ファーストコンタクト
こんな時間に投稿するアホです。
出発の時間になり、城を出る。
レイは、またテラに抱っこされている。
「それじゃあ、行ってくるぞ!」
「はい、お気をつけて行ってらっしゃいませ。」
ムラクモの言葉に進化した侍女の一人が返答する。
「よし、行くのじゃ!」
「はいなのです!」
ムラクモとレイを抱えたテラは、テラを先頭に森を駆けていく。
凄い速さで。
ちなみに、ムラクモとテラに渡したドレスは、ちょっとした傷程度なら、空気中の魔力を使い修復出来るようにしている。これは、『大賢者』が、少し解析の終わった賢者の石を使ってやってくれた。
うん、正常に機能してるね。
レイが、木に擦れて破れた所が修復しているのを見て心の中で頷く。
『解。計算通りです。』
『大賢者』さんも何処か自慢げだ。
そんなこんなで、レイ達は、太陽が一度頂上に来て少し傾き始めたあたりで、ゴブリン達の元に着いた。
「ほう、ここがゴブリン達が今根城にしている所か。なんだか、殺風景じゃな。」
ムラクモがゴブリンの住処を見て感想を言う。
ゴブリン達は、木の枝に動物の皮を被せただけの寝床で寝ている。しかも、壁は無し。プライバシーも何も無いが、少人数で今まで力がほとんど無かったのだからしょうが無いのだろう。
「とりあえず、俺が先に行って紹介するから待っとけ。」
レイはそう言い残すと、テラの腕から出てゴブリン達の方へ行く。
「おーい、ゴルタ居る?」
ゴブリン達に声をかけると、ゴブ君らしきゴブリンが近づいてくる。
「レイ様、お戻りになられたのですね。ゴルタは今狩に行っているため居ません。」
「そうか…まぁ、良いや。とりあえず、ムラクモ、テラおいで。」
そうレイが言うと、ムラクモとテラが来る。
「紹介するよ。テラは昨日会ったから良いとして、こっちは蜘蛛の女王のムラクモ。俺が名前をつけて進化したから、この姿になってるけど、最初に会った時は、アラクネだったよ。」
「うむ、我はムラクモ。レイより授かった名じゃ。」
「はじめまして、ゴブと申します。以後お見知り置きを。」
ゴブ君の腰が低い。いや、ムラクモが高過ぎるのか?どっちでも良いけど。
ゴブ君とムラクモの自己紹介が終わったところで、残っているゴブリン達を呼び寄せて、ムラクモを紹介する。残っていたゴブリン達とのファーストコンタクトは成功したが、血の気の多いゴルタがどうなるかは分からない。レイから言えば大丈夫なのだろう。
他のゴブリンとの自己紹介も終わり、ムラクモはメスのゴブリン達と話している。
ゴブリン達の中にいると、ムラクモの白さが少し目立つが、然程姿に違いは無いので大丈夫だろう。
そんなムラクモを見ながら、レイは糸を使い服を作る。
作っているのは、ファンタジー物で良く見かける町娘風の服だ。
こちらは、男用も作る。糸は、魔力を消費して出すので、作りすぎも良く無いのだが、この程度の人数なら大丈夫だ。
そういやこの服、素材から着色まで魔法だよな〜。
やっぱり、魔法って便利だな!
レイは一人でそう考えつつ、服を作って行くのだった。




