27. よく分からないもの。それが女の子。
半日。
それが俺とアリスちゃんの離れていた時間。
まず、頬に赤みが映えていた。
チークでも塗ったのかもしれない。
化粧品は学校の知り合いとの話で、見たいと言っていたし。
次に、何だか充実感のある顔色。
何をしてきたんだろうと気になるが…後で話してくれたらよし、話してくれなくてもよし。
そして、時たま、俺の顔を見る視線。
アリスちゃんの方に顔を向けると、そっぽを向かれてしまう。
俺の意識しすぎか?
自宅に戻り。
アリスちゃんと対面して、夜ご飯を食べる。
今日はハンバーグたね。
真ん中を少し押して、空間を作るのが良いらしい。
そう読んだことがある。
アリスちゃんも、隣にたって見てもらっていた。
ガスの使い方を教えた。今日で二回目。
レシートをもらって、財布を見せてもらって。
どうしても、男だけだとわからないものもあるよね。
そういう思いに至った。
アリスちゃんは終始ニコニコ。
お風呂に入ってからは色々と話を聞いて。
ルカさんが大人っぽいとか。
エルフとして、年長者として、憧れるとか。
あの雰囲気を纏いたいわ、とか。
「今のアリスちゃんが可愛いんだけど」
と言ったら、
「…ケン君、ホントですか?」
なんて、聞いてきた。
「そうだよ。」
と返すと、
「でも、いつもルカさんを見てますよね?」
と言われ…。
…
……
………。
何だろう。
「そんなことはないよ。」
そういうのは簡単だけれども。
この、アリスちゃんの瞳に燃える炎は、何なのだろうか。
「私、ルカさんに負けませんから」
そう言って自室に入っていった。
何だったんだろう?
ルカさんに目がいってしまうのは…その、男の性というやつなんだけどな…。
■■■
目が覚めた時のことは今でも覚えています。
それはもう。鮮明に。
意識が戻った時。
見知らぬ男の人がいました。
カリウドグループに拐われたこと理解していましたから、彼も一味なんだと思い込んで。
辱しめを受けるぐらいなら…と叫んで。
その後。
お菓子を食べさせてもらっていた次第です。
彼のお部屋にはお菓子がたくさん。
美味しいお菓子でした。
学校に行くようにもなり、彼、ケン君のお部屋での共同生活が始まりました。
一度、彼が悪い人か試したくて。
お布団の中に潜り込んだことがあります。
これで手を出さない男は居ないだろうと。
でも、ケン君は手を出しませんでした。
寧ろ注意されました。
その後、一人で寝るようになりましたが。
母といいかげんまで一緒に寝ていてもらった私。
一時期は一人で寝れていたのですが…。
こちらの世界にきて、少し幼くなってしまったのかもしれません。
気がつくとケン君のお布団で寝ているのです。
彼が側に居ると落ち着く気がするのでした。
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