第七十一話 VS5等星 センタクル
天使がトップアイドルを目指すというとんでも設定です。
一応王道アイドル物になる予定です。
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ついに始まったトップファイブへの挑戦。
クレッシェンドの相手は5等星のセンタクル。
3人組で前にThree Angelがやったセンターを入れ替えながら曲の進行を行うグループである。
クレッシェンドからのパフォーマンス。
出だしからも好調さが伺えた。
ゆりの歌の伸びも玲蘭のダンスのキレも聖奈の合わせも過去最高と言っていいほどの出来栄えであった。
今まで戦ってきたエルシィ達もクレッシェンドの成長を感じずにはいられない程であった。
挑戦者側に希望が見えた。
案外勝てるのではないのか?
トップファイブの入れ替えがあるのでは?
あわよくば、トップファイブ総入れ替えも?
などと考えるほどにはクレッシェンドのパフォーマンスは今までとは違っていた。
アウェイとはいえ、トップファイブと自分達とではそこまで差がないようにすら感じていたのだった。
そして、センタクルのパフォーマンス。
それを見るまではセンタクルはセンターを入れ替えながらという観客側の意見を鵜呑みにしていた。
センタクルのパフォーマンスの真骨頂は、センターの奪い合いだった。
練習であろうが本番であろうが、その瞬間に輝けると感じたものがセンターに出る。
しかし、他の2人もセンターを狙いに来るため、曲の間でもどんどんパフォーマンスが伸びていく。
回数をすればするほど、長く歌えば歌うほどパフォーマンスは向上していく。
まるで3つの螺旋のように絡み合いながら伸びていく。
パフォーマンスが始まってすぐはクレッシェンドより下のレベルと感じたのも束の間、あっという間にパフォーマンスレベルが向上していってしまった。
本番でも成長するグループ。
これですら5等星。
僅かに見えた勝利の希望は瞬く間に見えなくなったのだった。
トップファイブに挑んで負けたグループの9割が解散したり、引退したりする。
その理由がこれである。
圧倒的な実力差に絶望し、道を閉ざしてしまうのだ。
今回もそうなるかに思われたが、
「なるほどですわ、本番ですら成長の機会があると。まだまだ私達は伸びしろがありますね」
負けを認めつつ、自身の可能性を諦めないゆりの声が聞こえた。
その声に他のグループもまだ負けたわけではないと喝を入れられた気分だった。
陰鬱な雰囲気になりかけた控室を一瞬で挑戦者の目に戻した。
こういったことができるのがゆりの強さであると聖奈と玲蘭は改めて感心し、来年こそはと心に誓うのであった。
挑戦の結果は挑戦者とトップファイブの1組ずつ行ったあとに会場がどちらがよかったかを投票する。
5等星戦は2倍の得票でセンタクルが勝った。
クレッシェンドは来年に向けて新たに練習を始めるために会場をあとにしたのだった。
つづく




