第4話 出会い
第4話出会いを投稿しました!
これは、悪魔に奪われた家族と、取り戻せなかった未来を背負った少年たちの物語。
痛みと後悔を抱えながらも、彼らは今日を生きる。
「悪魔は本当に存在するのか――?」
少年たちの前に現れる、未知の脅威と選択。
友情、罪悪感、そして希望の中で、彼らは何を選び、どう生きるのか。
少しずつ明かされる過去と、迫り来る危険。読み進めるほど、目が離せなくなる――そんな物語です。
誤字脱字は多少あると思いますがぜひ楽しんでいってね!
物音がした場所に向かう途中に考えてしまった。父さんが仕事に行って、まだ時間もあるのでもう少し寝ようと2度寝したときの、夢の内容を。
夢の中で言っていた。
俺が早く兵士を呼ばなかったから、
死ぬ必要のなかった人達まで死んだ。
父さんの班が他の人々より俺を優先したせいでルルやマイルの親は死んだ。
本当は助かっていたのに。ルルやマイルはこんな目にあわずに済んだのに。
俺が奪ったんだ。
あいつらの未来を。俺が生まれてこなければ。
俺がもっと早く兵士達を呼んでいれば…
なんてことがずっと頭の片隅にいる。
俺が死んでしまえば兵士に助けを呼ぶことはできない。俺によくしてくれた近所の人達を救うことはできない。
俺がたとえ生きてあの人たちを助けれてもマイルやルルの親のは救えない。母さん、俺はどうしたらよかったんだろう、なにが正しかったんだろうか…
考えたって仕方のないことなのに。母はもう返事はしてくれないのに。
こんなどうしようもない俺をマイルは今まで通り接してくれた。
でもルルはどうだろうか。
襲撃後のルルの顔。俺を見たときのあの顔は、今までとは違う表情で、
酷く困惑している雰囲気だった。すぐにいつも通りのルルに戻ったけど内心俺に思うことがあったのだろう。
当然だ。
自分の両親は死んでいるのに俺の父親は生きている。これはもう、
変え難い事実であることはルルも承知の上だからこそ昔と変わらずに話してくれた。
俺はそんなルルやマイルに救われたんだ。
ルルが俺の元から離れるというなら俺は止めやしない。
だって、それは俺がどうこうできる問題ではないからだ。
物音がした場所に着くとそこにはルルと…近くにいる人は誰だろう?
近くにいたのは少し低めの落ち着いた声で、
はっきりと話す女性だった。
彼女の目は深い海の底を思わせる青い瞳。
覗き込めば、
自分の心までも吸い込まれそうなほど静かで澄んでいる。
彼女の瞳の奥が、どこか冷たい光を放っていた。 いやいや、
そんなことを考えるよりルルだと、自分に言い聞かせて
ルルの様子を見てみるとどうやら気分が悪いようだ。
物音の原因はルルがもたれかかった結果倒れてしまったからだと思う。
近くにいる髪が黒くて長髪な女の人はルルの背中に手をあてポンポンと叩いている。
心配の言葉をかけているようだ。言葉数は少ないがその一言一言に重みがある。
動かずに突っ立ったままの俺をおいてマイルは先に駆け寄った。
まずは近くにいる女の人に声をかけたみたいだ。
マイル「すみません、ここで何があったんですか?」???「私が歩いているときに、近くでルルさんが歩いていたんだけど、
ルルさんは体調が悪かったみたいで、
足元もふらついてたみたいだったから心配で声をかけていた。そしたら急に倒れこんでしまって…」
マイル「そうなんですか、教えて下さりありがとうございます。ルル、大丈夫?かなり顔色が悪いみたいだけど…」
ルル「大丈夫…。心配しないで。今日朝からずっと気分が冴えなくて…今から診察しようと思ってたところだったの」
???「ルルさん、体調がよくなったらまた会あう。お大事に」
ルル「うん、次会った時はたくさんお話しようね」
おいおいおい、
どうやらルルは俺たちが見ない間に新しい
「NEW friend」を作ったみたいじゃないか…
ルルのそのコミュ力を少し分けてもらいたいものだ
あの女性は同い年くらいだろうか?
にしては大人びた雰囲気を放っていたな。少し無愛想な気もするが、
俺たちがいたからかしこまっていただけで本当は明るい人なのだと思う。
なんだか申し訳ない。
まずはルルを診察室に連れていかないとな。ルルは大切な幼馴染だ。自分で診察室に一人で行かせるほど、俺は非情な奴じゃない。
リオン「ルル、俺たちと診察室まで送るから一緒に行こう。」
俺がそういいルルのほうを振り向くと体調が治ってきたのかルルの顔色がよくなっていた。
よかったと安堵しているとルルの顔がにやけ出す。俺、なにか変なことを言ったか?
