8. 夜の酒場に行きまして
今日は金曜日。
花の金曜日。
折角フィギュアをゲットした!!と思ったら本物が来てしまった。
俺、小鳥遊健吾としてもびっくりだった。
「どうしよう?」
と思っていた矢先。
「とりあえず酒でも飲むか」
ということで、秋葉原にある"エルフィン・ローズ"という店に来ている。
アリスちゃんには
「夜のお店に行くから」
と言って、お風呂に入れて、パスタを茹でて食べさせて、そして民族衣装の上からサイズを図って…。
布団をひいて、寝かしてきたところ…。
チラチラこちらを見る目線はなんとも言えないものだった。
!?
もしかして、泡泡なお店に行くと思ったのか?どうなんだろう?
まず、衣料品店で最低限必要なものを買った。
店の店員さんに、サイズを聞いて、買ってきた。変な人って思われてるだろうな…と思う次第だ。
エルフィン・ローズにはもう、3ヶ月は通っていると思う。
週1回。ボトルもキープしている。
カランカラン
「…らっしゃい」
ベストを着たマスターが返してくれた。
適当にカウンターに座って、
「いつもの、ダブルで」
と言うと、
「はいよ」
と返ってくる。
マスターのとなりにはエルフ耳らしき尖り耳をした女性がいる。
彼女はルカさん。
なんでも、マスターとはいいなかなんだとか。
耳の話を以前聞いたら、
「コスプレよ」
と言われたことがある。
どうも、そうは見えないんだけどな…という次第。
すっ
シーバスリーガル・ミズナラ。12年ものだ。
ミズナラ樽で熟成していて、通常のシーバス12年より、風味に癖がないように俺は感じる。
少し喉を焼く感じ。
いい。
凄くいい。
やっぱり、ウヰスキーに限るね、と思う今日この頃。
「…はぁ…」
漏れるのはため息。
悪くはないんだが、これからどうしようと思っていた。
「どうした?そんな湿気た面して…」
目の前にマスターがいた。
まっいいか。
「これは俺の友人の話なんですが…」
とマスターに話した。
友人に、フィギュアを買ったら本物のエルフが来てしまった、という話をされて困ってるんですよ、と。
どう、これから生活させればいいかと真剣に悩んでいる友人に、「もしかしたら…」とも思ってしまいましてね、と。
そんな、話をマスターはただ聞いていた。
「明日の朝、エルフの子と一緒に来なさい。ルカと一緒に待ってるから」
そう言われた次第でございます。
えっ?本気にしてるの?
そして、やっぱり「俺の友人の話なんですが…」は通用しないのか?
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