怪我は直ぐに消毒と止血をしよう
1月中はバタバタしてるので当分は前日の前書きに何も書いてなければほぼ毎日更新になります。更新頻度は出来れば上げていきたいです。
零視点
葉炎から白々しい昔話を聞かされたのだが、どうにも1つ腑に落ちないことがある。
「なあ、作戦成功してないか」
「作戦成功?なんのことじゃ?」
「もう面倒だし姉とか妹とかごまかさずに言えば。葉炎が対妖怪の為に作られたなら妖怪は倒せてるんだから目的は達成してるよな」
「まあそうじゃな」
だよな、だとしたら
「失敗作って言われる謂れはない気がするんだけど」
「そうじゃな、その辺はちと複雑でな、まあきっかけは諸所の議論を経て妾たちが元々人間じゃったことや対妖怪の為に作られたことは秘匿されることに成ったことじゃ。まあ目的としては再度人から刀を作るようなことをする人間が出るのを防ぐためじゃな。そうなると当然元々の制作思想であった『妖怪を倒す為弱い者でも戦える様に作られた武器』と言うのが成り立たなくなる訳じゃ、そこで妾の制作思想が『弱い者でも戦える様に作られた武器』と言う部分だけ残った訳じゃ。まああまり変わってはおらんのじゃが1つ問題があったのじゃ、元々妾はこの妖怪を野放しにすれば世界が滅びるかもしれぬ、と言う程強大な妖怪を倒すための特攻兵器みたいなもんじゃった、じゃが新しく変わった方では弱い者でも戦って生き延びることができる様に作られた様に成ってしまったのじゃ。つまり、元来の制作思想が『決死隊』じゃったのに新しい制作思想では『弱者救済』に成った訳じゃ。その為新しい制作思想しか知らぬ者から見れば制作思想は果たせなかった失敗作となる訳じゃ」
えーっと、つまり3行で纏めると
・人から刀を作るってのはまずいよね、隠そう。
・葉炎の制作コンセプトも変えとかないとね。
・制作コンセプト達成できてない失敗作じゃねーか。
こんな感じか、だったらさあ
「結局失敗作じゃないじゃん」
「そうじゃな」
「いや、『そうじゃな』じゃねえよ、お前それが原因で氷花嫌いなんだろ」
なんか葉炎の反応が変だぞ。
「はて?いや、本当は違ってもそう言われるのは辛いんじゃぞ?」
「疑問系に成ってるぞ」
葉炎にそう言うと葉炎は本格的に頭を抱え出した。明らかに普通じゃないと思ってると、氷花がスッと近ずいて来ると頭を『頭を下げて』と言う感じでジェスチャーをして来たので素直に下げると
「ねえ零君、この様子だとお姉ちゃんは思考誘導系の魔法をかけられたのかもしれないね。まあ、最初っから怪しいと思ってたね、お姉ちゃんが私を嫌ってる筈なんてないって分かってたね、それに、
「氷花、嬉しいのは分かるけどどうすればそれは解けるんだよ」
「フフン、こういう時こそ私を使うね、【幻斬】は魔法だって切れるね」
いや、それは知ってるよ。凛の魔法だって切ったことあるし、でも
「それって葉炎まで真っ二つになる気がするんだが」
「腕あたりを優しく切れば大丈夫ね」
ふーん、まあ腕を少し切るだけなら死にはしないだろうけど、あっ、ついでに【操氷】で止血と痛み止めもしておくか。
「それじゃあ、行くぞ」
正直言って葉炎の姿って目の色が赤い以外は氷花にそっくりな上頭を抱えて苦しんでるから目が見えなくて余計にそっくりだから切るのはかなり気がひけるけどまあ血も出ないくらいに浅〜く薄皮を切るぐらいで大丈夫かな?いや、やっぱり心配だし縫わなくて良いぐらいは切っておこう、切る場所は右腕で良いだろ、場所的に切り易いし。集中して…………良し完璧だ。
「これで魔法が切れた筈ね」
「おい、本当か?確かに手応えはあったが今度は蹲っちゃったぞ」
「そのまま、妾の首を飛ばして欲しいのじゃ」
あっ、自分のやったことはしっかり覚えてるんだ。
「気にすることないねお姉ちゃん」
「そうだな、魔法の所為なんだから気にしないよ」
「零君は1回死んでるんだからちょっとは気にした方が良いね」
そうか?どうせ俺その前にも1回死んでるし、死んでも氷花が居れば大丈夫だしな。なにより氷花嬉しそうだしな。まあ、凛のことに関してはちょっと思うところはあるし、
「そうだな、悪いと思うんなら少し協力して貰うぞ」
「その位で良いのか?」
「ああ、なにより今はこっちの問題が解決したならさっさと凛の方に行かないと不味いしな」
「すまんのじゃ。それもこれも妾の所為じゃな」
そう言うと景色が元のラクタ村に戻る。どうやら葉炎は手に持ったままだが 体は自由らしい。背中の傷もどう言う訳か治ってる。
「零君、早く行くね。お姉ちゃんのことで嬉しくてつい舞がっちゃったけど凛ちゃんも危機的状況だったね」
「妾も支援するのじゃ。とは言っても体を操らぬと妾の恩恵は得られんのじゃ、それでも壊れぬ刀としては使用できるのじゃ」
「さて、それじゃあ行くとしようか」
【空間操作】で母さんが作った隔離空間を見つけてそこへ入る。幸い俺が見つけ易く入り易い様に作ってあったので直ぐに入ることは出来た。そして、入るとほぼ同時に凛が抱きついて来た。
「ぼにーじゃん、ぞごいっでだのよ。ずでられだがどぼぼったよ(お兄ちゃん、どこ行ってたのよ。捨てられたのかと思ったよ」
凛、どうした正直言ってあまりに急に飛び掛って来るものだから切りかけたぞ。まあこんなに号泣してる所にそんなことは言わないがな。
最後まで読んで頂きありがとうございます。




