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テンション上がってきた

フレイム視点


刺客を倒し、奥の部屋に行くとそこには下り階段があった、ギルが言っていた通り重要施設は地下にあるらしい。

「本当に地下好きだな」

「そうですね、後ろ暗い組織の拠点は8割ぐらい地下ですよ」

「そこまで地下だと、あと2割が気になるんだよ」

確かにどんな所にあるのか気になるな。でも俺たち今正にイドラ商会の拠点に乗り込んでるんだからあとでも良くない。

「そうですね、小さい施設が多数ありますが、変わり種だと森の中とか、洞窟とか、坑道跡とか、小さな村が丸ごと拠点だ。なんてこともありますね」

「うわー、大規模だね」

「そうですね、こんな拠点を構えられるのは一部の大きな組織だけですね」

なんでギルはそんなに詳しいんだよ。と疑問をぶつけたかったがタイミング悪く刺客が来る。

「死の影、貴様情報を売るとはそれでも名高い殺し屋か」

「確かに俺は死の影、フリーの殺し屋だ。フリーのな、この意味が分からない馬鹿ではないだろう」

相手が零じゃないと思ったら急に強気だな、まあ零とジャミと積極的でないとは言え凛ちゃんも守ってるんだから安全なのは分かるがな。

「ちっ、勝ち目が無いと分かれば即座に裏切るか、下衆が」

「まあ、どっちの言いたいことも分かるな」

すぐ裏切るやつが許せない気持ちも、零に睨まれて逆らえない気持ちも分かるな。

「貴様に何が分かる」

「分かるぞ、すぐ裏切るやつが許せない気持ちも、あっちの黒いのに睨まれて怖い気持ちも俺は分かる」

「誰が、黒いのだ。誰が」

自覚あるよね、その反応自覚あるよね。などと言えるはずもなくじっとしていると。

「うん、怖いな……でも俺は諦めない。貴様なんぞこけ脅しに決まってる、変な服着やがって。後ろにいないでお前が戦え」

「後半支離滅裂だぞ、それにこの服を貶されるのは良い気分しないな。フレイム、そいつは俺が相手するから下がってろ」

あーうん、あいつ死んだな。


結果?秒殺だったよ、いや秒も掛かってなかったんじゃないかな。

「なに遠い目してるんだ?」

「いや、俺って弱いなぁって思ってな」

「そんなことないぞ、フレイムは俺が知ってる中で上から4番位目くらいには強いぞ」

零。お前、記憶喪失だろ。比較対象的に多分4人中4番目だろ。

「あー、俺もフレイムより強いやつなんて4人ぐらいしか知らないぞ」

「えーっと私はフレイムより強い人は6人くらいしか知らないんだよ」

凛ちゃん、地味に多くない。いやでもベストエイトには入ってるんだな。なんかやる気で出て来た。

「因みに凛ちゃんの言う俺よりも強い人って零、ジャミ、凛ちゃん以外の三人は誰?」

「シランと、お母さんと、アヤメだよ」

あー、うん成る程。

「零」

「なんだ?」

「お前の親戚筋が馬鹿みたいに強いんだな」

「それを記憶喪失の俺に言ってどうする。言うなら凛だろ」

そうかも知れない。でも取り敢えず零に言ったし、改めて凛ちゃんに言うのもなんかあれだし良いや。そうだ!

「さあ行くぞ。俺は世界最強を目指す」

「急にどうした。頭でも打ったか?」

「あー、酔い覚まし持ってたかな」

「治癒系の魔法は得意じゃないんだよ」

オイ、俺の扱いがおかしいだろ。

「俺は別におかしくなってないし酔ってもいない。ただ初心を思い出しただけだ」

「それが『世界最強を目指す』?今時少年漫画の主人公でも言わなそうだぞ」

「凄く、暑苦しいんだよ」

「おー、『少年よ、大志を抱け』だっけ?」

なんか不人気なんだが、なんか間違ったかな?

「て言うか零とかは強くなりたいんじゃなかったっけ?」

「それはそうだが別に世界最強を目指してるわけじゃない。強くなって氷菓とか凛を守れたら良いな、って言うのと個人的な趣味でしかない。それに少なくとも敵陣の真ん中で言うことでもない」

「あっ」

ヤバい。熱くなってつい敵陣のど真ん中だって忘れてた。

「ククク、そうだな。初心は大切だな」

「そうだろ、あんたもそう思うだろ」

「おーい、フレイム。それはどー見ても敵だぞ」

あっ、本当だ黒尽くめのひょろりとした所がいかにも暗殺者って感じだね。

「なに、急に襲いかかったりはしないさ。俺もついさっき初心を振り返る出来事があってね、少し共感しただけさ。だからそう睨むのは止めてくれないか零君」

「お前に君ずけされる謂れはない。……フレイム。こいつは俺がやる」

こいつはって言うかこいつもじゃないかな?でもそれよりなんでいきなりこいつと戦う気になったのかが気になるな。

「なんでだ?」

「クク、そこの零君は君ではこの俺ヘルに勝てないと考えてるからさ」

「なにを勘違いしているのか知らんが、コソコソ隠れるお前がウザったかっただけだ」

コソコソ隠れる?ってことはもしかして。

「フレイム君、ご明察だ。その通り、最初から見ていたさ。最も後ろの怖い3人にはバレていたみたいだがね」

俺に気付かれることなくずっと見ていたのか。だとしたら俺よりも格上か?いやそう考えるのは速い、あくまで奇襲されればどうしようもなかったかも知れんがこうして前にいる以上奇襲は難しい。それなら勝ち目もあるんじゃないか?

「零。俺は初心を思い出したんだ、だから相手が強いからって引く気はない。それにあいつには勝ち目がある」

「その通りだ、フレイム。お前に譲れない物があるように、俺もまた譲れない物がある、貴様らを無傷で返すのは警備部として認める訳には行かない」

「はぁー、好きにしろ」

悪いな零。

「お兄ちゃん、良いの」

「なに言っても聞かなそうだしな。取り敢えず頭を冷やせば変わるかもな」

「いやー、あれは絶対に変なスイッチ入ってるから変わらないよ」

そうだな、多分変わらない、いや絶対変わらないな。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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