三章 ①危機一髪?
「ちょっと!自分の足で走りなさいよ!?」
「いや〜、魔力を使い果たしてるから無理ポ」
「どどどどど、どうするんですか!?」
「私に振らないでください!?」
俺たちは今、魔物の大群から逃げている真っ最中だった
ちなみに俺は魔力を使い果たしているのでリリにおぶられながらの逃走中である
「だれか、こいつに魔力ポーションを飲ませて!」
「わかりました!」
「え〜、苦いし飲みたくな…」
「子供みたいなこと言ってる場合じゃないでしょ!」
そう言ってリリは俺の口へと魔力ポーションをぶち込んでいく
ガボッ ガボッ ガボッ
ちょっ!?いくらなんでも多すぎません!?ポーションで溺れ死ぬ!?
ギブアップの意味を込めてリリの肩を強く叩く
これで止めてくれるだろ
「え?まだまだ足りない?しょうがないわね、予備の分まで追加するわよ!」
「は、はい!」
いやちがうから!?もう魔力は十分だから!これ以上されたら魔力の過充填で死ぬから!?
「ガボッ、ゴホッ…ゴホッ…、もう…十分…だから…」
「じゃあ魔物の群れをなんとかしなさい!」
「お前は鬼か」
このままではジリ貧なのでやるしかないのだが…
はぁ…、疲れるんだよなぁ…
全速力で走りつつ後ろの魔物の群れに向かって意識を集中させる
「『魔力爆発』!」
ドガァァァァァァァァン!
群れの中心が音を立てて爆発する、吹き飛ばされた魔物は魔力濃度の濃い部位だけを残して消えていった
「た、助かった〜…」
「なんとかなりましたね〜」
一時はどうなるかと思ったが、どうにか助かった
「と、とりあえず安全な場所まで行きましょう」
「そうするか」
俺たちはドロシーの案内に沿って歩き出す
なんでこんなにめんどくさいことになったんだっけ?
俺は安全地帯に向かって歩きつつ事の発端を思い返していた




