まくら投げは済ませたか?
凛視点
フレイムは女心が分かってないんだよ、報復ついでに私がお兄ちゃんと一緒に探索するのに協力してもらうんだよ。
「フレイム、あとで新しい魔法の実験がしたいんだよ、もちろんフレイムは手伝ってくれると信じてるんだよ」
「あー、フレイム。あとで一緒に空き地に行こう。体を動かしたいんだ」
「なんでだよ、てか凛ちゃんの魔法なんて食らったら俺死ぬよ」
全くひどい風評被害だよ、私がフレイムを殺すわけないんだよ。
「きっと痛いけど大丈夫だよ、それに足がなんのために付いてるのか考えるべきだよ」
「確かに足は動くためにあるけど躱せるとは思えないんだよ」
「うわー、そんな事を自信を持って言うのが恥ずかしくないの」
「恥ずかしがってる場合じゃないだろ」
全く、男なら素直に腹を決めて魔法を食らえば良いんだよ。
「まあフレイムも落ち着け、別に凛も殺すつもりはないはずだ。だから安心して魔法を食らって来い」
「『殺すつもりははない』んだろうけど、逆に言えば死なない程度には痛めつけられる可能性はあるしむしろそう言う意味にしか聞こえかったんだが」
「あー、大丈夫。どんなに怪我しても俺が責任持って治してやる、だから安心しろ」
おお、それなら考えてたより過激に行けるんだよ。
「そんな悪意100パーセントの治療は受けたくねーよ」
「えー、そんなー。悪意なんて30パーセントぐらいしかないよ、残り70パーセントはザマァだけど」
「30パーセントは多いし、それにザマァも十分悪意だから」
良し、計画道理だよ。今ジャミの意識はフレイムに向いているんだよ、つまりこの隙にお兄ちゃんと一緒に探索に行ってしまうんだよ、単純なミスリードだろうと勝てれば良いんだよ。そう思って一歩踏み出すとこちらにウロボロスの刀身が伸びてくる。
「っと、危ないんだよ。あと1センチ進んでたら前髪が切れてたんだよ」
「えー、当てるつもりなんてないし、それに勝手な行動をする凛ちゃんを諌めただけだけだ」
「じゃあ私はいきなり武器を抜く様な危ないやつは諌めるべきだと思うんだよ」
「おい少しは落ち着け、誰もいないとは言えここは敵の拠点ないだぞ。そんなに揉めるならクジで決めるぞほら」
あー、まずいんだよ。少しお兄ちゃんの機嫌がよろしくないんだよ。仕方ないからここはジャミに
『ここは素直にクジで決めよう』
とアイコンタクトを取ってみるんだよ。……おっ、頷いてるんだよ、意図は通じたっぽいんだよ。
「じゃあ先ずは私が引くんだよ。でもクジなんてないんだよ?」
「そのくらいはいくらでもどうにかなる。…ほらこれで良いだろ」
そう言うお兄ちゃんの手には白い氷で出来た棒が4本あった、まず間違いなく先端に印の付いてるあのクジで間違いないんだよ。
「それじゃあ…………これにするんだよ」
「あー、じゃあ俺はこれで」
「なんで相談もなしに俺が最後なんだよ、まあ良いかじゃあこっちで」
「それじゃあ多分俺はフレイムと一緒だな」
そう言ってお兄ちゃんは先端が透明な氷の棒を見せてくる、私の持っている棒は先端まで真っ白だよ。チラッとジャミの持つ棒を見ると私のと同じ先端まで真っ白の棒を持っていやがるんだよ。
「まて、これは引き直そう。今のは練習だな、そうだろ」
「そうだよ、今のは練習だった気がするんだよ」
「んー、練習は失敗だね」
これぞ集団の力だよ、お兄ちゃんはこう言うのには屈しないけどやってみるだけタダなんだよ。
「それやったら終わらないだろ。ダメだ。探索行くぞ」
「(あー、)分かった(んだよ)」
タダより高いものはなかったんだよ、反省したからそんなに睨まないで欲しいんだよ。
「よろしい。行くぞフレイム」
「あ、ああ」
ああ、行っちゃうんだよ。
「んー、こうなったら素直に探索するしかないか」
「同意だよ、やっぱりフレイムはボコボコにするんだよ」
「おー、それは良いね。協力するよ」
はあ、ジャミも悪い人ではないんだよ。そう言えばジャミに聞きたかった事があるんだよ。
「少し聞きたいんだよ、なんでジャミはお兄ちゃんが好きになったのか気になるんだよ」
「うーん。そうだなー、うーん、自分でもうまく言えないけど。あー、その、木崎には昔助けられたんだ、だからその恩を返したいって言うのもあるんだよな、でもそれだけじゃなくて、他にも木崎は俺より強いし、あと一緒にいて楽しいし、それに俺と同じ不老なのが大きいかな」
「ふーん、なんだか大事な所が省かれてる気がするんだよ。でもまあ答えてくれただけでもありがたいんだよ」
なんだか、思ってたより初心な感じの答えだったんだよ。まあさすがにこれは言わないんだよ。
「さー、俺は答えたんだ。凛ちゃんも答えろ」
「えっ、それは……も、黙秘権を行使するんだよ」
「えー、それはないだろ、良いだろ誰にも言わないから」
「…………言ったら地の底まで追いかけるんだよ」
本当に追いかけてやるんだよ。
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