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三章 ➁新しい仲間と過去の変態

事は数日前に遡る…


「では、勇者シノミヤ=ケンイチよ、改めて魔王討伐に向かってもらうぞ」

「え?嫌に決まってるじゃん、馬鹿なの?」


俺が放った発言によって周りの空気が一気に氷点下まで落ち込んだ

そんなに驚くような発言をしただろうか?

ただ俺は行きたくないっていう趣旨を伝えたかっただけなんだが…


「無礼者っ…!国王になんて口を!」

衛兵の一人が俺の発言を聞いてわめきたてる

あれ?なんかこの発言デジャブ感がすごいんだけど?

つーか、お前も国王って呼び捨てにしてるからな?


「そもそも、俺はなりたくて勇者になったわけじゃないしな」

「だからなんだ?国王が行けというのだからお前は馬車馬の如く働けば良いのだ」


ピキッ


ほぅ?勝手に召喚しておいてとうとうそんなことまで言っちゃうようになりましたか…


「よろしい、ならば戦争だ」

「なっ…!?」


あたりまえだろぅ、仮にも国の一大事を救った人間に対して『馬車馬の如く働け』は、つけ上がりすぎじゃないか?

兵士も、周りの取り巻きも、俺の発言を聞いて顔が青ざめている

こちとら一人で魔物の軍隊を殲滅できるんだ王宮を中心に、王都全体を破壊することぐらい朝飯前なのである

俺と王宮の面々との間に一触即発の空気が流れ始める


「待ちたまえ、勇者よ」


緊迫した空気の中、一番最初に声をあげたのは国王だった


「なんだ?何か用か?こっちは今、すごく気が立っているんだが?」

「そなたと交渉がしたい」


ここで命令をしてこないあたり、部下の兵士とは違って、相手との力量差、その場の状況がよく判断できているようである


「交渉?ここまで人を馬鹿にしておいてよくそんなことが言えたな?」

「いや、交渉ではないか…、これはそなたに対する『懇願』である。どうか怒りを鎮めていただきたい」


と言って、一国の王が頭を下げた

無理難題でもふっかけようと思っていたが興ざめである


「わかったよ、だから顔を上げろ、仮にも国のトップが軽々しく頭を下げるんじゃねぇよ」

「そなたの譲渡、誠に感謝する。では、改めて魔王討伐を頼む」


ぶっちゃけ魔王討伐に行くことには反対ではない、だって魔界に行くってことだし、いろんな種族を見て回るのも楽しそうだしな


「で?褒賞は無いのか?」


気に入らないのはタダでこき使われるという点である

ただでさえ、俺がダラダラする時間を削ってまで行くのだ、行くだけ行って何もなしというのはあまりにも味気ない、せめて何か貰わないと

俺が国王に要求を提示すると困ったような顔をして俺に聞き返してきた


「褒賞と言っても子爵といった与えられる最高のものは与えてしまった。具体的なものを挙げてはもらえまいか?」


……具体的なものと言われてもいいなぁ?強いて言うなら新しい人員か?


「じゃあ、俺のパーティーに新しい人材をくれ」


そう俺が要求すると国王が不思議そうに頭をかしげた

……いや、おっさんの可愛いアピールとかマジでいらないから


「もうそなたは6人もパーティーにいるであろう?これ以上増やしては逆に食費や、生活費がかさむのではないか?」


6人?………あっ、そういえば、国王には男衆がパーティーから抜けたことを伝えてなかったっけ?

……あれ?もしかして今ピンチなのって国王側じゃなくて俺?

……よし、あいつのせいにしよう


「……実はカガミ=ユウイチが、ホモとオズワルドを拉致してからどこかへ逃走してしまいまして…」

「なんと!そのような卑劣な行為を!今すぐカガミ=ユウイチの追討手配を整えよう!」


……なんかすごいことになってしまったが、まぁ変態だし大丈夫だろう


「それで、人員増員の話なんだが」

「ああ、そうであったな。ではこの秘書を連れて行くといい。」


そういうと王様の隣にいた秘書のおねいさんがこちらに一歩進み出てきた


「秘書のフラウ=ヴィヴィアンと申します、……いえ、“元”秘書でしたね、よろしくお願いします」


ヴィヴィアンさんか…、大人びた女性って感じがするな


「では、勇者よこの世界の命運は貴殿に任せたぞ」


そう言って話し合いは終了した

そういえば他の国にも勇者はいるのだろうか?

少し気になったので国王に尋ねてみると


「ああ、ヤマト帝国とアル=ゴラ王国から一人ずつ勇者が出ているぞ」


じゃあいつかばったりと出会うかもしれないな

今は取り敢えず新しい仲間をみんなに紹介するとしますか

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