第九十一話 暴走と秘策
天使がトップアイドルを目指すというとんでも設定です。
一応王道アイドル物になる予定です。
誤字・脱字、感想、レビュー諸々受け付けております。
ぜひよろしくお願いします!
全日本アイドルコンテスト最終決勝戦
去年の上位5組プラス今年の新規5組
新旧の対決のように言われているが、実際は全員ライバルでどこが1位を獲るかが問題だった。
今年はどのグループも調子が良く、どこが1位になっても、そして、トップファイブに勝ってもおかしくないレベルに仕上がっていた。
そんな中、エルシィたちは最終の打ち合わせをしていた。
「いい、どんなにテンションが上がっても2番のサビまでは絶対に暴走しないこと」
「わかりましたけど、ホントにアレでいくんですか?」
エルシィはやや不安そうに未来に問いかけた。
「逆に今はアレしか方法が思い付かなかっただし」
「なんとか制御できればトップファイブにも通用するでしょうし」
と、未来と優花は答えた。
「練習では1度も成功してませんし」
「練習だとテンションが上がりきらないからぶっつけ本番しか方法がないのよ」
「大丈夫、私たちならできますよ」
いつもと逆にエルシィが励まされる形になっていた。
決勝戦は順調に進んでいき、残るは3組。
奇しくもブラックトライアル、クレッシェンド、Three Angelの3組だった。
ブラックトライアルのパフォーマンスは、先日の選抜決勝戦よりも洗練されており、上位に食い込んだくることは間違いなさそうであった。
歌のノビ、ダンスのキレ共にトップファイブと遜色ないように感じられた。
続いて、クレッシェンドのパフォーマンス。
ゆりを中心に王道のアイドルを思わせるほどの圧巻だった。
歌に力を入れつつ、ダンスは最小限で決める。
クレッシェンドが出した自分たちスタイルの最終形だった。
最後にThree Angelの番。
打ち合わせ通り、2番のサビまでは抑えていた。
そして、サビに入ったタイミングでエルシィのギアが上がったかのように歌もダンスもレベルが数段上昇した。
前回はこれに2人がついてこれず、エルシィが独走する形となったが今回は2人もエルシィに合わせて、歌は優花がダンスは未来が、それぞれフォローする形でエルシィのレベルまであげていた。
結果、サビから急激に盛り上がるように錯覚させ、秘策は成功したかのように見えた。
舞台袖で、ゆりと歌菜はエルシィたちを複雑な顔で眺めていた。
つづく




