能力の宝庫
「このゲームヤバい……」
オープンワールド舐めてたわ。とにかくマップが広大過ぎる。
チュートリアルである最初のナチャーロタワーから脱出したら、後は好きにしろとばかりに世界に放り出された。まるでこの世界にきた私のようだ。
一応はメインクエストのマーカーに向かう事が出来るんだけどね。
「たどり着かねぇのよ……」
クエストマーカーに向かって街中を進むじゃん……なんか気になる建物があるんだよ。ちょっと覗いてみようかな? と思ったらさ。新しいクエストが始まるんだ。まぁ大したことのないお使いイベントだろ……と思ったらさ。
「そこからまた別のクエストが始まるんだぜ……」
なにこのクエストのマトリョーシカ……。
一つの簡単なクエストを終わらせるのに三つのクエストが新しく発生してるのなんなの?
「終わる訳ないよね……」
これは諦めてメインクエストのマーカーに向かうしかないでしょ、って思ってたらイキナリぶつかってきた人間と会話が始まって……うん、言いたいこと分かるね? クエストが発生するんだよ。
そして再びクエストマトリョーシカの始まりだ。
「無視して行けばいいんだろうけど……イベントの初めだけ読まされたら結末が気になるんだよね」
わりと私は目移りしやすいタイプだけどさ。
これは真っ直ぐメインクエストにいける人のほうが少ないのでは?
「でも面白いのは間違いない」
いろいろ言ってるけどこの寄り道が楽しかったりするんだよね。真っ直ぐ進めないのも面白いからなんだよ。
マップを少しづつ開放していくのも楽しい。
あ、マップはね、最初は真っ暗なんだ。
マップには縄張りと呼ばれる区画があって、その縄張りのボスに認められるとマップが開放される仕組みだ。
「しかし、このゲームは能力の宝庫だね」
コメットシリーズが能力作成に向いているのか、それともオープンワールドゲームが向いているのかは分からないけど、この時点ですでに欲しい能力が沢山あるんだよ。
まず簡単な所でいうと、コメットの二段ジャンプだね。このゲームはアクションでもあるから、こんなふうに特殊なアクションが多いんだ。
二段ジャンプ……能力にするなら空中に足場を作る能力かな? かなり安上がりに作れそうだよ。ジェットブーツとの相性も良さそうだね。
猫騙し……発動すると少しの間敵がコメットを見失う特殊アクション。もちろん効かない敵もいるけどね。
能力に変換するなら……手を叩いた瞬間から数秒間透明になれるとか? これは作り方を間違えたらリソースをゴッソリ持っていかれそうだから、使い勝手との兼ね合いが必要になるね。
液体化……自分の体を液体にする力、これはかなり強力な能力になりそうだね。でもスリットの能力と被る使い方にもなるから考えどころ。まぁお互い微妙に方向性が違うから作ってもいいかも。
他にも天井に張り付いたり爪を飛ばしたりとボロボロと能力に出来そうなアイデアが出てくるんだけど、何より欲しい能力があるんだよね。
間違いなくゲームエネルギーを膨大に使う能力だけど、これ程の超大作オープンワールドでないと作れない能力でもある。
『ファストトラベル』
オープンワールドをプレイしたことがある人はピンとくる能力じゃないかな?
オープンワールドゲームってのはフィールドがどいつもこいつも広過ぎるんだ。いくらゲームとは言えそんなワールドをエッチラオッチラ歩いてらんないでしょ?
ちょっとしたお使いでリアル一日使っちゃうわ。
だから大抵のオープンワールドにはこの機能がついているんだ。
「簡単に言うとワープだね」
遠くの場所に一瞬で到着出来る能力。夢のような能力でしょ? けど、いつでもどこでも簡単にワープできる様するのはゲームエネルギーがいくらあっても足りない。
かなりの制限を設けることになるけど、逆に言えばそれさえクリアしてしまえばワープというチート能力が手に入るということになる。
「これは狙うしかないでしょ!」
幸いなことにコメットシティのファストトラベルには理由付けがされていた。猫にしか通れない異空間が街の至る所に発生しているという設定だ。
この設定が大事なんだよ。
理由はないけど何故かファストトラベル出来るゲームと違って、ファストトラベルに理由があるのならば、私はゲームと能力が密接に関係があるとみなすことができる。
能力を作る上でゲームエネルギーのリソースが少なくて済むんだ。
ちなみに探偵ファーマルがゴミみたいなエネルギー効率をしているのはこのせい。能力がゲームにあんまり関係ないと私が思ってるからだよ。
「しかしこのゲーム……いつクリア出来るのかね……」




