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二章 ⑥勇者一行は村を救うことになったようです㊃

ドサッ


「あー、くそっ、いってぇ………!」


あの後、2、3分ほど落下し続けていたことから結構深い穴に落ちてしまったようだ

いま、ちょっと痛いで済んでいるのもステータスのおかげといったところか


「さて、どうやって戻ろうかね?」


とりあえず、落ちてきたところを見てみるか

そう思い真上を見上げると三人が落下している最中だった


あいつらまだ落ちてなかったのかよ!?

いや、そんなことより、あいつらこのままじゃ即死するんじゃね!?


状況を把握してからは早かった

覚えている魔法の中から無事に着地させられるものを選び出す


「『大気圧縮(エアクッション)』!」


着地地点付近の空気を圧縮して即席のクッションを作り出す


ポヨン ポヨン ポヨン


少し間抜けな音ではあるが三人とも無事に着地することができた


「おい!大丈夫か!?」


「なんとか大丈夫みたいです」

「だ、大丈夫です……」

「ええ…、なんとか大丈夫みたい」


全員無傷だったようだ


「ミツキ!あれはどう考えても罠だっただろう!」

「え〜?そうですか?」


こんなところで天然を発揮されても…


「ったく…、どうやって上がろうかね?」


俺は落ちてきた穴を見上げながらそう呟いた


ザッ ザッ ザッ


ん?足音が聞こえる?

周りを見渡すとどうやら奥の方から聞こえるようだ

村の住民……ってことは流石にないか

そもそもここまで降りてくる理由が見つからないし、落ちたとしても普通の奴なら落ちた時点で即死だろう


やっと目が慣れたのか、目を凝らして見ると相手の姿を確認することができた


「ゴブリン……?」


暗闇から出てきた相手はゴブリンだった

……でも、普通のゴブリンとは違うような?


「さっさと倒して、ここから出ちゃいましょう!」

「ミツキ、ちょっと待て」


飛び出していこうとするミツキを押しとどめて、一歩前に出る


「……一応、『対象認識(アナライズ)』」



ハイゴブリン


ゴブリンの上位種

普通のゴブリンよりもずる賢く、身体能力も上がっている

集団で囲まれると危険


称号

『魔王の眷属』



『魔王の眷属』だと!?


「……お前ら先に行っとけ」

「え?でも……」

「いいから!」

「と、突然言われても…」


こんなところで言い合っていても仕方がない

…出来るかどうかわからんが


「やってみるか…、『位相変更(テレポート)』ッ!」


「キャッ!」

「な、なんですか!?」

「あれ?勇者様は?」


自分の遥か頭上で三人の声が聞こえた


よしっ!なんとか成功したみたいだ…


くそっ…!今日はとんだ厄日だぜ…


そんなことを考えつつも目の前のハイゴブリンに意識を集中させる


フッ


目の前から突然ハイゴブリンが姿を消した


ガギィィィィン!


っ……!危なかった……!

俺でも目で追うのがやっとだった


くそっ!どうすればいい!?


ガギンッ ガギンッ ガギンッ


そんなことを考えてる間にも絶え間なく斬撃が打ち込まれていく


一か八か…やるしかない!

かすかに認識できる相手の足元に意識を集中させる


「『地層隆起(グレイブ)』ッ!」


ハイゴブリンの足元が盛り上がっていく

それを避けるべく地面から飛び上がった


「きたっ!『上昇気流(ドラフト)』!」


地面から足の離れたハイゴブリンが空中へと巻き上げられる

空中では避けられないっ!


「『火炎投射(フレイム)』ッ!」


火球投射(ファイア)』の倍ほどもある火球がハイゴブリンへと向かっていく


「これでチェックメイトだっ!」


とうとう、俺の放った火球にハイゴブリンが飲み込まれ、ちりも残さず消え去った





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