第11話 訓練①〜萌えでる懇意…?〜
投稿かなり遅れちゃいました
新キャラは自分が出したかったやつは今回では出せそうにないです。だから代わりにモブ?を追加しました
楽しんでください
馬車はゆっくりと森の縁に近づいていた。外の景色は段々と濃い緑に染まり、枝が重なり合って光を遮る。フリージアが咲いていて春なんだなと深く実感する。窓から差し込む日差しは緑色に濾過され、車内に幻想的な光を投げかけていた。リオンは窓にもたれかかり、指先で結晶のように光る葉の影をなぞる。馬車に乗る機会はあまりなくてこうやってなぞると不思議と夢のような気持ちになる
「……うわぁ、ここまでくると森っていうより本当にジャングルみたいだね。ワクワクが止まらないよ」ルルが息を漏らす。肩をすくめながら、少し緊張しているような目で前方を見つめていた。
「確かに……でも、こういう場所って、ルルが言ったようにワクワクするよね。今まで行ったことのない土地だととても新鮮で心がフワッと軽くなる」マイルは馬車の揺れに合わせて小さく身を揺らしながら、興奮を隠せずにいる。
リオンは小さく笑う。「訓練、楽しみだな。もちろんあのハイロとの勝負もそうだが…俺達、今日から…」言葉を切ったのは、森に入った瞬間、馬車の外から声がかかったからだ。まったく、タイミングが悪いもんだな。
馬車から出て、ここが訓練場かと意気込んでいると
アミリアが話しかけてきた
「リオン、これ、ハイロと勝負するなら使ってみなさい」
アミリアが馬車の揺れる扉の隙間から顔を覗かせ、小瓶を差し出す。中には透明な液体が入っている。光を透かすと、まるで水面が揺れるようにゆらゆらと揺れていた。リオンは不信感を抱き眉をひそめ、これはヤバそうだなと思いながら指先で瓶を受け取る。
「……なんだこれ、毒でも入ってるのか?」ちょっとストレートに言ってしまったかもしれないが疑念の色を浮かべるリオンに、アミリアはにっこり笑う。それは笑顔というには何かが違う。
不気味で全てを見透かしたようなものだった
「使わなくてもいいわ。だけど、少しでも勝率を上げたいなら持っていて損はないと思う。
私は身体能力を向上させる系の薬を作るのが得意なの。信用出来ないという気持ちもわかるけれど自分で自分の可能性を潰すのは、あまり得策とは言えないんじゃないかしら?」
にやりと微笑みながら問う
リオンは瓶を握りしめる。効果はわかったが肝心の使われている材料は教えてくれなかった。
材料を知れないのだから安心して使えと思う方が無理があると思う。少し不安だが、それでも受け取らずにはいられなかった。「……わかった。使ってみる。ありがとうな……」
アミリアはそのまま馬車から降り、少し離れたところまで歩く。振り返ると、手を振りながら微笑んだ。「頑張ってね、」
リオンは仕方なく手を振る。「不思議な奴だ、薬を作る趣味があるとは思ってもみなかったが
人は見かけによらないもんだな」
軽口を叩く俺をみて
「どうかしたの?」
ルルが首をかしげて声をかける。
「アミリアさ、いやアミリアがなんか……不思議っていうか。変なやつだなって」
「……へえ、まあ、そうだよね。私もわかるなぁ」小さく頷きながら答える。やっぱりそうだよな
馬車の奥から教官の声が響く。兵士たちはざわめきを止め、緊張感がこの場を支配する。
