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兄としてここで退くわけにはいかない

零視点


俺は今追い詰められている。仕方がないこうなったらどうしてこうなったか考えるべきだ、先ず最初から運が悪かった、その上読みを外したのも痛かった……いやどっちにしろもう遅い、もはやどう足掻いた所で俺に勝ちはない。それを証明するかの如く相手は勝ちを確信しきった顔をしている、ここまで来たらもう相手がなにかミスをするか己の勝ちを疑わないが故の舐めた事でもしてくれない限り俺はここで終わる、そして無慈悲にもその言葉は告げられる。

「396ね」

「負けた」

「最初から2ヒット1ホームランを出した私に負けはないね」

そうだよな、やっぱりきついよな、はぁ付いてないな。

「お兄ちゃん遅れてごめんね、朝ごはん出来たんだよ」

「零さん、久しぶりですね。ああ、俺は悪魔のシランです。シランって呼んでください、俺は零さんの事は知ってるんで自己紹介は良いですよ」

「零様、申し訳ございません」

おっと、泣きっ面に蜂って所かな?それに2人とも目が死んでるよ。それとは関係ないがシランには確認しておきたい事がある。

「シランが凛が連れてる悪魔か?」

「そうですね」

「シラン、なんで使役者の私に対してよりもお兄ちゃんに対しての方が言葉遣いが丁寧なのか昔から気になってたんだよ」

そうなのか?てっきり執事みたいな格好してるしグリモアールみたいな感じかと思ったんだが。

「丁寧な言葉遣いをして欲しかったらもう少し尊敬出来る所を作れよ」

「む〜。シラン、後で覚えてるんだよ。まあ今は朝ごはんだよ、さあお兄ちゃん、遠慮なく食べるんだよ。料理名は『凛ちゃん特製鮭の塩焼きスペシャル』だよ」

なるほど、俺の好きな食べ物か。それに鮭の塩焼きならせいぜい塩っぱくなるか焦げるかだから安全と言えるな。口には出さないが俺はそんな事を考えていると目の目に虹色の切り身が出てくる。【空間支配】のスキルかな?いや、現実逃避している暇はない。

「珍しい色をしているな」

「うん、最初は赤かったんだけど、料理している内に虹色になったんだよ」

甘かった、よく考えれば凛が俺の好きな食べ物である鮭の塩焼きを作るのが初めてな訳がない、それに大丈夫なら2人の目は死んでるはずはないし、なによりグリモアールが『申し訳ございません』なんて言うはずがない。まあいい、わかっていた事だ。

「いただきます」

「召し上がれ〜だよ」

くっ、良い笑顔だな。俺はそんな笑顔が曇らない内に()()で食べる。グリモアールが『無茶です』と言った様な気がするがそれどころではない、なにせ口の中で凛ちゃん特製鮭の塩焼き?スペシャルが駄菓子屋の飴の10倍は爆発してるからだ、その上恐ろしい程に味がない。これにより確かに口の中に食感あるにも関わらず味はないと言う形容しがたい気持ちの悪い感覚を引き起こす。だがしかしいう事は一つだ、俺は飲み込んでから凛に言う。

「今まで食べた事ない感じで美味しいよ」

「フフン、さあみんなも食べるね」

そう凛が言うとテーブルと3人分の椅子そして凛ちゃん特製鮭の塩焼きスペシャルが既にあった俺の前と凛の席以外に出る。

「私に遠慮せずみんなで食べるんだよ」

グリモアールとシランが死刑囚の様な希望などない、と言わんばかりの目で席に着く。さて俺も他人事ではない、さあ二口!なん、だと、バカな。これは、遅効性の酸味だと。あれ?凛が見てる。退路はないという事か、なに今度は味があるだから気持ちの悪い感覚は起きないはずだ。いざ二口目。

「パク」

あれ?俺しか食べてない?それに酸味が増しただと!違うこれは遅効性の酸味じゃないただ単に酸味が人間の許容量を超えていて認識されていなかっただけだ!

「凛様、今日は少し具合が悪いので朝ごはんは遠慮させて頂きます」

「凛ちゃん、ごめんね私お腹が痛いね」

「む〜、それなら仕方ないんだよ。でも氷花ちゃんって私が料理作る時っていつも具合が悪い気がするんだよ」

凛、それで良いのか?お前騙されてるぞ。

「その俺はもう朝飯食ったんだ悪いな」

シラン、お前もか。

「う〜」

くそ、こうなったらあれしかない。俺は一気に凛ちゃん特製鮭の塩焼きスペシャルをかきこむ。

「凛、お代わり」

「ちょうど余ってたんだよ、はいだよ」

そうだ。兄には無謀と分かっていても退けない時がある。



グリモアール視点


やってしまいました。あの時は一緒に逝くから許してくれと言ったのにも関わらず虹色の鮭のインパクトについつい仮病を使ってしまいました、先ほどから零様が食べるたびにバチバチと音がなっていますが一体なんの音なでしょうか。そんな事を考えているとふとシランさんに肩を叩かれる。

「そう落ち込む事はない、あの料理を食ったらまともなやつなら一口でブッ倒れる。それにあいつの料理には生物が本能的に恐るオーラみたいなのを纏ってるからな」

「それを食べて零様は大丈夫なのでしょうか?」

「そうだな、今までは大丈夫だった、とは言え4人前は初めてのはずだ」

零様は大丈夫なのでしょうか?心なしか目が虚ろになってる気がします。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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