ルル「も〜、リオンちゃんと女の子のエスコートできてんじゃ〜ん。期待以上だよ、
その調子でどんどん女の子の扱い方を学ぶんだよ?リオンは顔がいいくせにモテないからなー」
モテないは余計だ。こいついつも一言多いんだよな。昔は、純粋だった…
マイルに影響されちまったんだろな、可哀想に…
そう心の中で軽口を叩いていたがルルが無理をして笑顔を作って、
平然を装っているようにしか見えなかった。それなりに長い間一緒にいたんだ。幼馴染を舐めるんじゃないぞ
ルル「心配してくれたのはありがたいけど私一人でも平気!そろそろ診察の時間だから行ってくる、またね!」
そう言ったあと、ルルは走り出しもう見えなくなってしまった。
俺たちがどれだけ心配したと思ってるんだ、ほんと能天気なやつだな…
マイル「ルルはもういなくなっちゃったし、僕らだけでどこかに出かけようか。ルル、診察終わったあとも予定あるみたいだしね。」
リオン「あー、そういえばそんなことを言ってた気がするな。」
マイル「君は本当人の話を聞かないよね。まあそれを話してた時リオンはうなされてた直後だったし、いっぱいいっぱいだったんだろうけどね。
君は集中するとすぐ周りが見えなくなるんだから気を付けないとね」
ごもっともすぎる、マイルの正論パンチはちゃんと俺に非があるときばかり発揮する。
毎回痛いところばっかり突かれるのでたまには俺も反論したいものだな。
リオン「そういえばお前どこか出かけようとか行ってたよな、予定は決まってるのか?」
マイル「ミリア区の丘に行こうと思ってるんだ。」
リオン「たしかあそこはよく俺たちが遊んでた丘だよな。でもなんで急に?」
マイル「この前の襲撃でノルン区が閉鎖したことは知ってるよね?」
リオン「は…なんで閉鎖することに…」
マイル「ノルン区はもう無法地帯なってしまってね。現状どうにもすることができないから閉鎖という形をとったらしい。
でもそれは表上の建前で実際は悪魔や獣が山地から降りてきたみたいなんだ。
実は寝ているリオンの所に向かう前、兵士たちが話してるのを聞いちゃったんだ」
〜マイルの回想〜
夜が明けてから1時間程経ったときマイルは起きた。
静かで冷たい病室、
少しばかり鼻に残る消毒の匂い、無機質な部屋。
ふと隣をみたがやっぱりお母さんはいない。お父さんも、いない。
それはそうだろう。これは1人用のベットだ。誰かが隣で寝ているなんてありえないことなのに。
頭ではわかってるのに、どうしてこんなことを考えちゃうんだろう。
目が覚めても頭の中に、
あの時の声が残っている。お母さんやお父さんの悲鳴が、早く逃げてとずっと叫んでいた。
でも僕の身体は動かなかった。動かせなかった
その時の目が、表情が、僕の記憶に焼き付いて離れない。
正直、もうあんな顔はみたくない。
逃げてと言っても動こうとしない息子をみて、
両親はどんな気持ちだったんだろうか。
そう、心の中で問いかけても返事は返ってこない…
これが死というものなんだと改めて実感した。
こんなことを考えるのはよそう。思い出せば思い出すほど、辛くなるだけだ。
顔を洗おうと僕は洗面所へ向かった。
この病室は個室であるため他に誰かいるという訳ではないので助かった。
こんな暗い顔の僕を見たら心配してしまうだろうから。今心配の言葉をかけられても困るだけだ。
虚しくなってしまう。
洗面所につくと蛇口をひねり僕は鏡をみた。
自分が今、どれだけやつれているのか知りたかったからだ。
昨日あまり眠れなかったからだろうか、隈ができている。
目も虚ろで生気がないようだ。死んだ両親と似たような顔をしている。
こんな顔は僕じゃないと思いたくて早く顔を洗おうと手に水を貯める。
冷たくてひんやりしている。この水に触れている間は心なしか気持ちが幾分からくになった。
冷たさがなくなって生あたたかくなると、それを勢いよく顔にかける。
少し、頭が冷えた気がする。でも鏡に映る自分の顔は変わらない。
現実逃避すらさしてくれないのか…
もういいやと、隣にかけてあるタオルを手に取り顔を拭く。
いつもは母が拭いてくれていたのだがそんなことをしてくれる母はもういないのかと思うと、
胸がズキズキと痛む。
自分が思っている以上に母の存在は大きかったのだ。 悲しいことに「母は偉大なり」という言葉の意味を前はうまく理解できなかったのだが、
今は痛いほどよくわかる。
