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Once Upon a Talk  作者: 深園青葉
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Ⅿ&Ⅾ

M───本日、インタビューを担当させていただきます。


D───はい。よろしくお願いします。


M───あなたは、どうやって、ここに来たんですか?


D───空の上から、飛んできました。


M───空の上に住んでいたんですか?


D───いえ、空の上に、浮いていました。


M───そこでは、誰か他の人はいましたか?


D───いました。女神さまがいました。


M───空の上は、どんなところでしたか?


D───キラキラしていました。


M───女神さまは、どんな方でしたか?


D───優しい人でした。


M───あなたはいつ、私のことを知りましたか?


D───つい、最近です。


M───どうやって、知ったんですか?


D───女神さまに教えていただきました。


M───女神さまは、私をあなたに、何て紹介しましたか?


D───あなたのお母さんになる人よ、言っていました。


M───あなたは、私のことをどう思いましたか?


D───私は、“お母さん”の意味が分からなかったので、女神さまに尋ねました。


M───女神さまは、何と答えられましたか?


D───あなたを守って、愛してくれる人よ、と答えて下さいました。


M───あなたはそれを聞いて、どう思いましたか?


D───安心して向こうに行けると思いました。


M───インタビューは、以上とさせていただきます。最後に、何か一言、ございますか?


D───私を愛してください。何がっても、1人ぼっちにしないでください。どうか、よろしくお願いします。



D───本日、インタビューを担当させていただきます。


M───はい。よろしくお願いします。


D───あなたは何故、私を生んだんですか?


M───子どもが欲しかったからです。


D───私を生んだ時、どれくらいの痛みがありましたか?


M───包丁でお腹を何度も切られているような、そんな感覚がありました。


D───そこまでの思いをしてまで、私のことが欲しかったんですか?


M───はい。当然です。


D───私が生まれた時、あなたはどう思いましたか?


M───生まれてきてくれてありがとう。そう思ったのを、覚えています。


D───赤ちゃんの頃の私は、可愛かったですか?


M───あなたの可愛さは、今でも変わりません。


D───今の私に望むことはなんですか?


M───毎日ご飯を食べて、いっぱい笑って、好きなことして、元気でいてくれるだけで十分です。それ以外、何も望みません。


D───私を生んで後悔したことは、ありますか?


M───ありません。


D───少しも?


M───少しもです。


D───あなたは、私を愛していますか?


M───愛しています。世界中の誰よりも、あなたのことが大好きです。


D───これからも、私のそばにいてくれますか?


M───ずっとずっと、そばにいます。


D───最後に、一言、お願いします。


M───二十歳の誕生日、おめでとう。あなたのお母さんになれて、私はとても幸せです。


D───20年間、ありがとうございました。


M───私からも1つ、質問していいですか?


D───何でしょう?


M───あなたは今、幸せですか?


D───はい。あなたの娘になれて、私はとても幸せです。


お母さん、生んでくれてありがとう。



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