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期待を裏切ずその上を行く芸人魂

ゴールド視点


勇者ってどこで聞いたんだっか、思い出せ。そんな昔じゃないはずだ。

「ねえゴールド、確か勇者って凛ちゃんが『勇者って言うのは世界の滅びを回避する為にけ呼ばれているんだよ』って言ってなかったけ?」

「あ、ああそうだな。確かそう言ってたな、それにその前の話からすると異世界人、つまりアヤメなんかと同じ地球人なんだろうな」

アヤメに言われて思い出せてギリギリセーフだったな。アヤメに記憶力が低いとか思われたら笑えんぞ。

「うーん、勇者って零君より強いのかな?」

「あった事もない勇者の強さが分かるはずがないだろ、とは言え零より強いやつがいるとは思えないがな」

「それほどに強い人がいるのであればやつらに対する備えになるではないでしょうか?」

「なるだろうが。今どこにいるかが分からないからどうしようもないな」

まあ、他にも凛や翔子も零に並ぶくらいの戦力になるだろう。だがこの面子だとまとまる気がしないな、

「良いね。零君と2人で世界を救って平和になった世界で熱いキスをしてエンディング、うん。理想的だね」

「おい、エンディングってなんだよ、空にスタッフロールでも流れるのか」

「まあそう言う固い事言わないでよ」

そもそも零とアヤメだけで十二体を3日以内に倒せるのか?1人1日二体ずつだぞ。

「とにかく、勇者はその召喚されたやつで良いのか?」

「勇者に関してはムービー中で博士も言っていた通り単純に活躍した人を祭り上げただけの可能性があります、しかし勇者の中には呼ばれた者はいませんでした。そのためその勇者は偽物か博士が求める勇者ではない可能性が高いです」

「博士ってだれ、さっきのおじさん?」

「その通りです」

召喚されたのはここで求める勇者ではないか、だとしたらここで求める勇者はどこにいるんだ?

「情報がなさすぎる、手がかりとかはないのかよ」

「勇者は全員異世界人でした。これは手がかりになるでしょうか」

「異世界人って結構いる気がするんだけど」

多いと見るか少ないと見るかは微妙だが

「今わかってる限りでアヤメ、零、凛、翔子、召喚勇者、5人は確定でプラス博士の言う勇者がいれば5人いるって事か」

「今挙げた中に勇者がいる可能性はないのでしょうか」

「うーん、私は勇者ってタイプじゃないし、零君は私の勇者かも知れないけど世間一般的な勇者像からは逸れるね、凛ちゃん?あのワガママなロリっ子が勇者な筈はないよね、翔子?ない!召喚勇者は知らないけど勇者じゃないんでしょ?」

かなり私情が入ってるがアヤメを含めた4人がおおよそ勇者らしくないのは確かだな。

「そう言えばその十二体のやつには名前とかないの?」

「博士が生きていた頃は自称そのものは審判、十二体のやつはα、βとナンバリングはされていました。ただし博士はこの審判と言う呼称は当時付けた物なので未来に残すデータに使用するにはふさわしくないと考えた様です」

「あ〜、審判で気候が変わったってそう言う事だったんだ」

「何1人で納得してるんだ?」

「初めて来た時AIにここが湿地だって言われて、それを否定したら『審判によって大幅な気候変動が生じています』って言われたんだよ」

そんな事も話してたのか、にしても気候が変わるほどの物なのか。

「対策を考えて頂けるのは嬉しいのですが、食料は大丈夫でしょうか」

「そうだ!つい事態の大きさに忘れてたけど今は、砂漠で迷ってたんだった」

「おいおい、忘れるなよ」

「そう言えばAIがなんか教えてくれるって言ってなかったけ?」

言ってたか?言ってないと思ったが。

「はい、アヤメ様1人で来られた時に『良い情報を伝える事が出来るかも知れません』と言いました」

「ほう、それでどんな情報なんだ?」

「進む方向の手がかりを教える事が出来きます。まず私にはマップ機能が付いています。ですが約1万2000年の歳月と審判によってこのマップはほとんどあてにならないでしょう、ですが大陸の形が大きく変わる可能性は低いと思われます。ですのでここから最も近い海岸線への方向を演算しました。この施設の入り口から反対方向に進むと最も早く海岸に出ます。また他のルートを取るにしても私のマップで大まかな地形を知っておくのは悪くないでしょう。こちらがマップになります」

そう言うとさっきのムービーの様に今度は地図が出る、一応現在位置にマークが出ているが緑の湿地の所にあるため間違ってる様な気がして来る。

「お前のいう道は東方向だな」

「はい」

「えっ、なんで分かるの」

「海岸に出る最短の方向ぐらい見りゃ分かるだろ」

別にそんな複雑でもないデコボコしたひし形みたいな地形の陸だしな、まあ現在位置がだいたいひし形の右ちょい上か。方角の取りやすさから考えても東だな。

「うーん、東って事は日が沈む方向だね」

「定番のボケだな。やると思ったが今本気でやられると困る、反対だ日が昇る方向だ、覚えておけよ」

「今のはゴールドに鎌かけただけだから」

それはそれでなんでいきなり鎌かけたかと言う謎が残るんだが。まあ良いあまり言うと長くなりそうだしな。

「さあ、それじゃあ行くよ暁に向かって走れ」

「おい、この事は良いのかよ」

「よくよく考えたら砂漠の脱出が先だと思うんだよね、それにここはまた来れば良いじゃん」

あー、そうだよな。俺はともかくアヤメはここから出られなかったら死ぬもんな。

「そうだな、このまま迷ってたら亡びだ審判だなんて関係なく死ぬもんな」

「そうですね。私としても今は脱出の方が優先度が高いと判断します」

「ふふん、分かったら暁に向かって走るよ」

まあ入った時の日の傾きから行って外に出ても外にあるのは暁じゃなく夕日だろうがな。まさかとは思うが夕日に向かって走りはしないよな。

「ゴールド、なにやってるの?」

くだらん事を考えてるうちにアヤメが水の所まで行っている。

「ああ、悪い今行く、じゃあなAI」

「バイバイAI」

「はい、そこまで言うなら呼称はAIで結構ですよ。ではまたお会いできる日を待っています」

そういやAIかどうかは分からないんだったか、そんな事を考えている内にアヤメは水に入ってそのまま潜って行く。


〜(潜水中)〜


「プハッ、オアシスに戻って来たよ」

「そうだな」

アヤメが泉を出て水を【精神体化】で落として乾かす。

「えーっと、太陽はあっちだね。さあ行こう」

そう言ってアヤメは夕日に向かって行こうとする。

「本当に期待を裏切らないな、それは夕日だ」

アヤメは何事もなかったかの様にターンして泉に突っ込んだ。

「さすがにそいつは想定外だ」

恨めしそうにこっちを見るが絶対俺のせいではない。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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