一難去ってまた一難
最後まで読んで頂けたら幸いです。
凛視点
私がお兄ちゃんをものにできるまでもう少しな気がするんだよ。前はあんなに行き詰まっていたのになんでこんなに上手く行くのか疑問なくらいだよ?もしかして
「お兄ちゃんは記憶をなくしてるて言うのは聞いたけど私の事はどの程度覚えてるのかテストするんだよ」
「急にどうした。さっきまで楽しそうにニコニコしてたのに急に真面目な顔して」
「煙に巻こうなんて甘い考えは捨てるんだよ、第1問。私の誕生日はいつか答えるんだよ」
あっ、その顔は答えられないって顔だよ。でもそれ以上に困ってる気がするんだよ?
「別に忘れてても怒ったりしないから正直に答えるんだよ」
「『怒ったりしないから』は絶対怒るやつだろ。まあ仕方ない、いずれバレる事だ。ごめん、覚えてない。凛の誕生日はいつなんだ?もちろん盛大にお祝いしような」
怒ったりはしないがこれは結構堪えるんだよ。
「9月13日だよ、プレゼントは心のこもったプレゼントを期待するんだよ。第2問。私の好きな食べ物はなにか答えるんだよ」
「ごめんな、覚えてないんだ。お詫びと言ってはなんだが今度作るぞ。これでも料理スキルはレベル3だから美味しいものを作れると思うんだ」
「コロッケだよ、ひき肉多めで頼むんだよ。第3m」
「凛ちゃん、そろそろ私は眠いね。早く部屋に戻って寝たいね」
「凛様、今日はいろいろとあってお疲れではないでしょうか?疲れと言うのは感じなくとも以外と溜まってるものですよ」
これが不毛な事ぐらい気付いてるんだよ。
「第3問。私の好きな色は何色か答えるんだよ」
「悪い。覚えてない」
「黒だよ」
それでも一つぐらい答えてくれないと止まれないんだよ。
「第4問。私の好きな本を答えるんだよ」
「覚えてない」
「凛様、そんな事を聞いても誰も幸せにはなりません」
分かりきってる事だよ。
「第5問、私の好きなゲームはなにか答えるんだよ」
「悪い」
「凛ちゃん、もうやめるね」
忘れちゃうのは大した事じゃないからだよ。
「第6問。私が連れてた悪魔の名前はなにか答えるんだよ」
「すまない」
私はお兄ちゃんに取っては何もかも忘れちゃう様な軽い存在だったんだよ。
「第7問。私の特技を答えるんだよ」
「…魔法」
それがこっちで再会してからの記憶から考えたって事ぐらい分かるんだよ。
「第8問。私との地球での思い出を一つでも良いから上げてほしいんだよ」
「………」
そうなってほしくはなかったんだよ。
「第9問。私はお兄ちゃんに取って何なのか答えてほしいんだよ」
「大事な妹だ。それだけは間違いない」
そんな訳ないんだよ。
「第10問。なんで何も覚えてないのにそんな事が言えるのか分からないんだよ」
おしまいなんだよ。
零視点
兄の勘なんだがそうは言えないよな、後悔しても仕方ない。それにどんな質問が来ようと凛の事を忘れてた俺が逃げる訳には行かない。
「そうだな、正直に言うと俺も理論的に説明は出来ないな。凛には言ってなかったけど記憶を失ってすぐは自分の名前すらわすれてたんだ、もちろん凛の事も忘れてた。と言うか今もなに一つ思い出してなくてな自分の名前も凛の名前も氷花に聞いたんだ。そんな俺でも幾つか懐かしさを感じた事もあるんだ。例えば『1人で眠れない子と一緒に寝たり』『凛を抱っこして移動したり』なんて事がそうだな。あと幾つか確信を持ってできる事も言える事もある。抜刀術とか刀術、そして凛が大事な妹だって事もそうだな。まあ長々言ってきたが結局分からないんだよな悲しい事に。でもな、最後にこれだけは言わせてくれ。もし凛が妹じゃなくても凛は今の俺に取って大事な人だ」
やばい。なんか途中から凛が俺の服を思いっきり掴んで泣き出したんだよな。これはまずいかな、『お前なんかお兄ちゃんじゃないんだよ』とか言われたらどうしよう。
「グスッ今日も私を抱っこで宿まで運んでから1人で眠れない妹を寝かしつけて欲しいんだよ。あと私はお兄ちゃんの妹だから記憶がなくてもいつまでも一緒だよ」
「もちろんだ。言っただろ凛が望む限り一緒にいるって」
「うん、でもいつか記憶は取り戻すんだよ」
これは記憶は取り戻すしかないか。まあ元より氷花と取り戻すって約束したしな。
「そうだな。氷花も記憶を取り戻すべきだって言うし、今回の騒動と騎士団への説明が終わったら本格的に動き出すか」
「うん、所でどうして記憶を失ったのか気になるんだよ」
ん?グリモアールは知ってのに凛は知らないのか?
「零君、もう宿ね。話しはここまでにするね」
「凛様、さっき言った事は凛様を止めるための発言でしたが事実でもあります。宿に着いた事ですし今日はもう休みましょう」
「2人とも露骨すぎるんだよ」
知らないって事は凛は俺がどうして異世界に来たと思ってるんだ?待て。確かあの時凛は『でもお兄ちゃんを傷付けるやつがいると思うと破壊衝動が抑えられないんだよ』って言ってたよな、そんな凛に俺が地球で一回殺された事を伝えたらどうなるんだ?
「凛ちゃん落ち着くね」
「凛様、取り乱さないで下さい」
「落ち着くのは2人の方だと思うんだよ」
確かな事はろくな事にはならないって事か。
最後まで読んで頂きありがとうございます。




