ゴルタとムラクモ
土曜日と日曜日は、用事の為投稿出来ませんでした。本日より、また毎日投稿になります。
ゴルタは、帰ってきて早々、レイに挨拶をする。
「ただいま戻りました。レイ様。して、其方の方はどちら様で?」
「こいつは、蜘蛛の女王のムラクモだ。」
「蜘蛛?」
ゴルタは、蜘蛛と言う単語に反応する。
「あぁ、ゴブリンと共存したいんだって。」
「おい、待つのじゃ。それでは、我から言い出したようではないか。我は、お主が言うから仕方なくじゃぞ。」
「あー、はいはい。まぁ、そう言う事で良いよ。」
しかし、ゴルタの方はそうはいかないようだ。
「レイ様に止められていなければ、お前らを皆殺しにする予定だったのだがな。」
「ふん!強がっていれば良いのじゃ。小童のお主程度では我らに勝つのは不可能じゃからのう。」
ゴルタとムラクモが睨み合う。
ピリピリした空気にレイが(これはやばい。)と思い、止めに入る。
「お前ら、その辺にしとけ。それより今は、オーガの事だ。」
「む?あのオーガ共がどうかしたのか?」
「あぁ、そういやムラクモ達には話してなかったね。実は…」
レイは、オーガ達が暴走し出した事をムラクモに話した。
話を進めて行くにつれ、ムラクモの顔が険しくなっていく。
「そんな事がこの森で起こっておったのか…」
「あぁ、ここにいるゴブリン達もその被害者なんだ。オーガの暴走で、村を潰されたらしい。」
「そう、じゃったのか…」
ムラクモは、少し何かを考えると、ゴブ君の方を見るとこう言った。
「事情も知らず追い出そうとして悪かったのう。」
「いえいえ、僕らの方もきちんと話すべきでした。」
うんうん、流石ゴブ君。ちゃんと受け答え出来てる。
だが、問題は…
「おい。」
「……」
「おい!」
「………」
ムラクモは、ゴルタの呼び掛けにガン無視を続けている。
やはり、ゴルタには礼儀を、ムラクモには他者への思いやりを教えた方が良いのだろうか。
「おい!!」
「なんじゃ、喧しいのう。お主はおいとしか言えんのか?」
「何だと!」
ゴルタが掴みかかりそうになったので、レイが止めに入る。
「止めろ。今は争っている場合じゃない。」
「し、しかし…」
「ゴルタはもう少し礼儀を学べ。」
レイがそう言うと、ムラクモがあざ笑うようにゴルタを見る。
「お前もお前だムラクモ。お前はもっと他者への思いやりを学べ。」
「レイよ、我は相手の事を思いやっているつもりじゃぞ?」
「なら、まずは他者を見下すのを止めろ。じゃないと、今回みたいな……」
その後、レイの説教は夜まで続き終わる頃には、二人はかなりショボくれていた。




