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技のデメリットが分かっても勝てるとは限らない

今回は昨日のお詫びとして1.5倍に増量です。

零視点


いよいよギルに事務所への案内を頼んで進み始めたのだが、俺たちはギルの言っていた回り道をなめてた。なにせ

「ねえギル、もう3キロは歩いたんだよ。良い加減にしないと魔法が滑るんだよ」

「あー、私の連接剣も滑りそう」

「待ってください。あと1キロぐらいですから」

あと1キロか、2キロぐらい前であと3キロって言ってたしいつまでもここをぐるぐる回るつもりはないようだな。

「まあ残り距離は順当に減ってるんだ、あと1キロぐらい進んでからでも滑らすのは遅くないだろ」

「なあ、今まで黙ってたけどそれはもう滑るって言わないと思うんだ」

「フレイム。俺たちのいた世界には『1発までなら誤射』って言葉があるんだ。つまり1キロ進んだ先で起こるのは誤射だ、気にするな」

まあ、何発撃っても誤射ってことになることもあるけどな。それに、

「誤射する前にお客さんが来たみたいだしな」

「あー、3人かな?どうする?」

「まあ情報源のギルを殺られる訳には行かないしギルは俺が見とくよ」

「分かったんだよ。そう言えばお兄ちゃん。あの時の約束って生きてるのか聞きたいんだよ」

あの時の約束?

「あー、1番多く敵を捉えられたら頭を撫でて貰うやつか、俺も気になるなどうなんだ?」

そう言えばそんな事も言ったな、

「じゃあ丁度3人だし2人捉えたほうが勝ちで良いんじゃないか」

「2人と言わず3人とも捉えてやるんだよ」

「んー、調子に乗ってると足元すくわれるよ」

2人ともやる気満々だな、これで良いと思うがなんか俺が女を顎で使う最低野郎に成ってる様な気もする……気にしたら負けだな。


フレイム視点


うわー、零が女を顎で使う最低野郎みたいに成ってるよ、まあ零にそんなつもりはないんだろうが状況がね。ん?なんだかジャミと凛ちゃんから威圧感を感じるな。まあ理由は分かる、俺があの刺客の三人の内1人でも捉えられると迷惑だ、って所だろう。俺は狙われてるとは言え俺自身並みの刺客には負ける気など毛頭ないし、何よりあの神をも殺さんとばかりに気合を入れている2人に狙われると思うと刺客には哀れみしか湧いてこない。だからこそ俺は

「俺も後ろでギルを見てるよ」

「そうか、まあないとは思うがもし2人が不味そうだったら俺も行くつもりだったし、ギルを見てくれるのは助かる」

零はそう言って反応したがジャミや凛ちゃんはスッと目を外して2人でにらみ合いを始めた。刺客を逃さないためか表面的にはにこやかだが俺にはドラゴン同士がにらみ合いをしている様にしか見えない。

そんなことを考えながら進んでいくと少し開けた広場に出る。するとどうやらこの広場が刺客の襲撃ポイントだったらしく一斉にギルに向かって襲って来る。道を知っているギルを殺そうと言う考えだろう。

「「「死んでもらう」」」

刺客が襲って来る場所・タイミングは完璧であり、相当な手練れであると共に相当の訓練を積んで来たものだと思われるだが今回は余りにも相手が悪い。

「ずるいんだよ、ジャミの方が刺客に近いんだよ」

「あー、油断するからだ」

「良いんだよ。圧倒的な格の違いってヤツを見せてやるんだよ」

そう凛ちゃんが言うとジャミがムッとした表情になる。

「ほー、妨害ありとは聞いてないな」

オイオイ凛ちゃん妨害したのかよ、て言うかその衝撃で刺客が吹き飛んでるぞ。まあ俺にはジャミの捉えようとする攻撃も凛ちゃんの妨害も見えないんだがな。そんなことを思っていると今度は凛ちゃんが不快そうな表情になり舌打ちをする。

「うんうん、そういうつもりなら負けないんだよ」

どうやら今度はジャミが妨害した様だ、そう言いいながらも2人の高速の攻防は続いているらしく衝撃が連続で発生しそれによって刺客が木の葉の様に舞う。それでも周囲の建物に被害を出さないのはそこまでやったら零が怒るとでも思ってるのかどうかは分からないがとにかく不気味なくらい周囲の建物に被害はない、刺客はすでにボロボロだがな。

「まとめてゲットだよ」

凛ちゃんがそう言うと刺客が一か所にまとまる。どうやら既に刺客の意識は無いらしい。

「えー、させるわけないじゃん。むしろ俺がまとめてゲットする」

そう言うと三人の刺客はまとまって飛んで行く。だが2人が舌打ちをした所を見るにどうやら2人とも失敗したらしい。すると零が、

「はぁ、まあ周囲に被害はないし俺が勝負を煽ったのもあるしここは成り行きに任せるか」

俺がそんな零の発言に気を取られていると何かが高速で飛んできたためついキャッチしてしまった。

「「「「「あっ」」」」」

気絶している刺客以外の全員の声が合うなにせ俺がキャッチしたのは三人の刺客なのだ。不味いこのままじゃマジで殺られかねないと思った俺は、

「うおー、止めらんねー」

そう言って白々しく三人を巴投げの様に投げとばした。一旦受け止めてからの白々しい動きだったが2人には関係ないらしくまた攻防が再開される。ただし零はだけは

「まあ、そうするのが正解だろうな」

と微妙な顔をしていた。そしてどうやら2人の勝負も佳境に差し掛かり激しさを増して行く。

「良くやる方だけどそれじゃ私には勝てないんだよ。これが実力の差というやつだよ」

「んー、あんまり使いたくはなかったけど地力じゃあ勝てないか、仕方ない。【ウロボロストップ】」

そう言った瞬間三人の刺客にジャミの持つウロボロスが巻き付き刺客を捉えていた。しかも、零と凛ちゃんまで驚いているということは俺だけじゃなく、零と凛ちゃんにも見えなかったらしい。

「もしかして時間停止とかそんなんか」

「えー、普通一発で分かるものかな」

「まあ、あれだけ不自然な動きをすれば誰だって気付くと思うんだよ」

ぜってー気付かないだろ普通、という思いを乗せこの中で俺以外の唯一の常識人であろうギルに視線を向けるとギルもこっちの視線とその意味に気付いたらしく頷く。にしても時間停止とかどうって防いだら良いんだ?俺がそんなことに頭を悩ませていると零がジャミを撫でている、零や凛ちゃんには対策でもあるのか?とりあえず端で膨れてる凛ちゃんにでも聞いてみるか。

「なあ、凛ちゃんは時間停止なんか使う相手に勝てるのか?」

「ムッ、普通の戦いなら楽勝だよ。なにせ時間停止中は攻撃を当てても意味がないし魔法も使えないからなんの問題もないんだよ。ただ今回みたいに捉えるのが勝利条件だと無理だよ、私は時間停止していると動けないからそうこうしている内に連接剣を巻き付けられて終わりだよ」

「教えてくれてありがとう凛ちゃん」

「どういたしましてだよ」

つまり、時間停止されてそのまま切れてあの世行きってことはないのか。とは言え勝てる気はしないがな。むしろ気付いたら巻き付いてた連接剣によって地面に打ち付けられて負ける気しかしない。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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