「この訓練は体力と魔力を鍛えるために行われる。目的地まで最短で向かい、魔力は指定された出力、または自分がある程度自由に行動できる範囲内で常に出し続けること。各所の木々にチェックポイントがあり、触れずに通過すれば減点だ。この行動は我々が貴様らの位置。逐一把握する為に必要な行動だ」
リオンは拳を握りしめる。「魔力を出し続ける…か、」
俺の苦手なやつだ、魔力って出すと疲れるし嫌なんだよな。慣れないことをしているからか
身体が拒絶してくる
マイルは負けじと声を張った。「そんなことで怯んじゃだめだよ。君はこれくらいのことで折れるような軟弱な男じゃなかっただろう?」
そうか、そうだな。俺らしくない
馬車が停止すると、班分けが発表される。リオン、マイル、ハイロが同じ1班。ルルはアミリアとネロの2班で組むことになった。フィン、ミオ、モブ・ザコで構成されている3班、その他の兵士も三人一組で分かれていた。
ハイロは出会って早々リオンを煽る。
「俺が勝つんだぞ、リオン。俺はお前みたいに朝から女に囲まれねウホウホするようなワンパクなクソガキじゃねぇからな」
「なんだと?俺にはお前がただ強がって発言している子ガッパにしか見えねぇが、どうなってんだろうな…?」
リオンはにやりと笑い返す。
マイルは間に入りたくて焦るが、二人の熱量に圧倒され、ただ息を呑むだけだった。
「準備、始め!」号令とともに、さっきまで言い合っていたのが嘘なように、リオンとハイロは勢いよく森の奥へ駆け出した。足音が葉を踏むたび、乾いた音が森に響き渡る。マイルも必死に追いかける。
ルルのいる2班の二人は馬車から離れた位置でそれを見守る。
「……リオン、無茶してる。あのままじゃいずれ体力がなくなって動きがとまっちゃうよ」
ルルは心配してそうな顔で眉を寄せる。
「あのコンビをまとめなくちゃいけないマイルが可哀想だな」ネロは腕を組んでゲラゲラと笑い静かに観察している。
ルル「そうだね…」
同じ班である
アミリアは涼やかな笑顔を浮かべ、静かに指示を出す。「ルル、気を付けて。この森の中は皆が思っている以上に危険だから。」
アミリアは神妙な顔で喋る
ルルは頷く。「わかってる。でも、リオンたち…大丈夫かな。変なことに巻き込まれたりしてないかな」
ルルの発言を聞いてアミリアは目を細めて笑う
その様子は大丈夫だと慰めるように見えた
これがカリスマってやつなのかな
森の奥は太陽の光がほとんど届かず、木々の葉は濃く重なり合って影を落とす。葉のざわめきはまるで低い唸り声のようで、兵士たちの心臓を少しだけ締めつける。
リオンとハイロは会話を交わしながら勢いよく走る
リオン「お前、序盤でスピード出しすぎじゃねえか?」
ハイロ「はっ、そういうお前も出してるじゃねえか。人の事言う前に自分のことくらい把握して置くべきだろ」
そういうハイロにリオンはムッとする
口をぷくぅと膨らませていかにも怒ってます
みたいな顔をする。ハイロは思った。女々しい
(こいつ変な所が幼くて可愛いな、可愛いというか顔が女よりだからそう感じてしまうのかもしれない中性的といえばそうだがそれだけでは抑えきれないとこもあるな。この感じだと顔は母親似といったところか?今度聞いてみるのもありだがワンチャン母親が死んで兵団に入ったパターン、もしくは両方とも死んじまった可能性があるな。迂闊に聞くべきじゃない。いくら個人的に嫌いだとしても踏み込んでいい領域くらい見極めなきゃいけない
それで幼い俺は何度も後悔してきたんだ、)
マイル「あの二人、仲どんどんよくなってない?
