第八話 メイドさん
俺達は北村市に到着するとカーラが周りの風景を見てビックリした様子でつぶやいた。
「……これは酷い」
「あぁ、そうだろ?」
北村市は数年前に壊滅した町で、今は崩れた建物や崩壊しそうなビルしかない。
だが、今は少しでも早く助けたいので説明をすぐに切り上げて廃校に向かう。
俺達は廃校に到着して警戒しながら中に入る。
「よし、ここからは分担しよう。雨は一階、憲剛は二階でカーラは三階、俺は四階を回る」
「……1人ずつになっていいのか?」
カーラが不安そうな顔をして聞いてきた。
「あぁ、大丈夫だ。二人ともかなり強いからな。俺は弱いから期待しないでくれ」
「嘘言うな」
俺達は分散して、それぞれホープを探すことにした。
ー四階ー
「ロキ、何か感じるか?」
「いや、特に魔力も感じないな。」
困ったな、教室を一つ一つ探すしかないか……しかし、それだと時間がかかる。
考えながら立っているとロキが叫んだ。
「横に飛べ!!」
「えっ!!?」
俺はロキの指示に従い横に飛び隣の教室に入る。
そして、廊下を見ると炎で燃えていた。
ロキの声がなかったから、丸焦げだった。
「へぇ……今の避けたのか」
炎の中から男の声が聞こえ、足音でこちらに近付いてくるのが分かる。
顔が見えた。あの時、タワーで戦った男が立っていた。
「……生きてたのか」
「あぁ、再戦といこうか……!」
男は炎をこちらに向かって飛ばしてくるが廊下は燃えていて逃げ道がない!
俺は窓を蹴り壊して外に飛び出る、上の煉瓦を掴み、屋上へ上がっていく。
「……猿みたいだな」
ー1階ー
「とりあえず、一番広いところに来てみたけど」
雨は体育館の中に入り周りを調べていた。
「……」(人の気配がする)
私は周りを見渡すと上のカーテンに違和感を感じた、よく見ると弓矢がこちらに向けられていることに気が付いた。
場所が分かったと思ったと同時に矢が飛んできた。
「っ!?」
私は横にジャンプして、矢をかわす。
私は打った方向に体を向けて剣を構えるが敵の影はない。
「……速い」
正面の周りを見渡すが敵の気配はない、なら、後ろか死角にいるはずだ。
思った通り矢が後ろから飛んできたので、しゃがんでかわす。
そして、敵の場所が分かった。
『アクアボール!』
私は敵の方向に向けて水の弾を飛ばすが、やっぱり避けられた。
そして、また敵の気配が消えた。
「速いなぁ」
でも、一つだけ敵を捕らえる方法を見つけた、私は両目をつぶり敵の足音に集中する。
どんな敵でも足音は隠すことは出来ない。
足音は斜め横に止まったのを確認した。
その方向に向かって突っ込むと敵は慌てた様子で矢をすぐに構えてこちらに放つ。
「遅い!」
矢を避けて敵の懐に潜り込む。
『アクアボール!』
私は敵の腹部に直接魔法をぶつけるが敵は後ろにさがり直撃をさけた。
でも、私はようやく敵の姿を見ることが出来た。
「……かっ、かわいい!!?」
敵はメイド服を着いて、綺麗な銀髪、なにより美人な女性だった。
それに、あの長い耳は昔絵本で見たエルフって種族かも知れない!!
「……」(やばい、本物のメイドさんは初めて見る! 可愛い!)
そんな事を思い油断していると、メイドさんが突っ込んできた。
手に何かを持ってて、すごく速い。
私はあわてて剣で防ぐと持ってる武器が見えた。
細いレイピアであることが分かった。
メイドさんのレイピアから水の球体が出来上がる。
『アクアボール』
メイドさんの剣から水の玉が出てきて、横に飛んで避ける。
同じ水魔法使いとは予想してなかった。
私はメイドさんのことが気になり話してみることにした。
「ホープはどこ?」
「お答え出来ません」
「……じゃ、どうしてホープをさらったの?」
「……お嬢様のためです。」
彼女の目に本の一瞬、迷いが見る。
「何か、困ってるんじゃないの?」
「……貴方には関係ありません」
「話なら聞くよ?」
「……遺言は以上ですか?」
メイドさんはレイピアを構える。
確かに目には迷いも見えたけど、覚悟の方が強いらしい、私の声はいまの彼女には届かないだろう。
「なら、最後に質問、クローバーの勲章は見たことがある?」
「……ありませんね」
きちんと、考えて答えてくれた。彼女は優しい性格なのかも知れない。
「そっか、ありがとう」
私は剣を構える。
『アクア・アクセル』
メイドさんは私の目の前から消えて、死角から攻撃してきた。
確かに、メイドさんは強い。でも、弱点も見つけた。
メイドさんは攻撃をする時に、必ず見えないところから攻撃をしてくるのだ。
だが、それが分かれば好きなタイミングで避けることができる。
私はメイドさんの攻撃をギリギリのところまで避けて腕を掴む
「捕まえた!」
「なっ!?」
メイドさんは動揺を見せ離れようとするが、私はそれを離さない。
剣に魔力を込める。
「『アクア・ショット』!」
私は、その剣をメイドさんの腹部に突きを直撃させ、吹き飛ばす。
メイドさんは壁にぶつかり倒れ動かなくなる。
ゆっくりとメイドさんに近づくと気を失っていた。




