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手のかかる妹ほど可愛い

最後まで読んで頂けると幸いです。

俺が虚しさを感じている内に元の空き地に戻ったらしく、気がついたら空き地にいた。どうやらフレイムとジャミさんはもういない様だ。

「お兄ちゃん。元の空き地に戻ったんだよ」ジー

褒めて欲しいのかな?まあものすごく分かりやすいしまず間違いないだろうがこうも露骨だとからかいたくなる気持ちが出てくる。

「なんだ、顔になにか付いてるか?」

「そんな事はないんだよ」ジー

「じゃあなんでそんなにこっちを見てるんだ?」

やべえ、なんか超楽しい。

「私、自分の策を犠牲にしてまで頑張ったんだよ。やっぱここは頑張ったお嫁さんにはご褒美が必要だと思うんだよ」

うーん、前ディアレストの事を解決した時は最初からストレートに来たのになんで今回は最初から来なかったんだろう?閉じ込めた罪悪感かな?まあ聞くものじゃないな、ただの気まぐれかも知れないし。

「さすが凛だ。頼りになるな」ナデナデ

「へへへ〜」

「凛様。聞こえてないでしょうが騙されてますよ」

いやいや別に騙してはいないだろ。

「零君。それで良いのね」

「良いも悪いも監禁される訳には行かないからな、これしか道がなかったんだ」

そう、これで良いはずだ。でもなんかヒモにでもなった様な気分がするのはなんでだろう。大蛇討伐の報酬で懐は暖かい、ちゃんと自分で稼いだ金だ、つまり俺はヒモなダメ男ではない。

「本当にそうね?」

あの状況で他にどんな手があったと言うのか?

1凛を満足させる。アウトでしかない。

2凛を殺す。論外だ。

3やはりこれしかない。現実は非情である

どう考えても3一択だな。よしスッキリした。

「当たり前だ。あの状況でではあれが最善だった。さて、フレイムとジャミさんを探すか」

「そんなの私の魔法で1発だよ」

そう言いながら凛は手を上に向けて流れる様に一点を指差した

「あっちだよ」

「早くね、手を上に向ける意味あった?今、ほとんど向けるのとほぼ同時に指差したよね。だいたいにしてそっちに道はないんだけど」

「道はないけどこっちにいる事は間違いないんだよ、それに早いのはそれだけ即効性のある凄い魔法って事だよ?」

まあ確かに結果が早く出るのは良い事だが、

「つまり道は分からないという事か?」

「道が分からなくても転移なら問題ないんだよ。さあグリモアールは本に戻って、氷花ちゃんも日本刀に戻って、そしてお兄ちゃんは私が抱っこするんだよ」

ドヤ顔をかましながらでも何気に俺を抱っこしようとする辺りブレないな。

「分かったね」

「了解しました」

「俺だけどう考えても身長的に無理があるんだが」

俺の身長は約180㎝対して凛の身長はどう贔屓目に見積もっても160㎝ない。これでどうやって抱っこするのだろうか?もっとも兄として妹に抱っこされる気は毛頭ないのだが。

「大丈夫だよ。私は空を飛べるから身長なんて些細な問題だよ」

なぜかまたドヤ顔をしているがその隙に【神速】を使って凛の後ろに回って抱き上げる。

「そうか、まあ参考に聞いただけで抱っこされるつもりはないがな」

「む〜、せめて逆向きでお願いするんだよ」

向きってそんなに大事か?まあ無意味に機嫌を損ねる理由などない。一旦降ろして向きを変えて抱き上げる様とすると、

「スキありだよ」

と言って俺の頭に手を回そうとするが多少隙をついた程度であっさり捕まるほどドジではない。

「後衛の凛が前衛の俺をそう簡単に捕まえられる訳がないだろ」

そう言って今度こそ凛を抱き上げる。

「む〜〜、ムードがないんだよ。まるで聞き分けのない妹を抱き上げるかのごとくなんだよ」

「ごとくじゃなくてその通りだろ」

「私はもう20歳なんだよ。そもそもお兄ちゃんとは2歳しか違わないんだよ、そこまで子ども扱いされるとなんか新しい性癖に目覚めそうなんだよ」

凛はこれ以上属性を増やしてどこに行くつもりなんだろう?て言うか

《なあ氷花。昔の俺はこの妹をどうしてたんだ》

「昔は『凛が俺を好きだと言ってくれるなら兄冥利につきるんじゃないか?』とか言っていたね。と言うか今と大して変わらないね、妹に甘々なお兄ちゃんだね」

なるほど、今でも俺は記憶がなくても不思議と凛を大事な妹だと思っているが昔の俺も当然凛に甘かったのだろう。言われてよくよく考えれば今も甘いか。監禁されてもぜんぜん怒ってないし、今だってなんだかんだ言って抱っこしてるしな。

「心配しなくても凛は俺の大事な妹だよ」

少し脈絡がなかったか、でもまあ言いたい事は言える内に言っておくべきだよな。

「と、当然だよ。でもそこは『愛するお嫁さん』が良かったよ」

全く、困った妹だ。

「ああ、愛する妹だよ」

「〜〜【転移】」

景色が切り替わって家と家の間の場所に出る。

「降りないのか?」

「私は疲れたんだよ。もうしばらくこのままでいたいんだよ」

「仕方ないやつだな、もう20歳なんじゃなかったのか?」

「幾つになっても私はお兄ちゃんの妹なんだよ。甘える権利があるんだよ」

「妹としてならいくらでも構わないぞ」

そう言って家と家の間から抜け出すため凛を抱っこしたまま歩き出した。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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