はぁ、はぁ。あんなに初対面の時は雰囲気悪かったのに。まったく付き合わせられるこっちの身にもなってよ」
汗だくになったマイルはふと2人の様子をみた
笑いながらも、お互いに微妙なペース調整をしているようだ。どんどんスピードが落ちている
あんなに息巻いておいてこのありざまだ
ハイロはともかくリオンは後で懲らしめないとな
マイルの頭の中で不気味な想像が展開される…
ペースが落ちた2人はマイルが追いつけるくらいの
スピードに落ちてしまっていた。なんとも情けない
「はぁ、やっと追いついた…」マイルは汗だくで息を荒くしながら二人に訴える。2人の性格上自分たちの口からは裂けても言えないであろうことを
「休憩しようよ、この訓練は休憩も視野に入れたものだから休息をとっても問題はないばすだよ…」
リオンとハイロはその言葉を聞いて表情こそいやいやだが、内心では感謝していた。まったく醜い男たちだ。「ありがとう、マイル…」ハイロ、リオン(お前には、感謝してもしきれない)
視点を変え、フィンのいる班。森の奥に進むにつれ、ミオは不安を募らせる。「1班がもう見えない位置にいる…あのペースでいけば、なにかトラブルがあってもすぐに気付けない」
フィンは淡々と笑う。「訓練だからね、心配する必要はないよ。あの班には真面目なマイルがいるんだ。いざってときは止めてくれるはずだよ。そういえばミオって魔力操作が上手だよね、訓練のとき見てたんだけどミオの魔力は他とは違って流れが綺麗だ。どこかで学んだのかい?」
ミオ「褒めてくれてありがとう、別にこれといってなにかをしている訳ではないんだけど幼い頃から使ってたから他よりも上手く見えるだけ。いずれ皆も同じくらいできる…」
フィン(そう言われても他の兵士と君じゃレベルが違いすぎな気もするけどなぁ、)
ある程度進んでいくと
モブは小声で、「何か…気配が…しないか?動物というには理性的、かといって人間にしては荒々しい気配が…」とつぶやき、身体を震わせていた
その様子をみたミオは握られた右の拳を強く握りしめる
森に静寂が訪れたかと思うと、突然空間が振動する。こ教官の声が響き渡る。
「今からこの森に簡易的な魔力によって生成された悪魔を模倣した生き物を放つ。命を失うほどの危険性はないが、悪魔が放出しているその魔力に一定時間以上触れた場合は減点だ」
森全体がざわめき、各班の兵士たちは一斉に身を固める。
木にもたれかかっていた
リオンとハイロは目を輝かせ、戦意を新たにする。
「ますます面白くなってきたな、やっぱり訓練はこうでないと。本腰いれるぞ!」リオンが叫ぶ。
はっ!そうだな、とハイロが笑い返す。
マイルは二人のやり取りに少し呆れながらも、どこか楽しげに息を整えた。
ルルを含む二班は慎重にスピーディに確実に進んでいく。森は薄暗く、光が葉の隙間からわずかに差し込むだけで、葉の影がまるで人影のように揺れていた。森の静寂の中、葉のざわめきや枝のきしむ音が、兵士たちの神経を張り詰めさせる。
アミリアは冷静に指示を出しながら、時折馬車馬のように動くリオンたちの位置を確認する。
「あの二人、本当に馬鹿ね…。あんまり離れすぎるといけないからスピードをあげよう」と声をかけた
その顔は微笑みながらも、目は鋭く光っている。
森の奥深くでは、光がほとんど届かず、木々の影が絡み合ってまるで迷路のようだ。静かに流れる風の音が、葉を震わせ、低くうねるように森全体に響く。そこに立つ兵士たちは、自然の威圧感と不気味さに戦慄しながら、訓練を続ける。
リオンとハイロは熱くなっているが、互いに注意を払い、魔力を使いながら歩を進める。森の影はまるで何者かの目のように二人を見つめ、森全体が静かに息を潜めているかのようだ。
はあ、疲れた。男がこんな情けないことを言ってはダメなことはわかる。自分から乗った勝負だっていうのに降りたくなってきた
ハイロはどう思っているのだろうか
そう思って俺はハイロの方をみる
こいつの顔は整っているという部類に入るのか?
俺は人の顔に心底興味がないというか、
みんなが可愛い!カッコイイ!と思うような物を
みんなと同じ感情でみたことがない
なんなら真逆だ、俺の心は冷たいらしい…
今まで喋ってきたヤツらにはそう言われた
なにがダメだったんだろうか、父さんに言われたから友達を作ろうとか俺なりに努力してきた
でもダメだったんだ、ダメだったんだろ…?
