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二章 ⑨王都襲撃のお知らせ㊀

「お〜、すごい数の魔物だな〜」


村を出発してから約6時間

俺たちは高台の上から王都につながる平原を見ていた


「数はだいたい5万ってところか」

「勝てますかね〜?」


対する王都の兵士の数は1万、最低でも一人当たり5体以上の魔物を討伐しなければならない


……これだけの数の魔物を倒すのは、さすがにきついな


やりたくないなぁ……

そもそも半強制的に勇者にされた俺にとって王都を助ける義理もないしなぁ

でも俺が行かなかったせいで死人が出るのも嫌だしなぁ


「そもそも、俺あの国王がいなくなって欲しいと思ってる方なんだよなぁ……。

なぁ、これもう、俺らだけ帰って後は兵士に任せようぜ?ダメかな?」

「なに言ってんのよ!ダメに決まってるでしょ!」


でもなぁ…、殺りたくないなぁ…

今すぐにここから逃げられないかなぁ


バサッ バサッ バサッ


なんとかしてこの状況から逃げられないかと画策していると、王都の方面から伝書鳩が飛んできた


「お、王都から手紙が来たみたいです…、な、なんでしょうか?」


今普通に流したけどこっちの世界には伝書鳩っているんだな

こんな魔物ばかりの世界でよく死なないな…


「ちょっと貸してみて」

「は、はい」


えっと、なになに?


『勇者へ

この魔物の軍勢を退けたあかつきには、貴殿をこの国最高級の娼館へとお連れしよう

第百二十三代目国王ナルシストより』


………


「なんて書いてあったの?」

「みんな……」

「どうしたんですか?」

「こいつらをさっさと撤退させるぞ!」


こんな素晴らしい条件を出されたら、引っかからないクマーとか言ってる場合じゃない!

さっさと殲滅して俺の薔薇色ライフをスタートさせなければ!


「なんか怪しいわね…、さっき貰った手紙を見せてみなさい」


ギクッ


「まさか、変なことで釣られたんじゃないでしょうね?」


ギクッ ギクッ


「まぁ、見てみればなんなのかすぐに解決……」

「おっとぉ!手が滑ったぁ!」


俺は手紙を外へと投げ捨て、無詠唱で『火球投射(ファイア)』を放つ


ジュッ


火球投射(ファイア)』に飲み込まれた手紙が一瞬だけ音を立てて燃え尽きた


「いやーごめん、この頃魔力の調整が不安定でさぁ」

「その割には、的確に手紙を撃ち抜いてたわね…」

「タマタマデスヨ?」


ホントダヨ?


「……まぁいいわ、それで、どうするつもり?」

「こういうやつは、頭を潰してなんぼだろ」


さーて、敵の大将はどこかな〜


「『対象認識(アナライズ)』っと」


敵の大群の中を見回していくと中心あたりに大将らしき魔物を見つけた


アジテーター


周りの魔物を支配下に置き強化する魔物

戦術師としても優秀であり、戦闘時は速やかに討伐する能力が求められる


あいつをぶっとばせばいいんだな

どうせだったら派手な魔法で決めたいなぁ

あ、馬車で作った魔法でも試してみるか


「みんな、向こうを向いててくれ」

「いいですけど……?」

「な、なんでですか?」


たとえ魔物であっても、みんなには俺が大量虐殺をしている姿は見て欲しくない


「しょうがないわね…、早くしなさいよ」


リリだけは俺の考えていることを察してくれたようである


「……サンキュ」

「別に……、早くしなさいよ」


いつまでも後ろを向かせたままでは悪いしな、さっさと決めるか


集中して、相手の大将めがけて魔法を唱える


「いくぜ!『燎原之華』!」




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