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最初から出来レース

明日は更新時間が遅くなるかも知れません。

零視点


どうにもフレイムは戦う気満々で引いてくれそうもない、俺の予想通りなら勝率は若干フレイム有利ではあるが相手の確かヘルだったかの実力が未知数なため予想は正確と言いがたい、だがフレイムが楽勝で勝てる可能性はフレイムがヘルの潜伏に気付けなかった時点で低いとみて良いだろう。むしろ、苦戦する可能性や敗北する可能性が高い。やはりここは睨み合ってる内に横槍を入れて仕留めちまうか?安全性と言う意味でならそれが正しいんだろうがそれをしたら熱くなってるフレイムがなにをするか分からんな。それに俺の考えを見透かしているのかヘルは俺も警戒している様だしやめたほうが良いか。それにしてもフレイムがテンション高さが不自然な気がするんだよな。フレイムに聞こえないようにそっと凛とジャミさんに聞いてみるか。

「なあ、フレイムってさっきから変にテンション高くないか?」

「あー、そう言われればそんな気もするけど……単純に昔を思い出してテンション上がってるだけだと思うよ」

「お兄ちゃんが言うなら、きっとなんかある筈だよ」

片方聞く相手を間違ったかな?おっとそうこうしている内に始まりそうだな。フレイムが踏み込んでヘルとの距離を詰めようとした所にヘルは隠し持っていた投げナイフを投げると同時に「ついて来い』と捨て台詞を残して階段を下って行く。

「罠くさいな、フレイム気を付けろよ」

「分かってる、それにさっき俺はあいつの隠密に気付けなかったからな。罠がなかろうと慎重に行く」

隠れて奇襲はないと思うぞ、さっきまでのヘルの感じだと俺の介入を嫌ってる節があったから、俺の介入の理由となる奇襲はしないだろう。

「いやー、地下なら天井が低くて戦い易い場所なんじゃないか?」

「その可能性もあるか」

「どっちにしても行くしかないんだよ」

確かに、ロビーと階段のあるこの部屋しか見てない上、未だこれと言った情報を手に入れられてない以上行くしかないのは変わらない。

「そうだな、世界最強を目指すんならこんな所で止まれないよな」

「世界最強も良いけど油断するなよ」

「分かってる。大丈夫だ」

そう言ってフレイムは階段を下って行く。幸い階段はそこそこ広いのでいざとなればフレイムを越して先に行くことも出来る。とは言えそんなことをすると言うことはフレイムでは対処出来ないなにかが起きた時だからそういうのはなしで行きたいが、うまく行くかな?


幸い罠もなにもなく下までたどり着き、30帖はありそうな部屋に出る。

「待っていたぞ。あの部屋は狭かったからな、どうせならこっちの広い部屋で戦う方が良いだろう」

よく言うな、ここは確かにさっきの部屋よりも広いが天井は低いし、机や椅子なんかの家具も多い。どう考えてもフレイムよりもヘルに有利な場所だ。

「ふん、俺はAランク冒険者のレオ フレイムだぞ、多少不利な条件になった所で負けやしない」

「ククク、メンバーの中で最弱の割によく吠える」

そう言ってヘルは机と机の間を器用に抜けて走り出す。一直線にフレイムに近付かず多少左右に揺れながら走り近づく。まず間違いなくフレイムの一撃を避けてからの一撃を狙っているのだろう。それに対してフレイムはディアレストを横に振って机を飛ばして迎撃する、しかしヘルは軽い身のこなしで机の下をくぐり抜けて、次いで放たれた2つ目の机も横に避ける。

「【龍刃ディアレスト】」

だが2つの机を飛ばすことでディアレストを振るのに十分なスペースを確保したフレイムは正面から受けて立つつもりの様だ、どう考えても机を飛ばしてくる以外はヘルの思惑通りに進んでるな、それにこう言うやり方だと俺が介入しずらい、参ったな。


ヘル視点


ここまでは悪くない、ヘルは飛んできた机を躱しそう思い、これまでを思い返す。最初は信じられない映像で心が折れかけた、だがそのおかげで吹っ切れる事が出来た。

次にこの施設に興奮作用のあるガスを充満させた、効果は薄いが気付かれにくく解毒されにくい特性を持つ物であり、こう言った紙一重の差を埋めてくれる物だ、とは言えフレイムにこんなに効くのは想定外だったが良い方向に転がった、あそこまで効いていなければきっと俺はフレイムとは戦わず後ろの3人の内の誰かにやられていただろう。

最初にこの施設に入って来た奴らを観察して分かったことは後ろの3人には勝てないことと、後ろの3人には俺の存在がばれていること。別にスキルと言う訳ではないが長年の勘で分った。そして目標を倒せる可能性があるフレイムを殺す、それが失敗しても俺を殺してもらい口封じする。と決め今に至る。

「【龍刃ディアレスト】」

正面から受けて立つつもりか、好都合だ。なにせ後ろの3人、特に介入する機会を今か今かと待っている零に邪魔される可能性が低くなるのだからこれ程ありがたいことはない。とは言え俺がフレイムの一撃を避けることができる可能性は半分もないだろう。だが、あの大剣を全力で振るえば例え刃でなくとも俺が死ぬのは確実だろう。

「俺はお前だけでも殺す。後ろの3人は無理でもお前なら可能性がある」

「俺は世界最強を目指すって目標を思い出したんだ、いつかジャミも、凛ちゃんも、零も超えてやる。だから負けるつもりはない」

ほう、最強を目指すか。面白い奴だ、個人としては生かしたくなるよ。だが俺はイドラ商会警備部副長。あのゴミ溜めの様なスラムからイドラ商会に救われた時からこの身はイドラ商会のために使うと決めた、故に引くつもりは一切ない。

「「死ね」」

フレイムが振るう大剣が近付かずいて来る、躱せるそう確信して身を屈めるだがそこでフレイムの太刀筋が落ちて来る。つまりは俺の負けだ。

「勝負に水を差して悪いが君にはまだ死んでもらう訳には行かないんでね」

「んー、さすがにここまでは忠誠心に溢れてるなら何も知らない訳ないよね」

くそ、失敗か。最悪だ。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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