26. 買い物から、帰って来た二人
一身上の都合により、更新頻度 週2-3に下げます。(現行週3-4)
応援してくれている皆には申し訳ない。
よろしくお願いします。
ぶー、ぶー。
ルカさんのスマートホンが鳴りました。
ケン君からのメールです。
"Re:ケン君"
そう表示されていたのを私は見逃していません。
片手で操作するルカさん。
何だかこ慣れていて…かっこいいかもしれません。
大人の女性っという感じがします。
"迎えに行くから待っていて"
という連絡。
そして、返信するルカさん。
"待ってるね\(^o^)/"
とよく分からない文字を使っていました。
人の顔でしょうか?
私にはわかりません。
それから暫くして。
ディスプレイはブラックアウトしました。
ふと顔を向けると、
「あんまり、人のスマートホンを覗き混んではダメよ?」
と窘められました。
でも、私思うんです。
ルカさんがケン君にメールを送り。
ルカさんにケン君からメールが来る。
間違ってません。
「そろそろ終わりだね?」
とルカさんが語り。
「小鳥遊さんにメールしなくちゃ」
と言ってスマートホンを取り出して。
「ふっふふーん…」
入力している。
何も問題は無いんです。
でもです。
でもですよ?
何だか釈然としないわけです。
ルカさんと言えど、ケン君と連絡を取り合ってる姿は。
見ていると、胸が痛みました。
四時過ぎのことです。
駅前で、壁の花をしていて。
秋葉原の緑色の改札口から出てくる人波をしらみ潰しに見ていて。
私の見知った人が出てきました。
残念ながらケン君ではありません。
アルフレッド先生と事務員でケモミミ娘のルクシナさん。
ルクシナさん、あんなに、近く、腕を組んでいるなんて…。
先生にデレッデレじゃないですか!?
アルフレッド先生の方も、何だか満更でもなさそうで…。
そういう関係なのか?
どうなんだ?という次第です。
「はは~ん。…成る程、良いもの見ちゃったよ?」
隣のルカさんはパパラッチの如く、食い入るようにお二人を見ていました。
お二方。
明日には、学内で広まってますよ?
どうしてここで、仲良く歩いているんですか?
そうこうしていると、次の降車客の波が来て。
私のケン君が見えました。
緑色の改札口を抜けて。
「ケン君!」
私は声かけていました。
「アリスちゃん。ルカさんと楽しめた?ルカさん、大丈夫でしたか?」
「えぇ、アリスちゃんも必要なものを買えたようですし…飲み込みも早いですから。」
にこやかに語り掛け合う二人。
邪推してしまう私は、自分でも悪い子だな、と思ってしまいます。
ルカさんは、これからお店が忙しくなる時間だから戻るとのこと。
私たちは別れて、ケン君と共にマンションに戻るのでした。
「アリスちゃん、必要なものは買えたのかい?」
「はい…」
「それは良かった」
実は、必要以上に買っていますが…それは言いません。
今は言いません。
アーンなことは電車のなかでは言えないですからね。
隣に立つケン君の横顔。
ルカさんに対しても向けられていた顔。
その、顔を。
私だけに向けてほしいと思う気持ちが。
この頃から募っていくのでした。
いいね!と思ったら評価・ブックマークしていただければと思います。
そうすると筆者のMotivationが更にUpします。




