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第十七話 雨の過去(前編)


ーー7年前ーー


まだ、人類が魔法の力に目覚めてからばかりのことだ。


当時の私は9歳の子供だった。


家族はみんな死んでいて周りに頼れる人は居ない。


北海道の花内町に居たのだけど、北海道の先端のところにあるので札幌から距離もあり救援はなかった。


「はぁ……はぁ……!」


そして、いま私は怪物に追われてる。


理由は分からない、そもそも追ってくる理由すらあるのか分からない。


「あっ……!」


小石につまずいて転んでしまった。


痛い、でも、立たなきゃと思いながら顔を上げると、怪物は目の前に立っていた。


「いっ……いやぁ……」


腰が抜けてしまい、立てない、化物は口から大量のよだれを垂らしながら私に近付いてくる。


「いやぁぁぁ!」


私は食われると思い、両目をつぶり恐怖で叫んでしまう。


しかし、少したっても私は食われなかった。


目を開けると目の前には私と同い年くらいの女の子が立っていて、化物を倒していた。


その少女がこちらを振り向く。


「大丈夫?」


少女が私に手をかしてくれた。


これが私と雲ちゃんの出会いだ。


ーーーー


私達は敵の気配がないところまで移動した。


「大丈夫?」


「うん……助けてくれてありがとう」


「いいよ、それで何であんな所に?」


「……私は札幌に向かってたの」


ここから、札幌まではかなりの距離がある。


それを歩いていくなんて無理だと笑われる。


そう思ったけど、意外な回答が出た。


「なら、一緒に行く?」


「……え?」


「私も行こうと思ってたの」


「……うん! 一緒に行く!」


私は嬉しかった。


家族が死んでからはずっと一人で歩いてた。


一人じゃない、そう思うだけで心が和らいでしまった。


「私の名前は雲、よろしくね」


「うん! 私は雨よろしく!」


そこから、私は雲ちゃんから色々なことを教わった。


魔法の使い方や戦い方、他にも色々な話を聞かせてもらった。


1ヶ月の間、歩き続けてようやく札幌の近くの所まで来た。


「今日はここで休もう」


「うん、そうだね」


このままいけば明日には到着する。


その日の夜。


「……やっと札幌だね」


「うん、雲ちゃんは札幌に入ったら何をやるの?」


「私は軍に入るよ、早くこの世界を元の町に戻したい」


「……すごいなぁ、私なんて怖くて軍なんて無理だよ」


本当に雲ちゃんは凄い。ちゃんと札幌に行った時の目標もある。


「雨は札幌に行ったらなにやるの?」


「私は安全に暮らしたいなぁ」


「えー、せっかく戦闘のセンスがあるのにもったいないよぉ」


会話をしていると突然、奥の方から人の叫び声が聞こえた。


「なっ……なに!?」


「あっちからだよ!」


私と雲ちゃんは武器を持ち叫び声の方角に走る。


少し走ると前を走ってた雲ちゃんの動きが止まった。


大きい岩の影に隠れ、のぞいて見ると巨大なドラゴンが町を襲っていた。


ドラゴンなんて絵本でしか見たことないのでビックリして固まってまう。


町を見ると、まだ逃げてる人が居る。


「助けよう」


雲ちゃんが言った、怖いけど見殺しにすることも出来ないので、私は頷いた。


でも、この判断が私のいちばんの失敗だった。


多分、私はこれから一生、雲ちゃんを止めなかったことを後悔すると思う。


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