リオンは、まだ起きてないのだろうか。そろそろ朝ごはんの時間だしルルを呼んで一緒にリオンの様子を見に行こうかな。
とぼとぼと、気の遠くなるほど長い廊下を歩く。
1歩1歩が重い。歩きたくない…
辛い、部屋から出ずにずって布団にくるまって泣いていたい…
でもそんなことをすればずっと病室から出られない未来が予想できる。だから歩くしかないのだ、
どんなに嫌でも、辛くても。
10分ちょっと歩いていると左右に曲がり角が見えた。たしか左の曲がり角の先がルルの病室だったよなと、左に曲がろうとしたその時。
少し大きめの声で話している兵士の声が聞こえた。
ふと足を止める。
盗み聞きはよくないことは十分分かっている。
しかしそれは僕の探求心が許さなかった。
僕はこっそりと近付き、聞き耳を立てることにした。
兵士A「なあ知ってるか?ノルン区閉鎖することになったって。」
兵士B「知ってるさ、その話題は保安隊の中でずっとひっきりなしに上がってるからな。近くのミリア区も時期に閉鎖するみたいだしよ。
あそこは元々山の獣どもが湧きやすい危険区域の1つだったし仕方なかったのかもしれんがね」
A「調査書には確かにそう記載されていた。だが実際は違うらしい。みたんだよ、うちの班が…」
B「みたってなにをだよ?まさか犠牲者達の亡霊だとか言わないよな?」
A「はっ!さすがに亡霊ではなかったが今朝特管の奴らが閉鎖されたノルン区に向かってるのを見たんだってよ…」
B「特管が向かってたってことはまさかあそこにはまだ悪魔が湧いてるってのか?精鋭部隊が全て片付けたと聞いていたんだが…」
A「それがよ、悪魔は一体もいなかったらしい。目撃情報はあったみたいなんだがな…特管はその調査に向かったって感じだろ。悪魔はいないって言うのに馬鹿な奴らだ」
B「特管のやつらは悪魔を倒すことしか能がないから意地でも見つけたいんだろうぜ、」
A「はっ、違いねぇ。ほらもうそろそろ見回りの時間だ」
B「えー、もう時間なのかよ〜」
〜 どんどん声が遠ざかる〜
悪魔は、存在したのか…今までずっとおとぎ話だと思ってた。本当にいたらいいな、とかみてみたいとかそんな想いを募らせてた。
両親を殺したやつの姿はあまり覚えていない。だから悪魔が実在しているという事に実感が湧かなかった。
でもこの話を聞いた後はどうだろう?僕は興奮が収まらなかった。
他の人からは異端だと言われるけど僕はそれでいい。僕は僕のままでありたいんだ。
さっそくリオン達に伝えないと!
僕は急ぎ足でリオンらの元へ向かった
〜回想終了〜
マイル「てことがあったんだ。あの兵士達は悪魔が降りてきたなんて思ってもなかっただろうけど、1回調査しているんだ。
しかも精鋭部隊がだよ?なんの部隊かによるんだけどね。1度調査して問題ないと判断されているのに特管が動いている。
しかもノルン区は閉鎖されたままだ。」
リオン「つまり、どういうことなんだ?兵士達の言う通り特管は馬鹿だったって言いたいのか?」
俺がそう質問するとマイルはわざとらしく肩をガクッと下ろした。
俺が話すと高頻度でマイルの肩は激しく動く。
いずれ病院に連れていかないとなと密かに考えている。
マイル「つまりだね、リオン。悪魔はノルン区で湧いてるから閉鎖という形で僕ら国民から遠ざけたってことなんだ。
悪魔が実在してただなんて報道があれば国民は動揺し新たな二次災害が起きる可能性があるからね」
俺は政府のことを、貴族のことしか考えていないくそ自己中野郎だと思ってたいたが案外そうでもないらしい。
俺たち国民の事も少しばかり考えてくれている気がする。今まで俺たちは知らない間にそうやって助けられていたのかもしれないと思った。
にしても少しは教えてくれたって良かったのに、いきなり閉鎖とか言われても
「はいそうですか」なんて言える人はそうそういないだろうに。
みんな早く自分の故郷帰りたいのに悲しいものだ。また、3人で一緒に故郷に帰れる日はくるのだろうか…
『続く』
どうでしたか?マイルの性格はある程度は掴めたでしょうか?これからもどんどん詳しく書いていくのでみてくれたら嬉しいです。次回は金曜日の午後8時半に投稿します。これからは2日1回の午後8時半投稿にしようかと思っています。これからも総喰の悪魔をよろしくお願いします!感想もぜひ書いてくれたらモチベーションが上がります!!




