妹に勝てる兄はいない
最後まで読んでいただければ幸いです。
「は〜、なんか毒気を抜かれるな」
「凛様、さすがにこの状況で大見得切っておいてそれはないと思います。まあ凛様らしくはありますが、そうですね状況としましては、私が買った龍刃ディアレストが盗品でそれもこちらにいる、、、申し訳ありませんお名前を伺ってもよろしいでしょうか」
そう言えば自己紹介してなかったな、なんか前もこんな事があった様な、
「まだ名乗ってなかったな、レオ フレイムだ」
「あー、ジャミだよろしく」
「蚊帳の、外な、ウロボロス」
「木崎 零だ」
「氷花ね」
「お兄ちゃんの愛する妹にして奥さんの木崎 凛だよ」
「魔道書グリモアールでございます。以後おみしりおきお。本当はもう一名紹介したい方がいらっしゃるのですが現在おりませんので後日改めて紹介したいと思います」
これだけの人数で自己紹介するとなんだか訳分かんなくなって来るな。
「グリモアール、だいたい事情は読めたから説明は要らないよ。つまり、グリモアールがそこのフレイムにディアレストを返せば万事解決だよ」
「おっ、さすが零の妹だ分かってるね」
相変わらずフレイムは安いな、それで良いのか?
「安い、男、フレイム」
「それでよろしいのですか。凛様」
「当たり前だよ。お兄ちゃんに頼られたんだよ、私の出来る最速で最高の結果をあげなきゃダメだよ」
なんか俺の妹はダメな方向に成長している気しかしないんだが、こっそり氷花に聞いてみるか。
「なあ氷花、凛ちゃんって前からあんな感じなのか?」
「そうね。見た目はともかく中身は変わってないね。あと、凛ちゃんじゃなくて凛って読んであげたら喜ぶね」
そんな事を話している内にあっちの方も話がまとまったらしくグリモアールがディアレストを出してフレイムに渡している。
「お兄ちゃん、私は頑張ったんだよ。ここは奥さんを労うのも夫であるお兄ちゃんの務めだよ」
まあ、夫ではないが頑張った妹を褒めるのは兄の務めと言えるだろう。
「よく頑張ったな」
ナデナデ
これで良いのかな?うん良さそうだね、すごい幸せそうな顔してるし。
「あー、木崎、近親婚は異世界でも禁止だぞ」
「そんなつもりは全くないよ、でもまあ頑張った妹を褒めるのも兄の務めかなーと思って」
「幸せだよ〜。これはお兄ちゃんが私と結ばれていた事を思い出すのもそう遠くないよ」
そんな事実はないだろう。
「凛ちゃん。零君には私がただの妹って言ってるから違う記憶を刷り込むのは無理ね」
「氷花ちゃん、それじゃあ私が記憶喪失に付け込んでお兄ちゃんに間違った認識を植え付けようとしてるみたいだよ」
「いやー、みたいじゃなくてその通りだろ」
全く持ってその通りなんだが、今はそれは置いておいて良いだろ。
「みんなあっちで人が待ってるんだからその話は後にするぞ。どっち道俺がその誤情報を刷り込まれる事はないから最悪無視でも問題ないだろ」
「いや別に話してて良いぞ、ディアレストも戻ったしみんなを自警団の詰所に連れてくだけだからな俺1人でも十分だ」
そうか?なんかフラグにしか聞こえないんだが、まあ大丈夫か。
「うーん、なんか不安だけど大丈夫かい」
「ねえ、待ってる人って誰なのよ」
「ああ、俺が捉えられた地下牢から逃げる時に一緒捕まってた人を助けたんだ」
「そんな事をして報復を受けたらどうするんですか」
その辺に関してはあんまり考えてないんだよね、刺客とかが来るならともかく毒殺とかはかなりまずい。その上相手が何者かも分からないし、あれ、もしかして結構絶望的。
「うーん、正直な所何も考えてないんだよね、そんな事を考える間も無く助けて来たバカがいるから」
「何を言うんだ、困っている人を助けるのは当たり前だろ」
「良い人だな」
「良い人ね」
「あー、良い人だな」
「良い、人」
「良い人だよ」
「良い人ですね」
「なんだよ、その『成り行きでて助けただけだろ』的な目は」
お察しの通り疑ってるだけだよ。
「まあ、ともかく俺達は誰かを守りながら戦うのは得意じゃないし、さっさとあの人達は自警団に任せるべきだろ」
「んー、そうだね。いつ襲われるか分からないし、それが妥当なラインだね」
「ああ、任せとけ、直ぐに終わらせる」
なんかまたフラグ立ててないかフレイム。
「まあ、お兄ちゃんを襲おうと言うのなら私が根絶やしにするんだよ。だからお兄ちゃんは安心して良いんだよ」
「そんな無理はしなくて良いんだぞ、敵が来てもアッサリと負けるつもりはない」
妹に裏組織の破壊を頼むような情け無い事はしない。
「でもお兄ちゃんを傷付けるやつがいると思うと破壊衝動が抑えられないんだよ」
「俺はそんなに心配される程弱くないぞ」
「恋する乙女として好きな人を傷付けるやからは許せないんだよ」
「分かったからその殺気は抑えろ、みんな引いてるぞ」
まあ、みんなって言ってもジャミさんとウロボロスちゃんとフレイムしかいないんだが。
「じゃあ勝負して欲しいんだよ、勝ったら私はお兄ちゃんのお嫁さんだよ。負けたら私の事を好きにしてよ」
なんかどっちも恍惚としながら言ってるあたり、どっちに転んでも凛の得になる様な気がするが、やっぱり記憶がなくても兄は妹にお願いされたら断れない様だ。
「じゃあ、やってみるか」
最後まで読んで頂きありがとうございます。




