これぞ負のフィードバック
シラン視点
第二応接室に近づきながら最終確認をすませる。
「準備は万全だな。っと言っても特に気取るような間柄でもないか」
まあつい最近まではあっちは皇帝でこっちは国王の従者だったが今はもうエッジ帝国は乗っ取られているしそもそもエッジとは昔馴染みなので昔に戻った様で少し嬉しくもある。とは言え最低限ノックぐらいは当然するがな。
「入れ」
「相変わらず尊大な喋り方だな」
などとドアを開けながら話しかける。
「シラン君も変わりない様だな」
「数カ月で喋り方なんか変わらねーよ」
そう言ってソファーに座ると、
「それもそうだな」
と返ってきたので気分を切り替えて気になっていた事を聞いて行く。
「んで、どうして生きてるんだ、まさかゾンビとか言わないよな」
「心配せずとも我はゾンビではない、国は取られはしたがしかと生きている。生きてる理由は部下が逃がしてくれたのとやつが我にそこまで興味を持たなかったゆえだ」
「成る程な」
確かにあの人なら『逃げてるの?じゃあ無理しなくて良いわよね』とか言いそうだな。しかしなんでまた国なんて手に入れようと思ったんだ?いや、どうせ下らない理由だろうな。
「我も聞きたい事がある。シラン君の主である凛君は【血液魔法】が使えたな。それも高度な物が」
「ん?ああ、確かに使えるな」
なんでそんな事をわざわざ確認とるんだ?しかもこの感じは完全に一触即発って感じだしただ事じゃないのは確かか。
「それで、凛君がジャランガをを滅ぼしたのか」
「そんな訳ないだろ。だいたいにしてなんで凛がジャランガを滅ぼすんだよ」
「………どうやら本当に知らんようだな。先ずジャランガが滅びた事は知っているか?」
ジャランガが滅びたって言うの確かに知ってはいたがそれがなぜそれが凛のやった事だとか疑われているのかが分からないな。仕方ない素直に聞くか。
「滅びた事自体は知っているが原因は知らんな。強いて言えばこっからでも大爆発があった事は見えたな」
「そうだ、その大爆発は【血液魔法】で起こされた物だ。ここまで言えば分かるだろう」
成る程そう言う事か。確かに【血液魔法】は習得出来る者が少ない上習熟が難しい魔法だからな。疑うのも無理はないか。
「そう言う事ならもういっぺん言っとく。俺は知らないし凛も犯人じゃない」
「そうか。……疑って悪かった」
「まあ状況的に気にするなって方が無理だろ。気にしねーよ」
しかし【血液魔法】の使い手か、気になるな。部下に調べさせるか。
「ありがたい。それともういくつか聞きたい事があるんだが良いか」
「構わないが答えられるとは限らんぞ」
「そのぐらいは承知している。木崎 翔子を知っているな、現エッジ帝国皇帝だ。そしてシラン君の主である凛君のフルネームは木崎 凛 だ。これは偶然か?」
聞かれるだろうとは思ってたよ。まあ別に隠す事でもないんだがちょっと言い方には注意が必要だろうな。
「偶然ではないな、凛と翔子さんの間柄は親子だ、凛が娘で翔子さんが母親なんだがとある理由でこの親子の親子仲は最悪だからエッジの考えたような事はない。これで安心出来ないなら悪い理由も話すが少し話が長くなるから覚悟しておけよ」
「ふむ、一応聞かせてくれ」
「分かった。先ず凛には木崎 零って言う兄がいる、特に複雑な家庭環境もないから翔子さんから見れば息子だな。それだけならなんの問題もなかったんだが零さんは妹の凛に物凄く優しくて強かったから凛が成長して行くうちに凛は零さんの事が好きになって行ったんだ、だけど翔子さんは凛の恋心は認めなかったんだよな。まあ当然と言えば当然の事だが凛としては面白くない、だから凛は反発する。そうすると翔子さんとしても困る。でも認められないから策を講じて2人の仲を妨害する。そして凛は妨害するならこちらもまた妨害を妨害してやろうとする。そうするとまた翔子さんがって感じの事をループしてたんだ当然仲は悪くなるって訳だ」
そう言ってだいたいの説明を終えるとエッジは何やら難しい顔をしている。なにかミスったか?と思っているとゆっくりと口を開けた、
「…叔母の娘は要するに従兄弟になるな」
「はっ?」
「単刀直入に聞く。柿崎 アヤメを知っているか」
嘘だろ、なんで知り合いなんだよ。いやまあありえない事ではないがそんなのありかよ。仕方ない素直に言うか。
「知ってるぞ、凛の従兄弟だからな。そんな事を聞くって事は」
「ああ、知り合いだな。それで聞きたいのだが従兄弟同士の仲は良いのか?」
「良くないな、理由は2人の女が1人の男を好きになったからだな」
ぼかしたが十分に意味は通じただろう。
「成る程。こうも早く計画が頓挫するとはな、まあ修正できる内で良かったと考えるべきだろうな」
「その感じだと凛とアヤメを味方に付けて報復しようって魂胆だったんだろうがそれは難しいな、それに凛は今現在無理に翔子さんと事を構えたりはしない筈だ」
「そうなのか?アヤメ君は殺る気満々だったが」
「そこは法的に問題ないのに認められなかった怒りと法的にも問題があって認められない怒りとでは違うんだろうよ」
まあそれに嫌いでも母親だからな、そう言う部分もあるだろう。
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