20. エルフの水兵さん
次回7/16 火 更新予定になります。
よろしくお願いします。
7/15 一部修正しました。
いつもより少し早く帰宅するようにした俺。
玄関を開けるとそこに、アリスちゃんがいた。
満面の笑みの彼女。
セーラー服だった。
夏服のセーラー服。
「どうですか?」
そう言って、玄関で、クルッ、クルッとプリーツを翻らせるエルフの少女。
これはいけない。
あまりにも回りすぎて、靴紐をほどいている時に、紫色のヒモパンが見えてしまった。
「Excellent!」
自然と英語が出てしまうぐらいに、いけないな、そう思った。
英語がわからず、キョトンとしてしまったアリスちゃん。
「ごめん。とても似合ってるよ!」
靴を脱ぎ終わった俺は、そう言ってアリスちゃんを抱き締めてしまった。
通常なら事案なんだろうけれど…
「本当ですか?えへへ。」
アリスちゃんに嫌がられることがなくて、お兄さん、内心ホッとしています。
ネクタイを外しながら聞く俺。
「学校、どうだった?」
「楽しかったですよ?友達もできて、…」
アリスちゃんからまず聞いたのは、友達のこと。
キャッシーちゃんとエレーナちゃん。
魔女っ子とケモ耳ワン子。
凄い!ファンタジーじゃないか!!
この年になって、夢の世界と繋がりができるなんて、世の中わからないものだね?
「あっそうでした!」
アリスちゃんは早速できた友人の二人から聞いて理解のできなかったことを聞きたいとのこと。
フムフム。
お兄さんの出番ですね。
まず、スマホバッテリーのこと。
多分ここ二年のモデルは大丈夫だと思うけれど。
今週末まで待って、必要性が出てきたら買おうと話をした。
次にロッテのお菓子、そして、煎餅。
「いえ、食べたいってわけじゃないんですけど?(チラ)」
うん。食べたいのね、わかりました。
さらに、パンダ。
「あぁ、白黒色の熊だな」
「それって、可愛いんですか?」
訝しげなアリスちゃん。
「落ち着いたら、上野公園も行くか…」
そして、化粧品。
あー、忘れてた。
だいたい、そんなものかなと思っていたら。
「あと、喜ばれる下着とか…」
…?
なんで?
なんで話すの?
顔が真っ赤なアリスちゃん。
恥ずかしいなら話さないでよ。
「アリスちゃん、その、そこまで、話さなくていいよ。」
「…はい。…」
気まずい沈黙の時間が流れた。
アリスちゃんはゆでダコになっていた。
耳まで赤く染めていた。
それから、幾ばくかして、アリスちゃんが切り出した。
「あの。…」
「どうしたの?気になることが有ったのかい?」
「いいえ、やっぱり何でもないです。」
「そう…」
何だか隠し事をされているようで、釈然としなかったけれど。
本人が言わないことを無理に聞くこともできなくて。
俺は床に就いた。
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