ!
本気出すなよ相棒!
これ無理ゲーじゃない? って思ってたんだけど、どうやらこの戦闘、一定の時間経過とジャックへのダメージでクリアみたいだね。しばらく攻撃を避けながらチマチマ攻撃してたらムービーが入った。
戦闘では逃げ回っていた主人公だが、ムービーに入ったらスタイリッシュなアクションを決めてくれた。
回避と同時に拾ったマグナムをジャックに向ける。おい、主人公。お前拳銃撃てるのか? プレイヤーである私は撃ったことないぞ。
撃ったわ。なんでお前、普段は拳銃持ち歩かないの?
どうやらジャック、妹を人質に取られていたらしい。妹は死んでなかったようで妹を助けたければ……みたいな取引を持ちかけられて裏切ったようだ。
最後の最後で主人公を殺せずに動きが鈍ってしまい、マグナムをくらったみたいだね。うん、5回くらい殺されたのを私は覚えてるけどな。
すまねぇな相棒……といって主人公に敵のアジトの情報が入ったUSBメモリを託して事切れた。
十八章クリア!
「あー疲れた」
多分このゲームも佳境だろう。次に領域に入ったときにクリア出来るんじゃないかな?
少し寝たら現実に戻ろ。