バトル漫画の服は頑丈
凛視点
あの年増、硬いんだよ。本来ならさっきの鳩尾への一撃で気絶させるつもりだったのに手ごたえ的にノーダメージなんだよ、あんまり飛ばすと城が大変な事になるしさっさと血の壁で受け止めて、と言うか血の壁に叩きつけるんだよ。…やっぱりピンピンしてるんだよ、多分なんか種があるんだよ。
《グリモアール、あれはどう言う仕組みか教えて欲しいんだよ》
「アヤメの硬さを言っているのであれば、あれは単純に頑丈なだけです。あるいはあの硬さが彼女の特殊なスキルの力なのかも知れません」
《ここでこれ以上威力のある攻撃をしたら城が崩壊しかねないんだよ。まあ移動すればいい話とは言え面倒なんだよ、それにお兄ちゃんの朝ごはんも作らないといけないし早く終わらせたいんだよ》
飽きもせず【血液魔法】で作った壁を熱心に殴っているアヤメを移動させるのに最も単純な方法は私が移動する事だよ、この感じなら私が移動すればまず間違いなくついてくるんだよ。でも時間がかかるし城下町を暴れるアヤメを従えて城下町の外の人がいない所まで誘導するのはごめんなんだよ。
「ゆえに【空間支配】だよ」
これなら1発で隔離出来て時間短縮になってお兄ちゃんの朝ごはんも一品増える事間違いなしだよ。
「さてと、これでも食らうんだよ」
今度は【血液魔法】で巨大な腕を作ってアヤメをぶん殴る、 避けれないのか避けないのか分からないが血の腕はアヤメに当たり吹き飛ばす、けどやっぱり効いてないんだよ。
「はぁ、はぁ。少し、落ち着いた」
「今の一撃でその程度の衝撃しかないとかどれだけ硬いのか聞きたいんだよ」
「手の内を教える訳ないじゃん、でもその程度のしょっぱい威力じゃ一万年かけても私は倒せないね」
落ち着いたって言いながら思いっきり殴って来るのは訳分からないんだよ。て言うか正気に戻ったなら襲うのをやめて欲しいんだよ。
「落ち着いたなら攻撃を止めるべきだと思うんだよ」
「衝撃で錯乱状態からは立ち直ったけど恨みが消える訳ないでしょ。大人しく切られて」
「大人しく切られる訳がないんだよ。まあいいんだよ、そっちが襲うのをやめないならば当初の予定どうり気絶して貰うだけだよ」
そう言うと何がおかしいのかアヤメがニヤリと笑った、
「出来るものならどうぞ」
「む〜、その自信がどこから出てくるのか分からないけど舐めてると痛い目見るんだよ」
そう言って普段の様に硬化させていない液体のままの血液をアヤメの顔に付ける。これでアヤメは呼吸が出来ないのでいずれ気絶するはずだ。いくら頑丈なアヤメでも息が出来なければ気絶するはずだ。
「ガボッゴ、ガボボガボ」(ロリッ子、卑怯だぞ)
「なにを言ってるか分からないから日本語で話して欲しいんだよ。あと私はロリッ子じゃないんだよ、年増」
「ゴボボガボガッボ。ガボ、ガガボガガガボ」(聴こえてるじゃん。あと、誰が年増だ)
ガボガボ文句を付けながらもしっかりとこっちを攻撃して来る辺りまだまだ余裕がありそうだよ、どの位呼吸をさせなければ気を失うか分からないけど殺さない様にしないといけないんだよ。理由はお兄ちゃんは私の事を忘れてたけど私の事を見て大事な妹だと思ったって事は、アヤメを見て大切な従兄弟だと思う可能性があるんだよ。その時に「殺しちゃった」なんて言ったらどんな反応をされるか分からないんだよ、もしも嫌われたりしたら………これ以上は考えたらいけないんだよ。
「ごちそうさま。最悪の味だった、それと戦闘中に考え事なんてしてたら死んじゃうよ」
「しまっ
「死ね」
アヤメ視点
顔に付いた血は液体なので掴む事も出来ずぴったり顔に付いてくるのでどうしようもないかと思ったが飲み干せばどうという事はなかった、と言いたいが顔に付いていたのは血だから味は当然血の味だったので最悪の飲み心地で気分が悪くなった。しかし凛ちゃんが目の前で隙を晒しているので声をかけて切り裂く、手ごたえは余りなかったがしっかりと胴体を袈裟斬りにしたので問題なく倒せたはずだ、でも
「なんか嫌な予感がするな」
「そうか?今のは幻覚でも偽物でもないしもちろん避けられてもない、それで相手は真っ二つなんだ。何の問題もないだろ」
「さすが年の功、大正解だよ、私がその程度で死ぬと思ったら甘いんだよ」
少し離れた位置から凛ちゃんが話しかけてくる。予感は当たったものの自分が切り裂いた人間がピンピンしてると違和感しかない、しかも服にさえ傷一つないと来ている、
「幻覚?偽物?でもゴールドが違うって言ってた。じゃあ一体どう言う事?」
「手の内を教える訳ないんだよ、なんて心の狭い事は言わないんだよ。単純に切られてから再生しただけだよ」
「切られてから再生したって、完全に人間辞めてるよね。それに仮に再生したとしても服まで治ってガボガボガガガボ」
最後まで言わせないとばかりに血が集まってくる、しかも今度は顔を覆う程度では無く巨大なドームになるレベルで血があるので飲み干す事も出来ないし、当然泳いで逃げる事も出来ない。
「戦闘中に考え事なんてしてたら死んじゃうんだよ、それだけあればいくらアヤメでも飲み干せないんだよ」
数分後結局なにも手が思い付かず『ロリッ子は化け物だ』と思いながら意識を失った。
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