19. 私の名前はアリス…
六階の教室601に来ています。
エミリー先生に連れられてきている。
時刻は八時四十分。
ホームルームの時間。
ザワザワ
教室はどことなく騒がしく。
「ねぇ?聞いた?」
「エルフの子でしょ?」
「そうそう、転校生の…」
噂が広まってるようでした。
「先に入るので呼んだら入ってきてね。」
そうエミリー先生は言って教室に入っていきました。
「はいっ!ホームルーム、始めますよ!ミスターウィリアム!」
聞こえてくるのは、エミリー先生の声。
そして、
「起立」
「礼、着席」
透き通る声の男の子。
「今日は、まず、転入生がいるので、紹介しますね。アリスさん!」
呼ばれました。
「はいっ!」
私はこれから生活していく、601教室に入りました。
「アリスさん、自己紹介してください。」
ホワイトボードに書いていきます。
「アリス・マリア・フリーデルと言います。まだこちらには一週間程しか生活していないので、わからないこと聞くことがあると思いますが、教えてもらえると助かります。」
「はいっ、アリスさん有難うございます。座席は指定でないので、空いているところに座ってください。」
エミリー先生にそう言われて悩んでいたところ。
「こっちこっち。」
そう、人族と獣族の女の子達に呼ばれて、そちらに座りました。
「ゲルトグラート特別区か。私も同じよ。」
人族の方がキャッシー。
魔法が使えて、特に方陣が得意とのこと。
3年前からこちらにいるそう。
錦糸町?とか言ってました。
秋葉原まで近いそうです。
私と同じく、段ボールで送られてきたそうで。
ケン君と同じ年頃の女性みたいです。
よく服を縫ってくれる良い保護者なんだとか。
スカートは長くしてほしい、らしいですが。
獣族の方がエレナ。
ケモ耳は弱いから触らないでと言っていました。
フリですよね?それ。
こちらは六年以上前からいて、昔の記憶がもう、無いんだとか。
恐らくこの日本への、最初の頃の渡航者だろうと言っていました。
出身はどこかわからないんだとか。
故郷は、赤羽とのこと。
どこですか?それ?
「エレナ、それじゃ、アリスがわからないわ?ここから近く、日本よ。」
成程。お近くなんですね。
獣化しているところを連れ去られ、そのまま売られ。
子供に犬を欲しがられた三人家族のところに居るんだとか。
高校一年生の姉に可愛がられているそうです。
その後は授業も、滞りなく進み、ははー、成程といったところです。
キャッシーとエレナ。
二人と話していていろいろと学ぶことがありました。
スマホは電池の消耗が激しかったこと。
電池というのは別に持ち歩いた方がいいこと。
お菓子はやっぱりロッテ?ねとか。
煎餅?も有るわとか。
パンダ?が可愛いとか、見に行こうとか。
化粧品はどこが良いとか。
下着は何処のが喜ばれるとか。(キャッシーのみ)
生理用品?はどうしたとか。
とにかくメモです。
ケン君に聞こうと思いました。
足りないものって有るんですね。
持つべきものは友。
そう、実感しました。
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