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お手軽パズルゲーム


 前回のslitースリットーは脱出という能力に絞ってゲームを決めたのだが、正直目当ての能力に絞ってゲームを探すのは難しい。

 プレイしてみたら内容が思ったのと違うなんて事は絶対にある。

 slitスリットは上手いこと出来たが今度もそうとは限らない。


「だから取り敢えず直感でゲームを選んで、プレイしてから能力を決めた方がいいんじゃないかな?」


 結局コレだろ。どーせ付け替え前提の能力だ。手数が多ければ多い方がいい。


「さぁて、どうしようかな」


 ゲームサイトを開いて特集を見ていく。なになに、ゲーム制作会社トルテの可愛いキャラクター特集? う〜ん次。名作RPG特集……うむむ、前回のslitースリットーがかなりの超大作だったからね。箸休め的な感覚で軽い感じのを求めてるんだよね。大作RPGはまた今度。


「まぁ大作のゲームはメリットも大きいから、いずれは手をつけなきゃだけど」


 そう大作のゲームはメリットが大きいのだ。長く遊べる……つまり能力に使うエネルギーが多く貯まるからね。大きな能力を使いたいなら大作ゲームよ。現にslitースリットーはまだ遊べる。クリアしたことで解禁された要素とかもあるからね。


 お、この特集なんてどうかな? 落ちものパズル特集。うんうん、いいね。手軽にパパッとプレイ出来そう。


「よし、決めた! 記念すべき2作目のゲームは君だ!」



 『スーパー妖怪殲滅2』

 落ちものパズルの一種。


 落ちものパズルって知ってるかな? 通称落ちゲー。

 その名の通り、上から下に向かって落ちてくる物体を使ってパズルするジャンルなんだ。

 なんで唯のパズルじゃなくて落ちてくるのかは、制限時間を視覚的に分かりやすくしたんだろうね。画期的だと思う。まぁ、物体が落ちてなくても似たジャンルは落ちゲーと纏められがちだけどね。


 まぁこのスーパー妖怪殲滅2なんだけど。基本ルールは同じ色の玉を四つ繋げたら玉が消滅。うん、分かりやすい。

 なんで2からなの? って聞かれたら。1はちょっと古くてさ……。ゲーム性が変わらないなら綺麗な映像のほうがいいじゃん……。


 早速……プレイしていきましょ。


 指パッチンで現れる古いゲーム機とスーパー妖怪殲滅2のソフト。ソフトのパッケージには陰陽師の格好をした女の子が、光る球を手のひらから出してる絵が描かれている。コレだけみると落ちゲーのジャケットとは思えないね。


 はい、ゲーム起動。オープニングムービーなんて物はなかった。古いゲームだからね。会社のロゴから、いきなり表示されるスーパー妖怪殲滅の題名。そして画面外から2の数字がコロコロ転がってくっ付く。


「おお、古いゲームにありがちな演出だけど味があるね」


 割と好きよ。プッシュボタンからのー……なんだこれ? 「ひとりで遊ぶ」か「ふたりで遊ぶ」ね。

……ははっ! 煽りよる!


 もちろん一人で遊ぶよ。なんだよ? 文句があるなら領域の力で対戦相手を生み出してもいいんだぞ私は。


 まぁ人形ごっこに興じるつもりはないので悪しからず。


 1人モードでも分岐があるな。『ストーリーモードで殲滅』と『自由に殲滅』か。


「修羅かな?」


 何となく言いたい事は分かるけど、自由に殲滅って穏やかじゃないわ。

 まぁストーリーモードがチュートリアルも兼ねているようなのでコッチを選ぼう。私はチュートリアルをちゃんと読む派だ。


 ふむふむ、ストーリーモードのオープニングは主人公の妖ちゃんが旅立つ所からね。ドットで作られた一枚絵を元に紙芝居のようにお話を読ませてくる。何気にドットのクオリティが高い。


「おっと、もう最初のパズルだね。このスピード感は昔のゲームさながらだよねぇ」


 チュートリアルはなんて事ない。指示された通り、上から落ちてくる妖球あやかしだまを動かすだけだ。しかも動かす迄は画面の時間が止まる親切仕様。


 炎の妖球を四つ繋げて消すと、上に乗っていた妖球が落下してコンボを起こす。三連コンボだ。

 チュートリアルに有りがちなお膳立てされたコンボでプレイヤーを気持ちよくさせるんだね。


『炎滅! 風滅! 水滅! 大殲滅ぅ〜!』


 コミカルな仕草で、パズル横の妖ちゃんが属性ごとに喋り、消した妖球の技を放っていく。


 結局、指示に従うだけで勝ってしまった。


「しかし、全体的に可愛らしいゲームだなぁ」


 なんなら敵の雑魚キャラも可愛いらしいからね。

 言ってる事は物騒だけど……。


 ストーリーが進むにつれゲームの要素が増えてきた。落ちてくる妖球の種類は面が進むごとに増えてくる。そして、敵の攻撃も苛烈になってきた。そう、この落ちゲーは体力の概念があるのだ。軽いRPGの要素が入ってるんだね。そして主人公の妖ちゃん自身も妖術を覚えていく。

 妖術は言っちゃえばスキルだね。妖術の使用によってプレイヤーに有利な状況をもたらす効果だよ。様々な効果があって特定の妖球を出現させる妖術や、落ちてくる妖球の落下をスローモーションにする妖術。

 敵の体力に直接ダメージを与える妖術など幅が広い。敵によって効果的な妖術を使用するのがキモだね。


 まぁ割とサクサク進むね。今の所、苦戦する気配もない。



「なんかキャラデザに気合いの入った敵が出てきた……」


 今までのモンスターちっくな敵や、山賊みたいな敵と違って明らかにネームドだ。主人公の妖ちゃん並みにデザインされている。


「お手なみ拝見と致しましょうかね」


 三分後……


「このゲーム舐めてたわ……」


 序盤はいつも通り調子がよかったんだけど、途中から敵がスキルを使ってきた。

 そもそも敵の妖球が妖球じゃない独自の物体だったのが気になってたんだ。

 これフラスコだね。そして敵の使うスキルは錬金術。

 

 スキルでフラスコの色を変えたり、こちらの盤面に邪魔な物体を生成したりやりたい放題だ。

 仕舞いには『森羅万象の理よ!』とか言って大コンボをかましてきた。


 いかん、戦略を練り直さないと……。妖術の見直しだ。


 でもまぁ、いったん現実にもどりましょ。戻る前に一応スーパー妖怪殲滅2をセットしとこうかな。

 


 

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― 新着の感想 ―
某魔導使い的な物語ってえぐい魔法が多かったような…。
元ネタはぷよぷよ?
[一言] ぱよえーん。
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