二章 ⑩王都襲撃のお知らせ㊁
けんいちは めのまえが まっしろになった
「めがぁぁぁ…!めがぁぁぁ…!」
俺は今、某ジブリ作品のム○カ大佐の様に地面を転げ回っている
なにこれ!?滅茶苦茶痛いんですけど!?
どうやら余りにも炎のエネルギーが強すぎて目がやけてしまったらしい
俺がさっき唱えた『燎原之華』は『魔法創造』で作った超広域殲滅魔法だ、これで相手の指揮官を中心に撃てば多分三割は削れるだろうと思っていたのだが、まさかここまで威力があるとは思わなかった
「な、なんですか今の光は!?」
「なにが起こったの!?」
「ピカッと光って綺麗でした〜」
後ろからは三人から驚きの声が漏れている
いや…、ミツキはなんか感動してるから二人か……
「け、ケンイチさん、大丈夫ですか!?今、『欠損回復』をかけますね!」
突然の異常事態に、心配になったのか三人ともこちらを振り向いた様だ
ドロシーは俺のことを気遣ってか俺に『欠損回復』をかけようとしている
!?ドロシーに『欠損回復』を使わせちゃまずい!
「ど、ドロシー!ちょっとま……!」
「『欠損回復』!」
俺の視界が白一色からどんどんクリアに戻っていく
「体が裂けるぅぅぅぅぅ!?」
そして視界が戻った俺を待っていたのは全身に走る激痛だった
ドロシーは、なぜか回復魔法になると途端に魔法のコントロールができなくなってしまうのだ
「リリぃぃぃぃ!俺を斬ってくれぇぇぇぇ!」
「な、なによ突然、気持ち悪い!」
どうやら本気で気持ち悪がっている様だ、そりゃそうだろう、はたから見たら完全に変態の所業である
だが、そんなことを言っている場合ではない
「いいから早く!」
「ああ、もう!わかったわよ!オリャァァァ!」
ザシュッ!
リリによって肩に大きな傷がつけられる
ジュゥゥゥゥ
すると、リリによってつけられた傷がみるみるうちに治っていく
肩にあった傷はものの10秒ほどで元の姿に戻った
「あー、死ぬかと思った……」
「なーんだ、そういうことだったのね、そうならそうと言ってくれればよかったのに」
「ドロシーが魔法を使った時点で気付いてくれよ……」
まあいいや、それよりも魔物の大群はどうなったかな?
残った魔物の数を確認するために平原へと目を向ける
「……あれ?平原ってこんな感じだったっけ?」
そこには大きなクレーターができていた
あれぇ?俺は火炎放射みたいな魔法を作ったつもりだったんだけど…、一応確認してみるか
俺は自分のステータス欄から『燎原之華』を選び概要を確認する
『燎原之華』
火属性魔法
消費MP3000
巨大な火の玉を生成し、広範囲に向かって発射する
あー…、なぜか火の玉になっちゃってますね〜
次はもっと慎重に作らなきゃな…
「な、なんですかこれ…」
「あんた、なにしたのよ…?」
「うわ〜、すっごく大きいです〜」
あ、そうだ三人もいたんだった
とりあえずこの状況を説明しなきゃな
「それが俺の全部の魔力を使って『火球投射』を使ったらこんなことになっちゃって」
嘘は言ってない、魔力はほとんど使ったし、ある意味これも『火球投射』の一種である
「そ、そうなんですか…」
「もう、ここまでくると褒めるしかないわね…」
「さすが勇者様!すごいです!」
三者三様の驚き方をしていたがうまくごまかせた様である
「じゃあ、まだ少し魔物も残ってるし、残党狩りと行きますか!」
さっさと終わらせて、歓楽街へと乗りだそう!
そう決めた俺は残りの魔物を全滅させるべく形の変わってしまった平原へと降り立った
今回は、いつにも増して話が短くなってしまいすみません!
これからも比較的早く更新できる様にがんばります!




