二章 ⑪手紙とはなんだったのか…
「我がラグネシア皇国勇者 シノミヤ=ケンイチよ、この度の王都防衛の、功績をたたえ、子爵の位とクトゥルフ領の統治権を与える」
俺が平原の形を変えてから4時間後、王宮の中では防衛に貢献した者達に対する授与式を行っていた
まぁ、授与式と言っても俺一人で魔物を全滅させてしまったから、褒賞を受け取ってるのは俺だけなんだが
それにしても王様よ、もっといい名前の土地はなかったのか?
そこに住んだら半永久的に狂気に囚われるとかないよね?
そんなことを思いつつも授与式を進めていく
「これにて授与式を終了する」
きた!ここからが俺のターンだ!
「……お前達、ちょっと外に出てろ」
仲間にだけ聞こえる様な小さな声で退出を促す
「え、なんでですか〜?」
「どうしたのよ急に?」
「な、なんで私たちだけ?」
俺の薔薇色ライフを達成するためには、まずこの三人を遠ざけなければならない
いや……だってさ……女子の前で『オトナのおねいさんの所に遊びに行くのでどっか行ってて』なんて言えるか?
「俺は、今から国王と大事な話をしなきゃいけないんだ…!」
「それって私達が居たら出来ないんですか〜?」
うっ…、いつも天然なくせになんでこんな時だけ鋭いんだ…
「あ、ああ、男同士の大事な話し合いがあるんだ」
「え?じ、じゃあ、私は居てもいいんじゃないですか?」
ぐっ……、ドロシーは男だった…
「い、いや、王様との二人きりの約束だからさ…」
「え…、男が『二人きりで』、『秘密の』話し合いをするって…!あんたと王様っていつからそんな関係になったの!?二人が接触する機会はなかったはずだし……、もしかして!あの手紙!?」
リリに至っては盛大な勘違いをしている様だ
あぁ、もう、それでいいやぁ
「ああ、うん、実はそうなんだ、だからちょっと席を外してくれないか?」
もう、この場を離れてくれればどうだっていいやぁ
……誤解の方は後で解いておこう
「わ、わかったわ、ドロシー、ミツキ、私たちは出て行くわよ」
「え?でも、ドロシーは…」
「ケンイチは私たちの知らない世界にいるのよ」
……本当に後で解いておこう
リリがドロシーとミツキを連れて外へと出て行くのを確認してから、王様の側へと近寄る
「国王様、例の手紙の件ですが…」
「うむ、今晩にでも連れて行こう」
イヨッシャァァァァァ!!
レッツパァリィィィィィィィ!!
「騙された……」
昨夜、俺が連れて行かれた娼館には、どうオブラートに包んでもブスとしか言えない様な女性しかいなかった
……どうやら国王はブス専だった様だ
こんなのと引き換えに、仲間から誤解をされることになるなんて……
……疲れた、みんなのところに帰ろう
俺は三人の待つ宿屋に向かって、嫌な過去を思い出さないように、全速力で駆けて行った
今回から、小説のタイトルを変更させていただきます
混乱させてしまうかもしれませんがご了承ください
読者の皆様、いつも私の小説を読んでくださってありがとうございます!
では、引き続きお楽しみください!




