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二章 ④勇者一行は村を救うことになったようです㊁

「……ここどこ?」


村の中に入ったはいいのだが、いかんせん村人が一人も見つからない


活気あふれる素敵な村って聞いてたんだけど……?


「リリさーん、廃村と間違えたんすかねぇ?」

「ば、馬鹿にするんじゃないわよ!こんなことで間違えるか!……多分」


どうやら道案内した本人も怪しいようだ


「こ、これってどう見てもゴーストタウンですよね……?」


ドロシーも心なしかいつもより怯えている気がする

あぁ、可哀想に……

誰かさんが間違えなければ……


「……何でそんな目でこっちを見てんのよ?」

「……別に」


「それよりも、家の中を探して強奪していきません?」

「“強奪”じゃない“拝借”だ」


廃村でもそれなりに何か残っているだろ


そう思い、近くの家に入ろうとすると既にミツキが入ろうとしていた


「おいおい……、もう少し家を見極めてからで……」


「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


!?何があった?

俺らは悲鳴を追って、ミツキが入った家に走って行った


「何があった?」

「お、お化けが……、おじいさんのお化けが……」

「お化けぇ?」


何を見たんだろう?

そう思い、ミツキが出てきたドアを開けようとすると、手をかけるより先に内側から開いた


「勇者御一行様、ようこそいらっしゃいました」


中から、痩せこけていてボロボロの服をまとった老人が出てきた

そりゃあ突然こんな姿を見たらお化けと間違えるわ


……ん?待てよ?この老人……


「何で勇者だって知って…?」

「神様から勇者様がいらっしゃるとお告げがあったのです」


……嫌な奴の顔がちらついたんだが


「ちょっとトイレを借りていいか?」

「どうぞどうぞ!」


俺は家の中のトイレに駆け込みポケットの中からスマホを取り出した


「ん〜♪何か妖怪?」

「いや、つまんないギャグはいいから」


毎度毎度こいつにはイライラさせられる


「で、たまたま行った村がゴーストタウンで、村長が俺たちを待ち受けてた訳なんだが……」

「あぁ♪それは僕が…」


ブチッ グシャッ


俺は持っていたスマホを握り潰し窓の外へと放り投げた


「悪かったな、突然トイレを借りて」

「いえいえ!とんでもない!」


とりあえず話を戻そう


「で、何でこんなゴーストタウンみたいになっているんだ?」

「それは、カクカクシカジカなのでございます」


フムフム…


「つまり、村の近くの洞窟にゴブリンが住み着いて、住民が逃げてしまったから、ゴブリンを討伐してほしいってことだな?」

「……ねぇ、あんた、誰に説明してんの?」


なぜだろう?俺にもわからん


「でもなぁ、俺たちがやる義理もないしなぁ」

「そこを何とかお願いします!」


みんなが俺を蔑んだ目で見てるが、面倒くさいものは面倒くさいのである


「お礼に馬車を差し上げますので!」


ピクッ


「……なぁ、ドロシー」

「は、はい、何でしょう?」

「馬車の相場っていくらだっけ?」

「た、確か、安いものでも金貨50枚はしたと思いますけど」


金貨50枚かぁ……

俺は老人の方へと向き直って膝をついた


「そのゴブリン討伐の命、私共が受けましょう!」

「おぉ!やってくださるのですか!」

「当然です!国民の笑顔を守るのが私達の役目ですから!」


みんなの目がとうとうゴミを見る目に変わってきたが関係ない


「では、討伐作戦を練りたいので宿屋を貸していただけませんか?」

「どうぞどうぞ!どの家でもお好きになさってください!」


仲間からはひどい目で見られつつもとにかく宿屋に入ることにした


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