Red sand beach
少しグロいです。
今までの作風とは、かなり違います…。
「もう、嫌だ…。」
少女は、そう呟き自分の部屋からリビングにいる母親の元へ向かった。
手には、ハサミを持って。
リビングに着くと、母親はテレビを見ていた。
その母親を少女は、持っていたハサミで刺した。
母親はびっくりして、『あんた…、』と言っているが痛みのせいか続きの言葉が出てこないみたいだった。
「死ねばいいのにっ!!」
少女はそう言いながら、胸・顔・目・腕などを刺した。
“死ねばいいのに”とは、少女がいつも母親に言われた一言。
その言葉を言われる度に、心が黒くなっていったのを覚えている。
母親が動かなくなったのを見て、少女はお風呂に入った。
全身が返り血を浴びていた為だ。
シャワーで血を洗い流して、お風呂から上がった。
そして、自分の部屋に戻りお気に入りの上は白いレース、下は水色のスカートに分かれているワンピースを着た。
あと、いつも出掛ける際に持って行くリュックに、スマートフォンを入れた。
外に出る為に、玄関に行こうとしていると2つ下の妹がリビングで殺された母親を見て、呆然としていた。
少女は、その光景を軽く見て玄関に向かいヒールを履いて外に出た。
遅い時間だったので、バスもなく歩く事にした。
行き先は、海。
何時間もかけて歩き続け、やっと着いた。
砂浜に腰を下ろし、ため息をついた。
「はぁ…。」
海をしばらく見ていた少女は、リュックの中からスマートフォンを取り出し、ある人に電話をかけた。
何回かの呼び出し音の後、その人は電話に出た。
『…はい。藤崎ですけど…?』
「あっ、藤崎くん?私、谷口 星羅だよ。」
『こんな時間に、どうしたの…?』
「ごめんね。ちょっと、電話したくなって…。」
『ううん、大丈夫だよ。』
「あのね…、今までありがとう。私、藤崎くんといられて幸せだったよ。」
『どうしたの…?最後の言葉みたいだよ。』
私は、死ぬつもりで海に来た。
最後に、好きな人と話して死にたい…と思ったの。
「ううん、何でもないよ。じゃ、ごめんね。切るね…。」
『僕は、大丈夫だよ。今日、何かおかしいよ。今、もしかして外?』
「うん、外にいるよ。本当にさようなら…。」
少女は、そう言って一方的に電話を切った。
このまま話していると、死ぬのを躊躇ってしまいそうだった。
『もしもし?谷口さん…?』
電話は切れているみたいで、ツーツーという機械音しかしなかった。
「藤崎くん、ごめんね。」
そう言って、リュックからハサミを出して自分の胸を何回も刺した。
砂浜にゆっくりと倒れた少女は、スマートフォンのメモ帳に“藤崎くん、大好きだったよ。”と書き残した。
ワンピースと白い砂浜は、少女の血に染まった。
このまま生きていても、意味ない…そう思ったのが最後で少女の思考は途切れた。