元完璧超人、神獣を知る
短いですが、きりが良いので。
『我を、喰らってはくれぬか?』
純也は混乱した。
突然、神獣……ニンバスが言ったその言葉に。
(どう言う、事ですか?)
『うむ、少し言葉足らずだったな。』
そう言って、ニンバスは語り出した。
神獣の辿る運命を。
神獣は、この世界に六体居る。
東と水と朝を司る青龍。
西と木と夜を司る白虎。
南と火と王を司る朱雀。
北と土と皇を司る玄武。
中央と雷と帝を司る麒麟。
そして、魔獣と聖魔を司る銀狼。
ニンバス以外の神獣は、五大神獣と呼ばれ、人間から信仰されて居る。
そして、ニンバスは、魔族やエルフ、獣人と言った亜人と呼ばれる種族達から信仰されている。
神獣は、500年に一度、代替わりをする。
代替わりの際に、神獣は……
死ぬ。
その為、次の代の神獣、つまり、自分の子供を見る事が出来ない。
前代の神獣が死んでから、一年後に、次の代の神獣が生まれるからだ。
神獣は、生まれてから死ぬまで、特別な事がない限り、孤独だ。
だが、生まれた時から孤独なので、誰かが居る方が異常なのだ。
そして、死んだ神獣は、神獣核と呼ばれる魔石になる。
魔力が強い者が死んだら出来、神獣はただ魔力が強い者よりも、純度が高く、大きい魔石が出来るため、人間がこぞって取りに来る。
その度に人間同士の戦争が起きる程だ。
それで、人が大勢死ぬ。
自分のせいでだ。
なのでニンバスは、ニンバスが死んだ後に出来る魔石を純也に食べてもらいたいらしい。
(大体の事情は分かりました。ですが、俺で良いんですか?)
『うむ、このような事を頼めるのはお主くらいしか居らんからのう。頼まれてはくれぬか?』
(まぁ、神獣様が言うのならば。)
『我の事はニンバスと呼べ。かなり短い間じゃが、しばらくは一緒にいるのじゃからな。』
(え?)
『当たり前じゃろう。我が死んだ時に、どうやって魔石を喰うのじゃ?』
え?そうなっちゃいます?
まぁ、そうなっちゃいますよね。
うん、そうなっちゃった。
どうやら俺は、しばらくこの洞窟を出れそうにない。
どうしてこうなった。
あぁ、そうか、俺がここで生まれたからか。
まぁ、頼まれたのだ。
最後までやりきろう。
そう、心に決めた純也であった。




