親の顔が見てみたい
フレイム視点
目の前ではボコボコと言うよりもはやグチャグチャと言った方が正しい様な人を黒い服の男が蹴っていると言う光景が広がっている、もちろんグチャグチャな方が隠れてたやつで蹴っているのが零だが正直な感想を言うと、
「零の悪役っぽさが半端じゃないんだが、このままこっちを見て『おや?新しいオモチャが来ましたか、丁度良かった。さっき来たオモチャはもう壊れてしまってね、君はどのぐらい持つか楽しみだ』とか言っても違和感ないぞ」
「長いんだよ、それにそんな事ないんだよ。お兄ちゃんは私に暴言を吐いたやつにお仕置きしてくれてるんだよ」
ああ、『物は言いよう』ってこういう事か。
「んー、まああれだけやってくれれば簡単に事情が聞けるんじゃないか?むしろあれだけやられてまだ嘘をつけるならすごい根性だと思うよ」
「それはそうだが、あの状態で喋れんのかよ?」
あそこまでやられて嘘がつけたら普通に尊敬すると思う。
「まーその辺は任せてくれれば大丈夫だ、死んでないなら治して見せよう」
「あれ?ジャミさんって治療なんか出来たの?」
「うぉ零か、脅かすなよ。て言うか良く見るとあんまり返り血とか浴びてないんだな」
「そりゃあ服に血とか付けたくないから慎重に捥いだから大丈夫だ、流石に返り血ゼロとは行かなかったがな」
そう言う問題じゃないと思うが……まあ良いか、余り下手な事を言って俺で実演されても困るしな。流石にないだろうけど、
「なんか今凄い失礼な事考えなかったか?」
「そっ、そんな訳ないだろ」
鋭いやつだな。
「そんなベタな動揺する人初めて見たんだよ」
「おーい、フレイムは放っておいてさっさと治すぞ。【ウロボロス】」
おいジャミ、今のチラッとこっちを見て『貸し1だぞ』って口だけで言わなかった?気のせいだよね。それにウロボロスで治せるの?確か時間系の能力があるって聞いてたけど。
「ジャミさん。治すってそう言う『楽にしてやる』って感じの」
「あー、そうじゃないから。まあ見ててよ、最後まで見てれば驚くから」
そう言ってジャミはウロボロスを伸ばしてドームの様な物を作ってグチャグチャのやつを隠した。20秒ぐらい経ってからウロボロスを元に戻してドームの中のやつが出来るとなぜかキレイに治っていた。
「どうやって治したんだ」
「んー、時を戻したって所かな」
「なんと言うか。チートだな」
零がなんか言っていたが、それどころではない。時間を戻すって事はやっぱりこの中だと俺が最弱なのか、いや分かってたけどね。こう、改めて突きつけらると来るものがあるな。
「うおあーー、アレ、アレ、いーー、助かった?痛ぶるのはもう止め」
「五月蝿いんだよ。少し黙って欲しいんだよ」
「もが、ぐが、んー」
黙って欲しいって言いながら容赦なく赤いバンドで口を覆ってるよ、やっぱりあの兄妹は怖いな。
「えー、静かに成ったし詳しく説明するよ、前にウロボロスには時間を操作する様な能力があるって言うのはー言ったけ?」
「少なくとも私は聞いてないんだよ」
「凛は置いとくとして俺とフレイムは礼儀作法を習った時に聞いてるな」
「そうだな、確かあの時はお辞儀の時間調節に時間を早くしたんだっけか」
最初はそれで良いかと思ったがよくよく考えるとウロボロスを使わないと無理だから武器を携帯出来ない場合を考えると結局ダメなんだよなあ。
「んー、まあともかくそう言う能力があるからそれの応用だね。まー、やり方的には死んでもどうにかなりそうだけどウロボロスによると無理らしい」
「まあそう簡単に人は蘇ったりしないんだよ、ゾンビにでもならない限りはな」
ゾンビも蘇ったとは言えない気がするけどな。あれ?なんか前の兄妹の目が泳いでないか。
「そこの兄妹。まさか死者蘇生出来るとか言わないよな」
「他の人を蘇らせたりは出来ない(んだよ)」
「息ぴったりじゃねーか、それに自分なら出来るのかよ。おい、目を反らすなこっちを見ろ」
こいつら絶対出来るだろ、って言うかこいつらなら出来ても不思議はない様な気がするんだが。
「いやー、驚きだね。強いとは思ってたけどまさか死んでも蘇るんだ」
「いや、厳密には死んでないんだよ、私は【吸血鬼化】で吸血鬼だからタフなだけだよ。でもあくまで【吸血鬼化】だから人間と吸血鬼の良いとこ取りに成ってて神聖も太陽も平気なんだよ」
吸血鬼って神聖を有する物で倒すか、太陽の光じゃないと死なないはずだぞ。完全に不死身じゃねーか。
「それで零はどうなんだ」
「まあ大怪我をしても、氷花の【操魂】と【再生】で復活出来るが死んでる訳ではないな。氷花が殺られたらやばいけど氷花は【不壊】だから大丈夫だな」
それって本来なら魂が抜ける様な怪我って致命傷だよね、そっから復活するって要するに零も不死身じゃねーか。
「零と凛ちゃんの親ってどんな人なんだ」
「お父さんはあったことないんだよ、お母さんはガミガミババアだよ」
「その、悪かった」
なんか悪いこと聞いちゃったな。
「気にしないんだよ、私は会ったことないから特に悲しくはないんだよ。お兄ちゃんもいるし」
「そうか、そう言ってもらえると嬉しいな」
「あー、皆んなあの人の事忘れてない。大丈夫」
そう言ってジャミが指差す先にはこそこそこ逃げようとする口に赤いバンドを付けた男がいた。
「ごめん、正直言って忘れてた」
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