闇に生きるモノ 霧化の能力
さて、新能力の為に『闇に生きるモノ』をセットしようと思ってるんだけど……。
「どれを入れ替えるべきか……」
取り敢えず今の構成としては、
『slitースリット』スキマ
『探偵ファーマル』言語
『コメットキングダムコンペ』ジェットブーツ
『TRAITOR 〜トレイター〜』擬態
って感じなんだけど……どれ外そう……。
う〜ん、擬態は解きたくないし、スキマは探索に必須。ジェットブーツは移動に必要だし、言語は喋れなくなる……。
あれ? 入れ替え出来なくね?
待て待て待て、落ち着いて考えろ。今必要な能力に絞って考えればいい。
目的は夜の探索だ。それを加味して考えると……。
「……会話って……必要なくない?」
いや、なんか人類に絶望したAIみたいな思考に行き着いたけど、そもそも私は探索で見つかるつもりも無ければ誰かと会話する事なんてない。
見つからないなら擬態もいらないんじゃないかとも思ったけど、次の日に牢屋に来た人がいたら困る。というか飯を運んでくる人がいるからね。
最悪、布団に包まってやり過ごす方法もあるけど、それより会話なら黙ってりゃいいだけの話だし……。
問題は会話が聞き取れない事には、会話の盗み聞きができない事だけど――。
「今は周囲の状況を把握するのが優先だよねぇ」
だって遊園地だよ。気になるでしょ。
だから今回は盗み聞きより、移動を取ろう。
という事で『探偵ファーマル』を外して『闇に生きるモノ』をセット。能力スロットを拡張したばかりだけど、追加が欲しいです……。
「さて、新能力を試してみましょうかね」
鉄格子の前に立った私はスーっと深呼吸をする。
「……霧化」
フッと私の輪郭が歪む。
ふむ、上手くいったかな?
自分の手のひらを見てみると、自分の動かした意識に少し遅れて黒いモヤがズズッと移動してくる。
「ちとラグいな……」
霧だからね。移動はちょっと遅めなんだよ。
あとは単純に能力のリソース不足。
まぁ、いいや。霧状になった体を薄く伸ばすように広げる。今の私の体は霧状だからね。不定形の体は鉄格子を超えれるはず。
かろうじて人の形をとっていた私の体が、黒い不定形のモヤとなり移動する。
人の姿を止めなくなった私は、ゆっくりと鉄格子の向こう側に移動し、そして体を再構成した。
「脱獄成功! しかし、霧状の姿って少々不気味だね」
手をグーパーして体の調子を確かめる。
やっぱり黒い霧ってのが良くないのかもしれない。ゲーム内のアリアド嬢がこんな感じだったからなぁ。
「でも残念だけど、現状はこの鉄格子を越えるくらいの使い道しかないね」
あんまり『闇に生きるモノ』をプレイしてないからね。ゲームエネルギーが足りなくて、能力としてはまだまだ発展途上。
『体を霧化する能力』って感じなんだけど、この能力は私の操作していたキャラクター、アリアド ヴェルシュタインを模した能力だね。
彼女は吸血鬼という設定だからこういった事ができるんだけど、実はこの能力、別に必殺技とかではなく、回避モーションだったりする。
回避時には少しの間、無敵時間が存在してるんだけど、アリアド嬢が回避をした場合、こんな風に体を黒い霧に変化させて避けるんだ。
「コウモリに変身する能力も、捨てがたかったけどね」
体を無数のコウモリに変化させて、敵の後ろに現れる技もあったんだけど、コウモリが思ったより大きくて鉄格子を超えられなかった場合を想定して霧化にした。
「敵の後ろにコウモリが集まって現れるのはカッコよかったんだけどねぇ」
こうバサバサって集まって、アリアド嬢が現れたらバサバサって解散するモーションなんだよ。
「まぁ、今回は鉄格子を越えるって一点だけの能力で考えたからこんなもんかな?」
あんまり格ゲーに慣れてないから沢山はプレイできなかったんだよね。だからもっとプレイしないとイマイチな能力のままだね。
いろいろと制限というか使い勝手が悪いんだよ。
まず、移動がものっそ遅い。というか霧の体を動かすのに時間が掛かるというか。
あと実はすぐに解除される。時間も短いし風が吹けば解除されるから野外での使用も難しい。ここら辺が何とかなると、かなり有用な能力なんだけどねぇ。
「まぁ、いいや。目的は達成したから、さっそく探索を始めよう!」
まずはいつものように扉の下に隙間を作成。
コチコチコチコチ……チーン!
最初に比べてだいぶ早く作成できるようになったよ。
私の能力って、ゲームをプレイする以外も能力をアップさせる方法がある。それは能力を使い続ける事。
スリット、スキマを作成する能力は手に入れてから何度も使い続けた私の相棒と言っていいほどの能力だ。
「まぁ簡単に言えば使い慣れたって事でいいよね」
ゲームをプレイするよりかは僅かな変化だけどね。
思い入れのある能力だから、もっとパワーアップしてほしいな。
「そんじゃテーマパークの探索に行こうか!」
ワクワクしてないよ……ホントだよ。




