表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

11/207

検索と能力のバージョンアップ


 slitースリットーをクリアしたんだからいいよね。色々検索してみよう。

 

「えーなになに。孤児院の先生の目的は妻を蘇らせることだったのか。まぁそんな感じよね」


 これはまぁ大体予想できてた。


「九章で囚われた主人公の拘束を解いてくれた謎の人物は……おお! これは意外! ジャックの妹だったのか!」


 今まで忘れてたけど、いたな謎の人物。ムービーではシルエットだけで人物は映し出されずに、寝ている主人公の拘束を解くシーンがあった。ヒントとして一瞬だけブレスレットが映っているらしいが、そんなの気づかないわ。

 あ、でもこのブレスレットって十四章で夢の中から脱出する話にあったな。たしか主人公とジャックがプレゼントしたやつだ。


 他のプレイヤーの意見も聞きたいな。私が感じた感動を他の人も感じてたのだろうし。

 因みにこの空間のネットに書き込みをしても返信なんて絶対にないよ。元の次元は凍結してるからね。時間の流れがない状態だから返信はないのだ。

 でも何故か新作のゲームは追加されていく不思議。実は私もよく分かっていない。出るものは出る。ここは万能の空間だからね。

 有名な作品のナンバリング続編を私がプレイしたとして、元の世界の凍結が解除され、続きができた時、同じ物ではないのかもしれない。


 まぁ難しい事はいいんだよ。少なくともslitースリットーのゲームは間違いなく元の世界で作られて、それまでの書き込みは実際あった物だから。


 どれどれ、私が苦労した部分を他の人も苦労しててほしいわ。意地が悪い? 嘘つけ。みんなそうだろ。


『ボリューム不足。ストーリーも今一つだった』

「はぁ?」


 ぼ、ぼりゅ〜むぶそく? なにこの書き込み。かなり壮大な物語で私は長い話だと思ったんだけど? ストーリーは向き不向きがあるんだろうけどボリューム不足は言い過ぎじゃない?

 私のslitのプレイ時間は二十六時間なんだけど。何? お前は二十六時間の映画とか見てんの? ゲームオーバーになってやり直した時間も含めれば、もっと時間も掛かってるんじゃないかな。

 

 まぁいいや。こんな意見もあるって事ね。ほらこの人なんて最高評価つけてて絶賛だよ。


『凄く楽しめた。異能力を使ったステルスゲームってのも面白い。ストーリーも安定のクオリティで感動した。ジョンの裏切りは悲しかったが、それでも主人公とジョンの間に友情があったのが良かった』

「じゃぁぁああっっっく!!!」


 ジャックだよ! ジョンなんて出てきてないよ! 二回書いてるから書き間違いでもねぇ。普通に間違えて覚えてやがる。


 う、う〜ん。私は楽しめたんだけど否定的な意見も多いな。有りがちなストーリーとかUIが不親切とか。

 まぁ、私が楽しめたんだからいいよね。UIが何なのかは知らないけど……。


 さて、お待ちかねの能力のバージョンアップだ! 隙間に入り込む能力を進化させるリソースは結構貯まっている。スキマ同士を繋げる能力は今回は捨てた。かなりのリソースを喰うので制限を付けまくる事になるからね。

 だからスキマの中に空間を作る能力に進化させることにした。コレで何があっても引き篭りという手段が使える様になる。

 よし、少し能力の詳細を詰めていこう。


 ●スキマの空間はタタミ一畳分。ただし金銭、もしくはそれに類するもので拡張が可能。


 タタミ一畳分って狭っ! って思った? もっと広い空間にもできたんだけど、拡張性を持たしたかったんだよ。将来のためにね。このslitースリットーの能力は私の生命線なんだ。だから基本的にはスロットから外さないだろうしね。

 因みに拡張レートは五万円でタタミ一畳分増えていく感じ。以降は拡張する度に五万円づつ増える。つまり次の拡張は十万、その次は十五万円だ。

 因みにこの五万円分って所だが、私がこの世界の資産価値を知らないので、しっかり知識を付けてからになる。この世界で1ゴールドが百円だ! という認識がないとダメなんだよ。あくまで将来性だ。……さすがに貨幣は存在してるよね?


 ●空間を作れるのは3カ所。ただし、増築可能。


 あまり言う事はないね。増築は部屋の拡張と同じだ。五万円分の資産を用いる事で新しく空間を作れるってこと。


 ●空間を作っていたスキマが解除された場合。別のスキマに繋げることが可能。


 前も言った通り隙間って不変なものじゃないんだよ。何かの拍子にすぐに無くなっちゃう。当たり前だよね。物をズラすだけで無くなるんだから。

 それが空間を作ってたスキマだったらどうする? 入れていた物が飛び出して私の持ち物がなくなっちゃう。

 それを防ぐためにこの設定を盛り込んだ。正直、だいぶリソースを持ってかれたけど。タタミ一畳分だったり三ヶ所だったり制限を作りまくって節約したのはこの為だ。

 でもその価値は十分にある。だってこれ擬似的なアイテムボックスだもん。

 下手したらもっと便利なものがこの世界にあるかもしれないけど。


 ●気温の調節が可能。


 はい、それだけ。リソースが余ったから付けた。快適に過ごしたいじゃん。真夏にクーラーで毛布だよ。



 よっしゃ! この能力を引っ提げて現実に戻ろう。物の収納ができるようになったからね。


 いろんな物をお借りしましょうね。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