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一章 ④俺氏勇者にされる(前編)

今日、王都では、パレードが行われている

先日任命された勇者の歓迎パレードだ

街のいたるところが装飾され

勇者が立ち寄った店などは『勇者様御用達』の看板が掲げられている


何もおかしいところはない

……俺がその勇者ということを除けば

俺は、王宮のバルコニーで、手を振っている王様(クソジジイ)を睨みつけつつ、数日前のことを思い出していた




最初の街を出ること約三日、やっと王都に着いた

不思議なことに道中、一度も動物や、魔物といった類のものに襲われることはなかった


あと、正直食料は必要なかった

王都に向かう道のりで、何度も商人の乗った馬車とすれ違い、食料を手に入れることができた


そして保存食はあまり美味しくなかった

長期的に使用するためのものなので、当然ではあるのだが、やはり食事は美味しく食べたいものである

飛翔熊の燻製は、あちらの世界でいう

ビーフジャーキーに似ていて美味かったが

氷原魚の干物は、臭みが強く、とても食えたものではなかった


まぁ食料のことは置いておこう

今はギルドの登録が先だ


先日、行商人の馬車で購入していたところ、世間話で冒険者ギルドがあるのを知った

恐らく、ラノベのギルドと変わらないだろう


だが、ギルドに行く奴が丸腰というのもどうなのだろう?

「……やはり、装備一式は揃えていたほうがいいか」

時間がないわけでもないし、それぐらいすぐに終わるだろう

俺は、スマホの財布のアイコンの残高を確認しつつ、武器屋へと足を運んだ




「おい、そこの兄ちゃん、身ぐるみ全部置いてけや」

……やけに、こういった奴に出会う気がするんだが


武器屋から、ギルドへ向かおうとしていた時だった

唐突に、チンピラ三人に囲まれてしまった

正直、前の強盗みたいにぶっ飛ばそうと思ったが、王都でそれをしてしまったら、被害が甚大だろう


「よし、逃げるか」

ここは逃げるのがベストだ

そう言って、クラウチングスタートの構えをとった俺を見てチンピラどもが嘲笑った


「そんな構えで逃げられるわけねーだろ」

こいつらは、この構えのことを知らないらしい

あちらの世界でも、この構えが浸透していったのは、スポーツがはじまってからなので当然と言えば当然である


チンピラが、動かない俺の肩を掴もうとしたところで、おれは走り出した


「は?」

チンピラには、おれが動き出したのが見えなかったようだ

身体能力(スペック)の高さも相まって簡単に視界から逃れることができた

チンピラ共はおれを見失ったためか

右往左往している


チンピラ共が諦めて帰ったことを見届けてから俺はその場を後にした











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