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第3ラウンドは名勝負が多い

零視点


俺は積まれた刺客が3人になってることと、今の状況を鑑みてガッツさんとフレイムは詰所の中に逃げたんだろうと察した辺りで、その詰所から哀れな犠牲者が出てきた。

「あー、そこの君。確か自警団のメンバーだよねー」

「はいそうですよ、なにかありましたか?」

「いやー、私たちはこれからちょーっと喧嘩するけど止めないでね。あー、あと出来たらそこに伸びてるやつらを詰所の牢に入れてくれる」

哀れな自警団のメンバーは2人の間に漂う空気がちょっと喧嘩するってレベルじゃないよね、と思った様だが2人の睨みに押されて

「そうですね、武器を抜いたり死傷者が出ない程度でお願いします。それとあれですね、運んでおきます」

「心配しないでもそんなことには成らないんだよ」

「そーだね、あんまりやりすぎると怖〜いお兄さんが怒るから」

怖〜いお兄さんかどうかはともかくあんまり酷ければ止めるからな、まあ言わなくても分かってる様だから言わないし、この2人ならそうそう怪我するってこともないだろうしな。なにより俺の考えとして何事も抑えつけるのは良くないと思うからな。

「それじゃあ行くんだよ、前回の勝負は時間停止で負けたけど、今回は直接戦闘だから負けないんだよ」

「えー、後衛の魔法使いが武器なしで勝てると思ってるの?、あー、そっか魔道書で殴るのか。おー痛そうだね」

サスペンス染みた魔道書の使い方だな、グリモアールも後ろで渋い顔してるぞ。て言うか凛行くんだよって言っといて行かないのかよ。

「グリモアールは使わないんだよ、知らない中でもないし責めてもの慈悲として素手で戦ってあげるんだよ」

「ふーん、そんな細い爪楊枝みたいな手でなにが出来るのかな?」

「いまに見てるんだよっ」

凛は【身体強化】を使って一気にジャミさんに飛びかかるが基本的に後衛の凛では接近戦の動きが荒いためジャミさんにあっさりと腕を取られて地面に投げつけられると地面に蜘蛛の巣状のヒビが入り衝突音が鳴り響く、これは大丈夫なんだろうか?いやまあ凛の体はなんの問題もないだろうがこの辺に住んでる人の迷惑になりそうな気がする。

「うガー、幼気(いたいけ)な女の子を投げるなんてサイテーだよ」

「いやー、幼気な女の子は地面にこの速度で投げつけたら粉々に成るだろうね、凛ちゃんは叫べるくらい元気みたいだけど」

「少しジャミのこと舐めてたんだよ、これを使うのはあんまり気が進まないけど負けるのはもっと嫌なんだよ」

凛がそう言い終わるのとほぼ同時に凛がジャミさんに掴まれている方の手を無理やり動そうとしたが、既にジャミさんは凛から手を放して距離を取っている。

「やっぱり私は近接戦は苦手だよ、今ならジャミさんにも力負けしない自信があったのに逃げられちゃったんだよ。やっぱりこう言う駆け引きは慣れないと難しいんだよ」

そう言いながら立ち上がる凛の手は異様に血管が浮き出た状態だった。おそらく魔法で体内の血液を操って身体能力を向上させているんだろうが、それが正しければあの技は相当体に負荷がかかるはずだ。

「まあどっちにしてもまだ続けると言うなら近所迷惑に成るから移動だな、まあ凛と戦った様な空間で良いだろ」

俺は2人を巻き込んでインスタント空間を作り上げる。

「さて、場所も変わったし第二ラウンドだよ」

「んー、多少強化を増やしても接近戦のセンスがないからどうしようもないね」

「さっきと同じ私じゃないんだよっ」

そう言って再びジャミさんに飛びかかる凛は言うだけあってさっきより速いし、良い動きをしているが、それでもまだまだ荒い。このままならさっきと同じ様に投げつけられて終わりだな。とは言えさっきと同じ方法ではまた投げつけられるだけなのは凛も分かってる筈なので、十中八九罠だろう。

「んー、一応様子見かな」

そう言ってジャミさんは凛のパンチをさらりと避ける、綺麗に避けることが出来たから反撃する隙は十分にあったが言っていた通りに様子見らしく反撃はせずに距離を取る。

「まだまだだよ」

と言って今度は蹴りを打ってくるがやはりこれも動きが荒いため躱される、それでもめげずに凛は同じ様な攻撃を続けて来る辺りおそらく凛の狙いは反撃に対するカウンターなのだろうが、そのことはジャミさんも読めてるらしく一向に反撃をしないで避け続ける。

暫くすると凛の動きに少し良い動きのものが混ざり出す、そのため見かけ上は少しずつ凛が優勢の様になって来るがあの良い動きの時に反撃に対応出来なければ投げつけられるだろう。と思っていると前からさっき聞いたものより大きな衝突音が響く、どうやらジャミさんが正面から凛に殴りかかってクロスカウンターの様になった様だ、もっとも腕の長さの都合上一方的に凛が殴られてジャミさんの方は凛の拳が届いてなかったのだが。

「ふー、凛ちゃんはよく考えちゃうタイプな上、小柄だから接近戦には向いてないよ」

「うーーー、今の私の方が早く動いてたんだよ」

「そりゃー、リーチの違いだな。接近戦なら間合いを掴むのは必須だぞ」

やっぱり接近戦だとどうしても体格と言うのはデカイよな。

「もうこうなれば第3ラウンドなんでもアリの模擬戦形式だよ」

「うーん、攻撃系の魔法が解禁されると一気に勝率が下がりそうだな。まあ受けるけどね、今のウロボロスと私でどこまで行けるか知るにはちょうど良い」

「今まで黙って見てきたが怪我はするんじゃないぞ」

2人は頷くと互いに武器を構え出した。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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