いや、自分語りはよそう。今はハイロの顔がイケメンかどうか問題について考えるべきだ
疲れた頭を癒すには新鮮な情報が必要だ
今、このときはうってつけだろう
さあて、みるとするか〜
リオンはハイロの顔をジーっとみてみた
わからん、わからんぞ。高いとみられる鼻、俺には普通の鼻にみえる。なんならこの高さくらいが普通なんじゃないかと思えてくる。
次は目だ、うむ、でかいんじゃないかとは思う。
だか女と比べたら小さいだろ、却下
口はどうだろう、M字…?ってやつか?ちょっと崩れてる感じもするがこれくらいは人として普通だと俺は思う。この考え方はなんとかしろと父によく言われた。母さんにはお父さんと似たんだねぇと言われた。父さん、面食いってやつだったんだな。
今更って感じだが改めて思う、父さんも綺麗な顔付きだと言われている、俺からしたらただのダイコンに大豆とかの豆をねじり込んだような感じだ。我ながらいい例えかただとは思うが
ダメだ、考えれば考えるほどバカになりそうだ
頭が痛くなるぜ……
これまでの俺の採点基準を踏まえて、ハイロの顔は
ジャガイモの皮の裏側だ!!
素晴らしい、上出来だ…
スッキリしてむふふんみたいな顔をしていると
ハイロがゴミを見るかのような顔でこちらをみる
なんだ?話したいことがあるなら話せばいいのに
ハイロ「……お前の顔って面白いよな、俺と話すつもりはなさそうな雰囲気出してるくせに話しかけてくれよと言いかけてくるような表情で俺をみてくる
こういうのを情緒不安定というのではないかと、
俺は思うぞ…」
リオン「あ"?なんだよ。人の顔に文句つけておいてその口ぶりはないんじゃねぇのか?ていうかお前にだけは言われたくなかったね、俺が情緒不安定だって。朝まで喧嘩売り飛ばしてきたやつが今は俺の心配?冗談は大概にしてくれよ。ちょうどいい、あの時の続きをしないか?」
揉め事が起きようとしたその時、マイルが口を開く
マイル「や、やめてよ。今はそんなことをしている場合じゃないだろ?自分からいざこざを起こすような真似をするだなんて君はそんなくだらない男だったの?」
いきなりそんなことを言ってくるマイルに
腹を立てた、さっきからなにも言ってこなかった癖に今更言われたって俺にはとまらないぞ。
ハイロ「そうだぞリオン、俺は心配してあげたってのに、お前は恩を仇で返すのかよ。ほんとしょーもない奴だな。そんなことよりほら、あっちの草むらみてみろよ」
マイルとハイロのダブルパンチでイライラしていた
俺は仕方なくハイロの指さす方向をみた
そこには魔力で生成されたであろうブタの形をした悪魔がこちらをみていた。元の素材は魔力だからか濡れ鳥の皮膚の隙間から青白い光が薄くみえているちっこい翼が生えていて本来ブタにはないであろう凶悪なキバが生えていた。悪魔には人型、獣型があって、今回は獣らしい。母さんを襲った悪魔はおそらく人型だ。あの時の悪魔とは全然違うが悪魔の証である翼を生やしているあいつを見ていると胸糞悪い、みていて腸が煮えくり返るような感覚に襲われる。あぁ、こんな存在が俺から母さんを奪ったのか
ハイロ視点
なんだ?リオンがあの悪魔をみて固まった?
怖気付いたのだろうか、だがそれにして表情が固い
まるで哀れなものをみているような、怒っているような。リオンの幼い子供のような顔は今そこにはない。いつものリオンと違う気がして少しビビってしまった、俺は本物の悪魔に出会ったことなんてないしましてや大切な人の命がなくなったことも、
奪われたこともない。だから今この悪魔じゃない魔力の塊をみてもなんの感情も湧かない。
なんて言葉をかけたらいいのか俺にはわからない
だったら幼馴染であるマイルが声をかけたらいいじゃないかと思ったがリオンをみてマイルはなにも言わずにいる、ただ、みている。
俺とこいつらじゃ面構えっていうか、なんか、もう根本的に違うんだろうな…
でもここで黙っていてなにかが変わる訳ではない
俺が撒いた種なんだ、ならそれを自分ができるくらいのレベルでそっと摘んでやるのがナイスな男ってやつなんだ。できないことじゃない、出来なきゃいけないことだ。
「これが、教官が言ってたやつか。こいつがいたとき俺たちがやることは1つだろう?早くやろうぜ」
ハイロ視点終了
楽しめましたか?モブ・ザコはこれから出番は増えていくか不明です。また次の回をみてくださいね。




