ボスを倒す前に『やったか?』って言うやつを倒すべき
主人公以外の視点から始まります。
最後まで読んで頂けたら幸いです。
組合長視点
大蛇が新たに8本の頭を出してからしばらく全力で逃げていたが、まるで大蛇が追って来ない。後ろを見ると何者かが大蛇を食い止めているらしい。それと同時に大蛇の方へ[地震の斧]のメンバーが向かっているのが見えた。
「そうだ、まだ戦っているものがいるのに私が逃げてどうする。私は組合長、元Sランク冒険者だろう」
私は急いで[地震の斧]を追って行った。
私は[地震の斧]のメンバーに追いついたので声をかける。
「ありがとう。君たちのおかげで正気に戻れた、いくら勝ち目がなくても組合長としてただ叫びながら逃げるのは正しくないよな」
[地震の斧]のメンバーは全員おどろいていたが、少しすると、リーダーのグランが、
「いえ、私は冒険者として町を守りたいだけです。まずは、あの丘に行って様子を見ましょう」
丘の上からは戦いの様子がよく見えた。そして思い知る。
「無理だ。私にはとても入れない」
レベルが違う。全盛期でも入れるかどうかのそんなレベル、衰えた私が行っても間違いなくお荷物でしかない。
「仕方ありません組合長。私達は様子を見てますからその間に組合長は助けを呼んで来てください」
おそらくそれが正しい。助けを呼ぶ当てなどないがただここで見ているより意味があるだろう。だが、ここは上に立つものとして失格かも知れないが私の勘を信じるべきだと思った。
「いや、私はここに残る。私がここで最後まで結果を見守る」
彼らと大蛇の戦いは少し彼らが押しているが大蛇の回復力が高くこう着状態だ。いや、こう着状態に出来ている事が異常とも言える。なぜなら相手は伝説の魔物なのだ、本来ならSランク冒険者を集めて対応するのが正しいのであって、Aランク冒険者1人と元Aランク冒険者の組合職員と異世界人のGランク冒険者の三人で相手をするものではない。だが彼らは三人で戦っている、特に木崎君は大蛇の頭を1人で五本相手取って一歩も引いていない。フレイム君とジャミ君も連携し4本の頭を相手取っている。
「彼らはすごいですね」
一緒に横で見ている[地震の斧]リーダーが思わずと言った風につぶやく、他のメンバーも全員食い入るように見ている。
遂に大蛇が倒されるその時が来る。そして、つい、口から言葉が出る。
???視点
思っていたより事が上手く運んでいますね。このままなら私がアレらを総取りにする事ができそうです。ただ、彼らの想定以上の強さは気にかかりますが私たちには勝てないでしょう。それと、あれは邪魔ですね、排除するべきでしょう、問題はタイミングですね。
零視点
戦いは何とも言えない状況だった。俺もジャミさんもフレイムさんも大蛇の頭をどんどん倒してはいるのだが、高速で回復する大蛇に決め手を欠いていた。
「こう言うやつを倒す方法知らないか」
何かないかと2人に聞いて見る。
「この手のヤローは一気に全部の頭を倒すか、弱点を叩くか、回復出来なくなるまで叩くかだな」
俺もジャミさんもフレイムさんも余裕がありそうだが早くけりがつくならそちらの方が良い。
「じゃあ、一気に消し飛ばすか」
俺は【神速】を使って一気に9本の頭を潰す。この【神速】使うと擬似的に時間が止まって感じるくらいに早くなるので、9本の頭を潰すぐらいは容易い。
「おー、木崎さすがー。でも回復してるねー」
ジャミさん余裕だな。まだなんかスキル隠し持ってるんじゃないか?
「チッ、やっぱ弱点を探さないとダメか」
うーん、俺のスキルってどうにも刀を使う前提でスキルが仕上がってるんだよな。だから氷花なしだと、かなり力が落ちる。
「ねー、何で剣を抜かないの」
「ジャミさん、これは剣じゃない日本刀。刀だ」
「いや、そこじゃねーだろ。何で抜かないかって事だ」
全員余裕があるので回復しなくなるまで叩くのもありかもしれない。
「事情があって今抜けないんだ」
「むにゃぁ〜」
いつになったら起きるんだ?
「ねー、鞘に納めたままでも素手よりは良いんじゃない」
そうか、ちょっと氷花には悪いが確かにそうだ。
「ジャミさんありがとう。それじゃあ、行くぞ」
俺は大蛇に向かって振り下ろしの一撃を放つ、今までイマイチだった【身体強化】や【気功】なぜか【体術】までが、しっかりとあるべき所にはまって100%の力が出る。そのため、一発で大蛇の頭はミンチになった、さらに
「零君ひどいね。いくら寝てたからって、鞘ごと打ち付けるなんて鬼畜ね」
氷花も目が覚めた様だ。
《ひどいのは氷花だろ、今回は余裕を持って対処出来る相手だから良かったものの下手したら死んでたぞ》
「あっ、ヤマタノオロ、、、クマタノオロチね一本切ってあるべき姿に戻すね」
氷花、まだ寝ぼけてるんじゃないか?
「まあ、一刀両断して見るか」
俺は今度こそ氷花を抜いてから、切り上げの斬撃波を放つ。
「おー、真っ二つ」
「すげーなおい」
「やったグフゥ」
組合長また『やったか?』って言いかけたよな。止めるためとは言え刺すのはやり過ぎだろ、グランさん。
冒険者のランクですが、実はちょっと当てにならないシステムだったりします。
改善点、要素があったらお願いします。




