17. ホヘー、スマホって言うんですか?
「いらっしゃいませ」
ケータイショップ、いや、大手キャリアの支店に来ている。
どうも中高生の頃はパカパカ開くケータイ、シャキーンとスライドするケータイを使ってたからかな。
ケータイショップて言っちゃうよね…。
店内を見回して、商品を見ていく。
11時から予約してあるので一時間見て回ろうかな、と。
「これで魔信話、じゃなくて、電話ができるんですか?」
「電話だけじゃないが…」
なんて説明すればいいんだ…あっ!
「会話と、文章の送信と、ネッワークに繋がるな。少なくとも。」
「えっ、こんなに小さくてですか?向こうだとMWNはノートぐらいの大きさが必要だっけれど…。」
驚いているアリスちゃん。
「それに、…これ、ボタンないですよ?」
「あぁ、スマホはなぁ…ここをこうすると…」
「…ホヘー、スマホって言うんですね」
…………
一時間後。
水色のスマホ。
半年前に出た片落ちではあるがキャリアの現行品だ。
ゲーム機との連携もできるなんて…優れものだね。
寧ろ、俺が欲しかった。
テキパキと新規契約の手続きは終了した。
手続き早いよね、新規の方が。
7Gプランとなった。
一度自宅に戻って、セブンイレブンの弁当を食べる。
アリスちゃんはジューシーなハムサンドがお好みとのこと。
カラシソースが絶妙なんだとか。
それからふわとろプリン。
「えへへ~」
とにこやかな顔は止まるところを知りません。
幸せそうで何よりです。
食事も終わり13時。
スマホの起動も心引かれるが、まずは準備だ。
充電だけはしておいて。
学用品当の準備へ駅前のPARCOに向かった。
ユニクロで幾つか服を揃え、Loftで文具を揃え。
「クマさんだ…」
と後ろ髪ひかれているお子様がいたので、仕方なくかごに入れて。
リュック、お財布、スマホケースなんかも忘れられない。
おおよそ12歳の女の子が必要そうなものは全部揃えたと思っている。
(ウソだ、化粧品とかどうなの?)
自宅に戻ったのは18時。
駅で夕食も済ませてきた。
風呂も終わり、いつでも寝れる体制になり。
プルルルッ…ピッ
「…ケン君ですか?」
「そうだよ、アリス」
面と向かって電話をかけあう。
そんな、懐かしいことをしていた。
いつぶりだろう。
俺には初めて、ケータイを持ったときのことが思い出された。
いや、妹のときにもやったな…。
聖ゲルトルード学園の電話番号も登録しておき、何かあったら、学校と、俺に連絡するように伝えて。
何回も練習して。
今日を終えた。
「ケン君と繋がってるんですね、…ケン君がいつもいてくれる感じがします。」
なんて、凄く可愛いことを、アリスちゃんは言ってきたけれど。
勝手にベットに入らないように、注意することはやめなかった。
アリスちゃん、君はあっちのお部屋で寝なさい。
朝からアリスちゃんが同じベットにいると…その、ヒヤヒヤするためだ。俺やっちゃった?事案じゃね?という感じで。
今朝のは正直、毒だったからね。
本当は、お買い物を始めとして、教えることは有るんだけれど。
…まだ俺にはそこまでの余裕はなかった。
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