兄妹仲良く気絶する
零視点
完食したぞ、もはや後半はいろんな感覚が薄れてきたから逆に余裕があったな。まあ食べ終わったし凛に一言言っておこう。
「ごちそうさま凛。美味しかったよ」
「ありがとうお兄ちゃん、でもそっちに私はいないんだよ」
「零君、私は氷花ね」
あれ?おかしいな凛だと思ったんだが?目にも来てるって事かな。
「いや、別に向いた方向に深い意味はない。そう言えば今日はみんなで集まるんだったな。行くぞ」
「お兄ちゃん大丈夫?フラフラしてるよ」
「寝不足なだけだ」
凛の料理のせいだとは言えるはずもないよなぁ。そんな事を考えていると氷花が俺だけに聞こえるように頭に直接話しかけてくる。
「【再生】が少しは効くはずね、だからあと2時間もすればきっと良くなるね 」
《ありがとう、て言うかこれって離れてても出来るんだな》
「距離的には300メートルぐらいが限界ね、だから同じ部屋の中なら余裕ね」
なるほど、もしかしたらいつか使えるかも知れないな。
「おい、俺は向こうを長時間開けるわけには行かないから戻るぞ」
「分かったんだよ。向こうの事は頼んだんだよ」
「向こうってどこ?」
俺がそう言うと凛が物凄い速さで
「2人ともちょっと作戦会議だよ」
と言って3人でどこかに転移して行ってしまった。
「あ〜、もしかして凛が取った国の事かな?いやもしかしなくてもそこだろうな。ダメだな、完全に頭が回らない。その上気が抜けたからか知らんがもう立ってられない、ごめん氷花。ベッドまで運んでくれ」
俺は氷花の「仕方ないね」と言う声を聞きながら意識を手放した。
シラン視点
いきなり凛に転移でラク王城に戻されたが、なんでこうなったんだ?
「シラン、なんであんな事言っちゃうのか分からないよ」
「落ち着け、なにがそんなにまずかったんだ?て言うか顔が真っ赤だぞどうした?」
「えっ、お兄ちゃんには私が魔大陸の王女だってばれたら恥ずかしいよ」
普通に初耳なんだが耳まで真っ赤にしてる辺り本気で恥ずかしそうなので機嫌を取ろうと思い話しかけようとしたら、となりでグリモアールが物凄い震えてる目に映る。
「あっ、あの凛様。言ってしまいました」
「?なにを言ったのか分からないんだよ」
「零様に凛様がラク王国王女だって言ってしいました!申し訳ありません」
おい、それはヤバいんじゃないか、主に凛のメンタルが。そーっと凛の顔を見てみると真っ赤な顔はそのままだったが目の焦点が合ってない。
「おい、大丈夫か?」
あっ、ダメだ気絶してる。これどうしたら良いんだ?いや逃げるか。
「じゃあなグリモアール。俺は仕事に戻るから」
「逃げるんですか。ひどいですシランさん」
「お前が蒔いた種だろ。自分でなんとかしろ」
最初からここに戻るつもりだったんだなんの問題もない。後ろから『鬼、悪魔、人でなし』と聞こえるが鬼以外はその通りだし、気にする事はない。いや、悪魔も広義で言えば鬼と言えなくもないし全部その通りだな。
アヤメ視点
「おい、起きろ」
「うわっ。なんだゴールドか、脅かさないでよ」
「全く、状況分かってんのか?」
状況?えっと、凛ちゃんに負けて気絶して、今まさに目が覚めた所だ。うん、バッチリなはずだ。
「心配されなくても分かってるよ。所でここはどこ?私の目が可笑しくなければ砂漠に見えるんだけど」
「分かってるのか?、まあいい。確認するぞお前は凛に負けて適当な場所に転移で飛ばされ今は砂漠にいるって訳だ。分かったか」
ふむふむ、つまり
「私達は迷子って事だね」
「まあいろいろ飛ばしてる気はするが、そう言うこった」
「でもまた【空翔】で道を見つければ1発だよ」
しかも凛ちゃんの性格を考えればここは零君からも凛ちゃんからも遠い所だろうし、さっさと行こう。
「おい、この世界じゃあ砂漠に素人がわかる様な道はないと思うぞ」
「なら、まっすぐ進んで砂漠を抜けるよ」
「そう上手くとは思えないんだがな」
そんな事ない、真っ直ぐ進めばいずれ砂漠を抜けられるはずだ。
「とにかく、行くよゴールド」
「まあこれ以上悪くなる事もないと考えれば悪くはないな」
「ゴールド、なんかネガティブじゃない」
そう言うと少し悩んだ様な仕草をしてから。
「少し、壁の高さを感じて卑屈にってたかもな」
「壁の高さ?」
ここは砂漠で周囲を見てももちろん壁はない。
「そうだ、武器として氷花を超えるのが俺の目標なんだがな。今回の凛との戦いでまだまだだと感じてな。でも、腐っても始まらないよな、ふっ。まさかアヤメに教えられるとはな」
ああ、壁ってそう言うやつの方ね。
「うん、なんとなく分かったけど、でもなんで凛と戦ったのに氷花との強さの差を感じるの?」
「凛の出した血の壁も壊せない様じゃまだまだなんだよ」
そうなんだ、氷花なら簡単に切れるの?無理じゃないかな。もしくは零君の実力におんぶに抱っこなんじゃない。
「おい、なにを他人事みたいなツラしてるんだ、アヤメの実力が上がればきっとあの壁も壊せたぞ」
「私が強くならっても別にゴールドが強くなった訳じゃないからね」
「おいおい、零を超えてみたいと思はないのか」
零君を超える?無理じゃん。
「ああ、なんか今になってようやく、ゴールドの言ってる事理解出来たよ。それはあのロリッ子に負ける様じゃダメだしネガティブにもなるよね」
「今更かよ。まあ、それがお前らしさかもな。気を取り直して真っ直ぐ進むぞ」
まあゴールドが元気になったし良かったのかな。
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