表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/27

一章 ⑤俺氏勇者にされる(中編)

チンピラ共とひと騒動あったものの

そのあと何事もなくギルドについた

強いて言うなら、犬が集まってきて

モフモフ祭りだったことぐらいである

モフモフこそ至高なり


それは一旦置いといて

ギルドの扉を開け中に入ってみると

ギルドの冒険者らしき人たちが、談笑したり、受付で依頼をとったりしていた

全体の雰囲気としては、アメリカの西部開拓時代の酒場といった感じだ


俺はギルドに登録すべく、受付の列に並んでいた

数分後、俺の番がやってきた

隣の列を見ると、さっきとほとんど変わっていなかった

こちらの職員はかなり優秀なようである


「どのようなご用件でしょうか?」

「ギルドの新規登録をしたいんだが」

「かしこまりました、少々お待ちください」

そう言って女性職員は、奥の方から水晶玉のようなものを持ってきた


「この上に手を置いてください」

やはりこれはお決まりの、ギルド登録時のステータス把握だろうか?

身体能力の上昇は確認済みだが、改めて数値化されるとなると少しばかりドキドキする


俺は促されるままに水晶玉の上に手を置いた

すると、水晶玉がぼんやりと光り10秒程で元の状態に戻った

これで登録できたのだろうか?


「はい、ありがとうございます。

これがあなたのギルド証になりま……

えっ?」

女性職員の動きが止まった

何か不具合でもあったのだろうか?


「どうかしたのか?」

「い、いえ!し、少々お待ちください!」

そう言って女性は奥の方に引っ込んでいってしまった

……随分と焦っていたな


…数分後

「お、お待たせしましたぁ!」

さっきの女性職員が息を切らせながら

台座のようなものに、細かい装飾のされた腕輪を乗せて持ってきた


「……これは?」

「こ、これは、ギルドで最も力の強い者に贈られる腕輪です」

なるほど、さっき女性は力の強さに驚いていたのか

まぁ、17歳で、大男を街の外まで吹き飛ばせるような力を持っていたら誰だって驚くだろう


……しかし、個人的に腕輪の模様が気に入らない

何か呪われてそうな感じがするんだが

できれば付けたくない……

「これは、絶対につけてなきゃいけないのか?」

「はい、ギルド内の力の証明にもなりますので」


……規則なら仕方がない

俺は渋々腕輪を装着した

その途端、足から力が抜けその場に崩れ落ちた


「なっ……!?」

「確保ォォォ!!」

どこからか男の声が聞こえ、ギルド内の職員が俺の上に覆い被さった


一切の身動きが取れないでいると、後ろからさっきの女性職員が、俺の両腕を縛っているのが見えた


こうなってしまっては、背中に感じる女性の胸の柔らかさにニヤけている場合ではない

職員たちを振りほどくため力を入れるが、やはり全身に力が入らない


そんなこんなしているうちに、両腕の拘束が完了してしまった

「……何をした!」

そう尋ねると、奥の方から初老の男性が顔を出した

恐らく彼がギルドマスターなのだろう


「『拘束の腕輪』をつけるという蛮行をお許しください」

……やはりさっきの腕輪が原因か

「なぜこんなことを?」

「実は、王様の方から、『ギルドの方に、ステータスが異常に高いものがいたら、拘束してでも王宮に連れてくるように』という命令が下されまして…」


なるほど、そんな事情があったのか

しかし、なぜそんなピンポイントなんだ?

そうこう悩んでいると、突然首の後ろに衝撃が走った


「す、すみません!気絶させろと命じられたもので…」

どうやらさっきの女性職員が首筋に、手刀を叩き込んだようだ

……やはりこの女性職員、優秀だったようだ


そんなことを思いつつ、俺は意識を手放すこととなった

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