第九話 金属バットVS拳
ー二階ー
「おーい、ホープいるかー」
憲剛は片っ端に教室を回っていき、二階の一番奥にある音楽室に入った。
「音楽室ってこんなに広いんだなぁ、平和な世界なら俺も今頃は高校生だったんかなぁ」
辺りを見渡すが特に怪しい点はない、これで二階の探索は終わりか。
憲剛は雨と合流しようと部屋を出ようとする。
突然、隣の部屋の壁が壊され、男がこちらに金属バットをふってきた。
「うお!!?」
俺は突然の出来事にビックリしたが、目の前の椅子を蹴り飛ばし、男にぶつけて距離をとる。
「ぐっ!!」
椅子は顔面に当たったのだが、全く効いておらず、笑顔すら見せてくる。
「なんなんだよ……」
「きゃはは!! 今の攻撃をよけるか!」
変な笑い方だし、よく見たら上半身裸じゃねぇか。
「変態か?」
「キャハハハ!!」
爆笑しながら突っ込んでるじゃん……怖わ……。
俺はハンマーを構えて思いっきり上に振る。変態はバットをわざとぶつけてきた。
どうやら、パワー勝負がしたいらしい。
変態も中々のパワーだが、俺の方が力は強い、俺は握ってる腕に力を込めバットをはじく。
「うひょ! すごいパワー!」
「よっ!」
俺は変態の横腹にハンマーを直撃させ、吹き飛ばす。
しかし、吹き飛ばされた場所が悪く、窓にぶつかり下に落ちていった。
「……」(死んでないよな?)
俺は窓の下を覗くと、突然、下からバットが飛んできた。
「っ!!?」
下の割れた煉瓦に掴まってるとは思いもしなかったので、当たるギリギリのところで避けた。
しかし、体制が崩れ、大きな隙が出来てしまった。
その隙を敵は見逃さず、俺の顔面を鷲掴みにした。
「ひゃはは!!」
そのまま思いっきり俺を外に投げ飛ばした。
「ぐぅっ!!」(地面にぶつかる!?)
俺は何とか受け身をとるが、それでも痛みはあり、横腹を押さえる。
「おめぇ、何で、そんなハンマーなんか使ってる?」
「ケホケホ、関係ないだろ?」
「キャハハ! 『魔具』も出せない落ちこぼれなんだろぉ?」
魔具は宝石の力が目覚めた時に一緒に武器として出てくる物である。
しかし、何かしらの原因で稀に武器が出せない魔法使いがいる。
優季がその一人だ。
男は爆笑しながら、こちらにゆっくりと近づいてくる。
「……落ちこぼれか」
まぁ、当たってる。
俺はあの事務所の中で一番弱い。
「正解だよ、でも、お前よりは強いよ」
「あ?」
変態が明らかに怒った表情になった。
やっぱり、ちょろかったか。
「来いよ、雑魚虫」
俺は更に挑発する。
「……骨も残ると思うなよ」
男の金属バットから大量の魔力が感じる。
男はそのまま突っ込んできた。
「一つ、勘違いしてるぞ」
俺はハンマーを構える。
「あっ? 何がだよ!」
男はバットを俺の真上に降り下げる。
『武装展開』
俺は片腕で金属バットをハンマーでガードする。腕には鎧が付いている。
「なっ!?」
変態は動揺して距離を取ろうとするが逃がさない。
俺は片手を握り拳にして、変態の腹を殴りそのまま地面に叩きつける。
そして、腕の鎧が爆発して、変態は地面に大きくめり込んだ。
変態は白目をむいて気絶していた。
「……加減はした」
この武器は火力が高いほど腕に負担を負担をかける。
今回は4分の腕の痺れが残った。
痺れが治ったら変態を叩き起こして話を聞こう。
俺は地面に座り休むことにした。




